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グジェゴシュ・ニェムチュクさん ピアノを演奏するとき、レガートはもっとも大切な要素。私はピアノを打楽器的にではなく、レガートを駆使し、人間の声のようにうたわせたいのです。 この記事は2018年12月21日に掲載しております。

ポーランド出身のグジェゴシュ・ニェムチュクは、次世代を担うピアニストとして大きな期待を寄せられている。これまで国際コンクールでさまざまな賞に輝き、レパートリーも広い。だが、やはりショパンの音楽はレパートリーの根幹を成す。2019年3月に東京と大阪で開催されるリサイタルもオール・ショパン。そのショパン観に耳を傾けると……。

Profile

pianist グジェゴシュ・ニェムチュク
© 武藤 彰

pianist
グジェゴシュ・ニェムチュク
卓越した技巧と魅惑的な歌心をもつポーランド音楽界の次世代を担うピアニスト。
ポーランド ティヒ生まれ。カトヴィツェにあるK.シマノフスキ音楽大学をヨゼフ・ストンペル教授に師事し、最優秀で卒業。その後、奨学金を得てマネス大学で学ぶ。メナヘム・プレスラー、プィリップ・ホアキン、ホアキン・アチュカロ、デヴィット・ドゥバル、カン・チェンモ、K.ツィマーマン、A.ヤシンスキ、ダン・タイ・ソン、P.パレチニの各氏に師事。リピンスキ音楽アカデミーにて芸術学士取得。
2009年からアメリカのジェフリー・スアン芸術監督と共に活動も行っている。
=彼の演奏は、極めて流暢で、鳴り響くffからやさしい囁きのようなppまでディナミークが非常に幅広い。その音色は豊かな色彩にあふれ、眩しいばかりの技巧に優れている(ザ・エポックタイムス)=彼は、多くの国際コンクールで優勝しているポーランド人初の入賞となったカーネギーホール国際コンチェルトコンクールの優勝をかわきりに、イタリア、ブルガリア、ニューヨーク、イギリス、ベルギーなど多数優勝。韓国での釜山マル国際コンクールで特別賞受賞。第40回ポーランド全国ショパンコンクール(ワルシャワ)で優勝。
グジェゴシュ・ニェムチュクは、母国ポーランドの首相賞、文化省賞、及びティヒ市長賞など数々の栄誉ある賞を受賞している。
レパートリーは、幅広く、バロックから近現代に至るまで、その数は、ソロ作品200曲以上、ピアノ協奏曲20作品に上る。
彼の豊富な国際的ソロ活動は、既に11年にも渡り世界中の多くの著名なコンサートホールでの演奏を成し遂げた。現在までに6大陸30か国以上(ポーランド、チェコ、スロバキア、ドイツ、リトアニア、ロシア、オーストラリア、英国、フィンランド、ノルウェー、エチオピア、タンザニア、スイス、日本、中国、韓国、シンガポール、マレーシア、オーストリア、ブラジル、米国、ジャマイカ、ペルーキュラソー島)を訪問し、350回以上のリサイタルを行い、マスタークラスを行っている。2016年、紀尾井ホールにてピアノ協奏曲の演奏会、2017年7月に、満席の中、鮮烈な東京デビューリサイタルを行い好評を博す。2017年ポーランド国営ラジオによる、「ショパンの最も優れた解釈のピアニスト」に、アルゲリッチ、ポリーニと並んで、選ばれる。2018年東京文化会館で開催した演奏で好評を博す。
 
現在シレジア大学音楽科にて准教授の傍ら、リマ音楽院、ノルウェー音楽アカデミー、シンガポール ナンヤン芸術アカデミー、他多数招聘をされ、演奏及び指導を行っている。
また、ニューヨーク マネス大学音楽科の国際ピアノインスティトゥートとフェスティバルに、ショパンとシマノフスキの歴史及びマズルカの奏法で招聘されている。現在 日本の音楽雑誌「ショパン」に連載を掲載中
グジェゴシュ・ニェムチュク オフィシャルサイト
※上記は2018年12月21日に掲載した情報です。

ようやくソナタ第2番に挑戦

 来日は今回で4度目を数え、2019年3月のリサイタルが5度目となる。
「初来日のときは、ポーランドとまったく異なる国の様子に驚きを隠せませんでした。都市の規模も文化も食事も人々の気質も、何もかも違う。すべてが新しい体験でした。2度目、3度目となると慣れてきて、さまざまなことに順応できるようになりました。今回は4度目ですが、もう居心地がよくて、日本はなんてすばらしいところなんだろうと、まるで故郷に戻ってきたような気分を味わっています(笑)。ピアノを習っている人や教えている人も多く、コンサートでは熱心に聴いてくれます。来年のリサイタルではもてるすべてが出せるよう、最善を尽くします」

 プログラムは、まず最高傑作のひとつと称される「幻想ポロネーズ」からスタートする。その曲目に関して説明してもらうと……。
「ショパンの後期の作品群が好きなんです。《幻想ポロネーズ》は私にとって特別な曲。大学の修士論文で取り上げ、構成などを深く研究した思い出の作品です。演奏は非常に難しいのですが、ショパンのあらゆる感情が詰まっていると思いますので、それを表現することを目指しています。ピアノ・ソナタ第2番もシリアスな作品ですので、その間に聴衆にちょっと息抜きをしてもらうためにワルツ第1番と第2番を入れます。ソナタはずっと第3番を演奏していたのですが、ようやく第2番に挑戦するようになりました。私は作曲家が作品に込めた気持ちを敏感に察知してしまう性格ですので、第2番を書いたショパンの気持ちに入り込んでしまうのです。でも、ようやく自分も成熟し、演奏したいという気持ちが熟したのです。後半はノクターンとマズルカ、最後に《アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ》で締めくくります。聴いてくださる方が明るく幸せな気分で帰路に着いてほしいため、この曲を最後にしました。CFXは繊細なタッチに反応し、多彩な色彩が表現できるため、ショパンの多様な色合い、情感が描き出せると思います。私が長年にわたって探求してきたこまやかなショパンの表情をぜひナマの演奏から聴き取ってほしいと思います」

Textby 伊熊よし子

グジェゴシュ・ニェムチュクさんへ “5”つの質問

※上記は2018年12月21日に掲載した情報です。



公演情報

グジェゴシュ・ニェムチュクピアノリサイタル ~日本・ポーランド国交100年記念リサイタル
日時:2019年3月16日
開場:13:00 開演:13:30
会場:ヤマハホール
東京都中央区銀座7-9-14
出演:グジェゴシュ・ニェムチュク
料金:学生・会員 2,000円/一般 4,000円 (いずれも税込)

■お問合せ
ア・コルト音楽プロデュース
TEL:070-1266-0037



グジェゴシュ・ニェムチュク ピアノサロンコンサート
日時:2019年3月23日
開場:13:30 開演:14:00 
会場:ヤマハミュージック
大阪なんば店 (2Fサロン)
大阪府大阪市西区南堀江1-2-13
出演:グジェゴシュ・ニェムチュク
料金:学生・会員 2,500円/一般 3,000円 (いずれも税込)

■お問合せ
ヤマハミュージック
大阪なんば店 鍵盤楽器売場
TEL:06-6531-8203