インストレーションシリーズ 生産完了品
多彩なモデルバリエーションを用意し、多彩な設置に対応
設備用スピーカーにおいては、設置性やカバーエリアの制御などが重要なポイントとなります。インストレーションシリーズでは、5インチから15インチまでの2ウェイモデル、15インチの3ウェイモデル、メイン、補助用、フロアモニター、サブウーファーなど多用途に用いられるラインナップを用意しております。それぞれ、口径やLF数、外形サイズが異なる16種類のモデル、52機種をラインナップしており、さまざまな形でのインストレーションに対応します。 12インチモデルと15インチモデルの2ウェイスピーカーにはそれぞれ指向角度が異なるモデルを4品番と各ミッドパワーモデル、3ウェイスピーカーには 2つの品番を用意しました。これらの組み合わせにより、近距離から遠距離まで、広いエリアをカバー可能です。また全モデルにローテート(回転)可能なホーンを使用しており、縦置き、横置きを選ばず設置可能です。全モデルに白、黒のカラーバージョンを用意しており、すべてリペイントが容易な塗装仕様となっています。多数のリギングポイントを用意し、様々な吊り設置に対応していることに加え、専用のUブラケット、アレイフレームを使用することにより、多彩な設置を可能にしています。(IF2205、IF2205Wを除く各モデルにアイボルトを4個同梱しています)
音色の統一と位相特性の統一によりホワイトキャンバスを実現
設備用途においては、施設のさまざまな場所に多数のスピーカーを設置する必要があります。インストレーションシリーズでは多数のスピーカーを使用した場合において「いかにナチュラルな音場が得られるか」、「いかに制御性の高い音場を得られるか」という点を追求しました。あらゆる音色を鮮やかに表現できる音場、という意味を込め「ホワイトキャンバス」という開発コンセプトに基づき設計してきました。モデルを超えたシリーズ全体の音色の統一(ファミリーサウンド)と位相特性の統一(ユニフェイズ)を徹底することで、EQによる制御性の高い、ナチュラルな音質を実現しました。
ヤマハDMEシリーズで使用可能なプロセッシングデータを多数用意
インストレーションシリーズはデジタルミキシングコンソール「PM5D」やデジタルミキシングエンジン「DMEシリーズ」との組み合わせの際、きわめて高いパフォーマンスを発揮するように開発されています。特にDMEシリーズにはインストレーションシリーズに最適化されたスピーカープロセッシングのプログラムが多数用意されており、プログラムを選択するだけで多数のスピーカーを使用した高度なプロセッシングを短時間で簡単に行うことができます。
キャビネット
スピーカーキャビネットの設計によってサウンドは大きく変わります。堅牢で共振がないことが重要であることは言うまでもありませんが、他にもサイズ、形状、ブレーシング(補強)、吸音材など、音質に影響を与えるファクターが数多くあります。これらが相互に影響し合い、最終的な音質を決定するのです。これらのファクターの多くは、従来からの科学理論と音響工学を使って設計することができますが、最終的には、経験と試聴の繰り返しによって決定されます。インストレーションシリ ーズのスピーカーではキャビネットに16ミリ厚(一部のモデルを除く)、11プライの高品質フィンランドバーチを採用。内部には強度と共振を考慮した十分な補強(ブレイシング)を行ない、箱鳴きのない明瞭な音質を実現しています。また前面を包むスピーカーグリルは見た目に美しいだけではなく、キャビネットのフレームからの反射による音質への悪影響を防いでいます。
ホーン
音響システムデザイナーが自由にシステムを設計できるよう、インストレーションシリーズスピーカーでは回転可能なホーンを搭載。縦置きにも横置きにも対応します。また多くのモデルではホーン指向角度の選択が可能。12インチおよび15インチモデルには60°×40°、90°×50°、90°×90°のホーンを用意しています。8インチモデルと5インチモデルには90°×60°のホーンを搭載しています。12インチと15インチモデルのホーンはグラスファイバーで補強したFRP製で、不要なレゾナンスを抑えるために制振材を加えてデッドニングしています。
