ヤマハ | DZR Series

DZR Series

Yamaha DSP: 一貫する明瞭さとパワーを生む高度な制御

Advanced FIR-X Tuning

内部処理96kHzのDSPプロセッサーは、DZRシリーズの高い出力性能、高解像度な音質を低遅延で実現します。ヤマハが新たに開発した「Advanced FIR-Xチューニング」はクロスオーバーネットワークと補正EQにリニアフェイズFIRフィルターを用いた独自のFIR-Xチューニングテクノロジーを大幅に改善したものです。FIRフィルターを用いることで極めて滑らかな周波数特性となり、位相歪みの無い明瞭さと音像定位を実現します。信号を劣化することなく最高にクリアな音質とクラス最大級のSPLを生み出すためのピンポイント調整にも精確なEQフィルターを用いています。

リアパネルに搭載したLCDからはプリセットの読み込み、PEQによる精確な調整、ディレイ、ルーティングなどのパラメーターを簡単に操作することが可能です。最大8つまでのユーザープリセットに任意の設定を保存したり、DZRとDXS XLFシリーズを組み合わせて使用するために最適化された専用のファクトリープリセットをリコールしたりすることができます。

ユーザーはパラメーターの設定を簡単にUSBメモリに保存することもできます。

D-CONTOUR

DZRシリーズに搭載しているD-CONTOURはDZRシリーズがどのような音量で駆動されていても一貫性のあるサウンドとクリアな音質を実現する高度なマルチバンドコンプレッサーです。これは複数の周波数帯域の出力を常時モニタリングし、それぞれに最適なEQ調整することで、最大の出力レベルでも優れた明瞭さと音楽性を維持することができます。

DZRシリーズはモニターでの使用も想定してデザインしており、またD-CONTOURはFOH/MAINとMONITORという2つのモードがあるため、使用用途に応じて詳細なセッティングが可能です。

FOH/MAINモードは一般的にスピーカースタンド設置や吊り下げ構成時に失われるローエンドの周波数を補填するためにブーストします。MONITORモードは、床からの反射によって強調されてしまう低域を抑え、広範囲の周波数帯域を平滑化してプロがステージモニターに求める明瞭な音を実現するステージモニターアプリケーションに最適化します。これらのプリセットは熟練したサウンドエンジニアと数えきれない位のリスニングテストを行って完成したもので、どのような出力レベルでも歪の少ない一貫したサウンドを保証します。

最大出力を得ながらコンポーネントの寿命を延ばすDSP保護回路

パワード型スピーカーの利点の一つは、スピーカーユニットとアンプの組み合わせを完全にマッチさせ、最適化することができるため、最大の性能が引き出せることです。DZR及びDXS XLFは開発過程で各スピーカードライバーの耐久性や総合的なアンプ出力を測定、テストすることによって各モデルに最適なリミッターポイントをDSPで精確にコントロールしています。

ヤマハのハイエンドプロフェッショナルパワーアンプにも搭載している最先端のDSPによる保護機能は電源、アンプ、スピーカードライバー、信号レベルを一貫して監視し、各コンポーネントを適切に保護します。各コンポーネントの寿命を延ばしながら使い勝手も拡張しながら最適な性能を維持します。

初のDante標準装備プロ用SRスピーカー

DZRシリーズの各モデルはDanteを標準搭載した「-D」モデルを用意しています。Dante搭載モデルはヤマハのミキサーや他のDante対応機器とSRC(サンプリングレートコンバーター)機能を持ったDante I/O(2in/2out)を介して48kHzで接続することが可能です。

パッチは至ってシンプルで、特にヤマハのデジタルミキシングコンソール「DM7」、「DM3」や「CL/QL」と使用すると、I/Oデバイス画面からパッチングできるため大幅に簡素化されます。「TFシリーズ」のユーザーは、クイックコンフィグを選択することで洗練されたSRシステムを驚くほど迅速かつ簡単にセットアップ、オペレーションすることが可能です。アナログI/OとDante I/Oを組み合わせることで、柔軟なルーティングとシステム設定が可能になるだけでなく、Danteのブレークイン、ブレークアウト機能を使用することでシンプルなI/Oボックスとしても使用することができます。*

