Vol.3:開原 由紀乃、水谷 桃子
- 開原 由紀乃
広島県福山市出身。
2004年、2005年ピティナピアノコンペティション D級、F級 全国決勝大会 入賞。2015年ロン・ティボー・クレスパン国際コンクール セミファイナリスト。2016年 第14回東京音楽コンクール 第3位。
これまでに、ソリストとして大友直人、渡邊一正、現田茂夫 各氏、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団と共演。広島国際文化財団、日本演奏連盟/宗次エンジェル基金、ヤマハ音楽振興会、野村財団奨学生。2006年に浜松国際ピアノアカデミーを受講。
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、東京藝術大学を経て東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程を首席で修了。修了時に、藝大クラヴィーア大賞、大学院アカンサス音楽賞、クロイツァー賞、台東区長賞を受賞。ピアノを髙橋紀子、小嶋素子、白石光隆、伊藤恵の各氏に、室内楽を加藤洋之氏に師事。現在、ベルリン芸術大学で研鑽を積んでおり、ビョルン・レーマン氏に師事。
- 水谷 桃子
神戸生まれ。
2004年~2008年ピティナ・ピアノコンペティションE級金賞、G級銀賞、特級準金賞受賞。
2007年第5回東京音楽コンクール第2位。
2009年松方音楽賞受賞。2006年、2013年浜松国際ピアノアカデミーコンクール第4位。
2012年ニューヨーク・ドロシーマッケンジーコンクール優勝。
15歳の時に中村紘子氏の推薦により水戸・佐川文庫にて初めてのリサイタルを行う。
これまでに小林研一郎、広上淳一、梅田俊明、山下一史、キンボー・イシイ・エトウ、現田茂夫、沼尻竜典、角田鋼亮、ケン・シェ、岩村力、ダグラス・ボストックの各氏指揮、日本フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団 、兵庫芸術文化センター管弦楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、日本センチュリー交響楽団、東京ニューシティー管弦楽団、大阪交響楽団等と共演。
2013年ジェローム・ローズ氏の招きでIKIF音楽祭若手アーティストリサイタルシリーズにてニューヨークデビュー。
藝大室内楽定期にも出演。
東京藝術大学を経て、東京藝術大学大学院修士課程修了。
2011年度よりヤマハ音楽奨学生、2013年度青山財団奨学生、2015年宗次エンジェル基金奨学生。
これまでにクラウディオ・ソアレス、迫昭嘉、故 中村紘子、江口文子の各氏に師事。現在、昭和音楽大学附属ピアノアートアカデミー在籍。
国際的な活躍が期待される若きピアニストたちによるジョイントコンサートシリーズ「サロンコンサート in Ginza」。2021年4月8日に開催されたVol.3には、開原由紀乃さんと水谷桃子さんが出演しました。
前半のステージに登場した開原由紀乃さんの最初の曲は、ベートーヴェン《ピアノソナタ第24番》。冒頭のアダージョの序奏部から、謎めいた抒情性を湛えた和音を神秘的に響かせ、嬰ヘ長調という古典作品には珍しい調性の中で多彩な和声が繰り広げられていきます。「テレーゼ」と呼ばれるベートーヴェン中期の歌心にあふれる革新的なソナタを、ヤマハCFXの多彩な音色を駆使してニュアンス豊かに楽しませてくれました。 続いてショパン《マズルカ作品17》。民族色豊かな4曲の舞曲に込められたショパンの望郷の想いが生き生きと描き出されていきます。そして《バラード第4番》。しなやかなテクニックで各声部を絶妙にコントロールし、繊細な情感と激情が交錯する曲想を鮮やかに表現しました。
後半の水谷桃子さんのステージは、オール・ショパン・プログラム。《エチュード作品25-10、作品10-8、作品10-10、作品10-4》でスタートしました。技巧と詩情が高度に結びついた珠玉のエチュードの数々を、ヤマハCFXから煌めくような音色を引き出し、清潔なタッチでみずみずしく聴かせてくれました。続く《バラード第3番》では、憧れに満ちた第1主題、軽やかで優美な第2主題が織りなすストーリーが色彩豊かな音色で展開されていきます。
「子猫のワルツ」という愛称を持つ《ワルツ作品34-3》のチャーミングな演奏を挟んで、終曲は《アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ》。牧歌的なアンダンテと華やかなポロネーズを対比させ、ヤマハCFXの幅広いダイナミクスを活かして圧倒的な演奏でステージを締めくくりました。
最後は、東京藝術大学・大学院で同期だったおふたりの2台ピアノによるA.アルチュニアン/A.ババジャニアン《2台ピアノのためのアルメニア狂詩曲》。民謡的なメロディが朗々と歌われた後、特徴的なリズムに乗ってエキゾティックな音楽がヤマハCFXとヤマハS6から表情豊かに紡ぎ出され、躍動感に満ちたエキサイティングな演奏を楽しませてくれました。
終演後、開原由紀乃さんは「コロナ禍で演奏の機会が失われ、毎日自分自身と向き合いながら弾いていましたが、久しぶりの本番は新鮮で、幸せな空間でした。昨年はベートーヴェンの生誕250周年という記念すべき年だったのに、あまり演奏されることなく過ぎてしまったので、一年越しの想いを込めてベートーヴェンのソナタをプログラムに入れました。ショパンコンクールの予備予選が一年延期されたので、与えられた時間の中でショパンを離れてこれまで触れなかった作品に触れ、あらためてショパンを見つめ直すことができたかなと思います。本番中、ヤマハCFXの持つキャラクター、音色からインスピレーションを受ける瞬間が何回もありました。小さなサロンなのに、大ホールで弾いているような響きを感じ、ピアニッシモも繊細なニュアンスを表現できて驚きました。最後の2台ピアノのアンサンブルは、楽しかった!の一言です。水谷さんの音楽との化学反応を心地よく楽しみました」と語りました。
