フランドル楽派

 

音楽史について学ぶ

14~16世紀の音楽

フランドル楽派

デュファイやバンショアによって代表されるブルグンドの宮廷を中心とした音楽活動をブルグンド楽派とよんでいます。そして、それに続く15世紀後半から16世紀末までのフランドル出身の音楽家による活動を、フランドル楽派といっています。おもな作曲家には、ヨアンネス・オケゲム(J. Ockeghem, 1430頃-95)、ヤコブ・オブレハト(J. Obrecht, 1450頃-1505)、ジョスカン・デ・プレ(Josquin des pres, 1450頃-1521)などがおり、この楽派の最後の巨匠とされるオルランド・ディ・ラッソ(Orlando di Lasso, 1532頃-94)が彼らに続いて現れました。

こうした作曲家を通して推進された音楽の推移のなかに、音楽が宗教的もしくは教会的な性格から、音楽自体の芸術性へとその機能を移行していったことが認められます。たとえば、ジョスカンの作品では歌詞が重視され、それに見合う旋律作成という点に苦心が払われています。そのため、ことばを音楽的に的確に表現するために、特定の言葉に特定の音型を用いるといったこと、つまり、表現芸術としての音楽の特性が中心的な技法上の目標になっています。そして、このことが、教会音楽、世俗音楽を問わず、それぞれの曲種に応じた音楽語法を生み出すことにつながり、音楽の自律性へ一歩を踏み出したことを意味しています。

それと同時に、音楽が、対位法技法による線的な旋律形成を主体としながらも、声部数の増加、二重合唱といった形式に当然現れてくる和声的な響きにも目を向けるようになってきます。さらに、近世的な意味での、主題とその操作という面も打ち出されるようになってきます。しかし、技法的には、模倣法が大きく活用され、それに伴って、拡大法と縮小法、逆行法など、複雑な対位法技法が中心となって楽曲が書かれ、総体的には、この時期はポリフォニー音楽の頂点を築いた時代ということができます。