さらにヤマハのカスタマイズ可能なWindows、iOSに対応のコントロールソフトウェア「ProVisionaire Control Plus」とiPad等で使用する「ProVisionaire Kiosk」もDante機器に対応しているため、お使いになるSRシステムを簡単に管理することが可能です。

* 本機能はファームウェアVer1.2.2以降でサポートされます。

Full Dante Connection

Mixed Connection

ハイパワー2000W Class-Dアンプ搭載

DZRシリーズは、新開発の高効率なクラス最大級の143dB SPLを生み出す2000W Class-Dアンプモジュールを搭載しています。全てのアンプはフルレンジのDZRシリーズの高域、中域(DZR315のみ)と低域のスピーカードライバーに適合するように設計し、最適化しています。

カスタム設計のトランスデューサー(ドライバー)

HF トランスデューサー

HFトランスデューサー(ドライバー)は2インチボイスコイル、1インチスロート径のコンプレッションドライバーでチタニウム製ダイアフラム、ネオジム磁石を、耐久性に優れたアルミキャストフレームを採用した筐体に搭載しています。

3ウェイ用MFトランスデューサー

DZRシリーズ唯一の3ウェイスピーカーDZR315のMFには1.5インチのボイスコイル、8インチコーンのドライバーを搭載しています。低歪み、かつ高い能率で分解能の高い中域再生を可能とし、クラス最大級の143dBのSPLかつクリアなサウンドを実現します。

LFトランスデューサー

新開発のLFトランデューサ―(ドライバー)は、大型の3インチボイスコイル、堅牢なアルミキャストフレーム、軽量なネオジム磁石を採用し、軽量な構造でありながらハイパワーな低域を再生します。特に中低音域のボーカル帯域で厳密に制御し、最大出力時でも全体的に強力な歪みの無いレスポンスを生み出します。

柔軟性

プロの要求に応える機能を備えたデザイン

DZR15、DZR12、DZR10スピーカーはいずれも回転可能なホーンを装備しており、使用する会場の音響要件に合わせて水平、垂直どちらの設置も可能です。標準の指向角度は縦置きでDZR15は90x50°、DZR12とDZR10は90x60°です。これらに採用されている定指向性ホーンは、カバーするエリア全体にスムースなレベルを供給し、かつ一般的なホーン設計で生じるロールオフを最小限に抑えるように設計しています。

DZRシリーズのキャビネットは、強固な15mm厚のプライウッドを使用し、塗装には優れた耐傷性を誇るミリタリーグレードのポリウレア塗装を採用しました。

エンクロージャーはビリつきを抑えるためにバタフライジョイントによる補強構造、高音量時のポートノイズを抑えるためにフレア形状のポートを採用しています。

またDZR15、DZR12(-Dモデル含む、DZR10/10-Dは左右非対称)は左右対称のキャビネット構造で、フロアモニターで複数設置時のパフォーマーに対称なサウンドフィールドを提供し、従来の一般的なモニター構成の同様なシステムと比較してより広く、より正確な「スウィートスポット」を生み出すミラーモードにも対応可能です。ミラーモードを使用するとデュアルモノ、ステレオモニターMix構成のどちらでもステージ上のパフォーマンスを大幅に向上させることができます。

  カバレージアングル 回転可能 モニターアングル ミラーリング
水平 垂直
DZR315/315-D - - -
DZR15/15-D
DZR12/12-D
DZR10/10-D -

水平・垂直取付用Uブラケット

DZRシリーズは、縦・横それぞれに用意されたUブラケットと組み合わせて、壁面や天井吊り等の設置が可能です。また他にも豊富なリギングポイントを備えており、ホーンローテーションと併せて様々な環境でのアイボルト*吊り下げが可能です。

* アイボルトは付属していません。

安全運用のためのユーティリティ

DZRシリーズはUSB経由ですばやく簡単に設定保存が可能であると共に、パネルロックの機能なども搭載し安全な運用をサポートします。内部状態のログや設定をUSB経由で保存できるため、素早いトラブルシューティングも可能です。

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