この記事は2019年12月25日に掲載しております。

アコースティック・ピアノで奏でるピュアなサウンド

　その“共有する幸福”を心の底から味わえるのが、2020年1月13日に東京・大手町のよみうり大手町ホールで行われる『松居慶子ソロ・ピアノ2020』コンサートだ。タイトルのようにバンド・スタイルではなくアコースティック・ピアノ一台での演奏。しかもクラシックの室内楽コンサートやピアノ・リサイタル等も行っている客席数501のホールであるため、松居慶子の指先から紡がれる繊細なピアニズムを心ゆくまで堪能できるだろう。東京でのコンサートも少ない中、しかもライブハウスとは違った音と空間で味わう演奏は、長年のファンであっても貴重な体験になるはずなのだ。

「東京では2017年7月に銀座のヤマハホールでソロ・ピアノのコンサートをしましたが、東京でのコンサート自体が少ないため、今回も日本の皆様に演奏を聴いていただける貴重なチャンスになります。ツアーでもロシアやウクライナなどの由緒ある大きな劇場で、バンドではなくソロ・ピアノのコンサートをしたことがありました。今回はそうしたホールよりもサイズが小さい空間ですので、より繊細な表現もお客様へ届けることができると思っています」
どういった曲が演奏されるのかは当日のお楽しみとして、聴き慣れた曲であってもCDに収録されているアレンジとはまったく違う可能性は大。アコースティック・ピアノのサウンドを生かし、よりピュアでオーガニックな音楽として生まれ変わることになれば、新しい松居慶子サウンドの魅力を発見できるだろう。

「2019年は『Echo』のプロモーションのためにいろいろな街でコンサートをしてきましたが、演奏を重ねていく中で曲も成長してきました。私自身も変化し続けてきて、2019年の終わりにようやくひと区切りがついたと感じています。今回のソロ・ピアノ・コンサートは新しい一年のスタートをきるという意味でも大切ですし、その時点での私がどういう空間を創造できるのかというチャレンジです。また、これまで28枚のアルバムをリリースしてきた中、さまざまな私の側面が刻まれてきたわけですが、あらためて過去から未来へと向かっていく音楽をひとつの世界へと再構成し、それを聴いていただきたいという思いもあります。私のもとに届いてくれた曲たちへの感謝の気持ちと共に、自分の辿ってきた道を振り返りながら今の自分ならではの不思議な空間を作りたいですね」