水谷桃子さんは「ショパンコンクールの予備予選に向けて、苦手なものをあえて並べたプログラムで、手首の動きで指をコントロールしようと試みました。上手いか下手かではなく、自分にしかできない音楽を一箇所でも出せたらいいなと思っています。数年前ピアノから離れていた時期がありましたが、今は自分が弾きたくて弾いていると心から思える状態です。ヤマハCFXは、信頼している調律師さんのおかげですべてが最高に整っていて、まろやかな音色、輝きが素晴らしく、気持ちよく演奏することができました。開原さんとの2台ピアノのアンサンブルは、開原さんのゾクゾクするような音楽に魅せられながら、日本最高峰のピアノで演奏できることの幸せを感じました」と語りました。
学生時代から互いに切磋琢磨して自身の音楽を追求してきたおふたりの、今後の活躍が期待されます。
会場 |
ヤマハ銀座コンサートサロン(ヤマハ銀座ビル 6F) 東京都中央区銀座7-9-14
公演の案内はこちら
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日時 |
2021年4月8日 18:30開演 (18:00開場)
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演奏者/曲目 |
■開原 由紀乃
<ソロ>
L.v.ベートーヴェン/
ピアノソナタ第24番 Op.78
F.ショパン/
マズルカ Op.17、バラード第4番 Op.52
■水谷 桃子
<ソロ>
F.ショパン/
エチュード Op.25-10、Op.10-8、Op.10-10、Op.10-4
バラード第3番 Op.47
ワルツ Op.34-3
アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ Op.22
■開原 由紀乃・水谷 桃子
<2台ピアノ>
A.アルチュニアン・A.ババジャニアン/
2台ピアノのためのアルメニア狂詩曲
※都合により曲目が変更になる場合がございます。
※演奏順は当日のプログラムでご確認ください。
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Profile
- 開原 由紀乃
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広島県福山市出身。
2004年、2005年ピティナピアノコンペティション D級、F級 全国決勝大会 入賞。2015年ロン・ティボー・クレスパン国際コンクール セミファイナリスト。2016年 第14回東京音楽コンクール 第3位。
これまでに、ソリストとして大友直人、渡邊一正、現田茂夫 各氏、東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団と共演。広島国際文化財団、日本演奏連盟/宗次エンジェル基金、ヤマハ音楽振興会、野村財団奨学生。2006年に浜松国際ピアノアカデミーを受講。
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校、東京藝術大学を経て東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程を首席で修了。修了時に、藝大クラヴィーア大賞、大学院アカンサス音楽賞、クロイツァー賞、台東区長賞を受賞。ピアノを髙橋紀子、小嶋素子、白石光隆、伊藤恵の各氏に、室内楽を加藤洋之氏に師事。現在、ベルリン芸術大学で研鑽を積んでおり、ビョルン・レーマン氏に師事。
Profile
- 水谷 桃子
-
神戸生まれ。
2004年~2008年ピティナ・ピアノコンペティションE級金賞、G級銀賞、特級準金賞受賞。
2007年第5回東京音楽コンクール第2位。
2009年松方音楽賞受賞。2006年、2013年浜松国際ピアノアカデミーコンクール第4位。
2012年ニューヨーク・ドロシーマッケンジーコンクール優勝。
15歳の時に中村紘子氏の推薦により水戸・佐川文庫にて初めてのリサイタルを行う。
これまでに小林研一郎、広上淳一、梅田俊明、山下一史、キンボー・イシイ・エトウ、現田茂夫、沼尻竜典、角田鋼亮、ケン・シェ、岩村力、ダグラス・ボストックの各氏指揮、日本フィルハーモニー交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団、新日本フィルハーモニー交響楽団 、兵庫芸術文化センター管弦楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、日本センチュリー交響楽団、東京ニューシティー管弦楽団、大阪交響楽団等と共演。
2013年ジェローム・ローズ氏の招きでIKIF音楽祭若手アーティストリサイタルシリーズにてニューヨークデビュー。
藝大室内楽定期にも出演。
東京藝術大学を経て、東京藝術大学大学院修士課程修了。
2011年度よりヤマハ音楽奨学生、2013年度青山財団奨学生、2015年宗次エンジェル基金奨学生。
これまでにクラウディオ・ソアレス、迫昭嘉、故 中村紘子、江口文子の各氏に師事。現在、昭和音楽大学附属ピアノアートアカデミー在籍。
上記は2021年3月19日現在の情報です