ネットワーク
太い銅線を巻いたコイル、大型フィルムコンデンサー、丹念に設計された基板など、クロスオーバーネットワークには厳選された高品質パーツを使用。解像度の高い音質を確保しています。さらに内部の配線には16ゲージの銅線を使用しています。
ドライバー
高域用ドライバーには一体化成型のチタン製ダイアフラムを採用。エッジにはタンジェンシャルエッジを使用し、優れた耐久性と音質を両立 しました。12インチ、15インチ、18インチには耐水性に富むウーファーコーンを採用。あらゆる環境における耐久性の向上を図っています。
仕上げ
スピーカーを選ぶ際にもっとも重要なポイントは言うまでもなく良いサウンドであることですが、とりわけ据置きタイプの場合は外観も非常に重要です。インストレーションシリーズは耐久性に優れたテクスチャード仕上げの塗装となっています。そのため簡単に上塗りもでき、内装に合わせた塗装色にカスタマイズすることができます。標準でホワイトカラーモデルも用意しています。
グリルとロゴ
頑丈な14ゲージスチール素材、開口率63%のグリルが、音質を損なうことなくスピーカーを保護します。グリルの裏側には音響的にも配慮されたウレタンフォームが張られ、スマートな外観を演出しています。ロゴプレートは取り外し可能により、スピーカーの向きに合わせることができます。
コネクターとモードセレクター
インストレーションシリーズスピーカーは、パラレル接続されたバリアストリップ端子とNeutrik® NL4端子を装備。あらゆるシステムやワイヤリングに対応します。なおIF2112/AS、IF2115/AS、IF2108およびIF2208はNeutrik® NL4端子をペア装備し、モニター使用時のワイアリングの利便性を高めています。12インチおよび15インチの2ウェイモデルは、バイアンプモードとパッシブモードの切り換えスイッチを装備。8インチおよび5インチのモデルはシングルアンプモードのみの設計。デュアルウーファー仕様のサブウーファーモデルはパラレルモードとディスクリートモードを切り換えることができ、システムの互換性と適応性を高めています。なおすべてのモードスイッチは、誤操作防止のために背面から奥まった位置に配置されています。
ハンドルとポールソケット
運搬やさまざまな設置条件への対応を考慮し、IF2205を除く全てのモデルにハンドルを装備。また、IF2112/AS、IF2115/AS、IF2108およびIF2208では、スピーカースタンド用のポールソケットも備えています。IS1112サブウーファーにはIF2108、IF2208をポールマウントにより取り付けることができます。
天吊り使用に対応
アイボルトや別売のUブラケット取付用の埋め込みナットを多数装備。また各スピーカーには4個のアイボルトを付属。天吊り、壁掛けなど、様々な吊り下げ形態に対応します。ハードウェアは標準規格仕様ですので、他社のマウント器具を使用できます。ホワイトモデルには専用の白色Uブラケットを用意しています。
形状
スピーカーユニットの音質向上に向けての最大限の努力を払う一方で、ヤマハはキャビネットの形状にも十分な検討を加えてきました。IF2112/AS、IF2115/AS、IF2108、IF2208は「マルチアングル」デザインですので、会場向けメインスピーカーとミュージシャン用ステージモニターいずれの用途にも適しています。またIF2205はコンパクトなステアステップ仕様モデルです。その他のフルレンジモデルは、アレイ構成時の相互干渉を最小限に抑えるために、30°の台形形状を採用しています。
ヤマハサウンドシステムシミュレーター— Y-S3
Y-S3音響シミュレーションソフトウェアは、DSP、アンプ、スピーカー、および室設計を含む入力から出力まで、取り扱う音響のすべてについてのヤマハのプロオーディオテクノロジーの主要要素を組み合わせたものです。