音楽史について学ぶ
バロック音楽
バロック時代の器楽
ストラディヴァリ
ストラディヴァリのヴ
ァイオリン
この時期には、オルガンやチェンバロ、クラヴィコードなどの鍵盤楽器のための音楽や、弦楽器、ことにヴァイオリンのための音楽が盛んに作られていました。鍵盤楽器では、オルガンとその他のものとの区別が次第に明確になっていきます。オルガン音楽では、フーガをはじめとして、ファンタジア、トッカータ、プレリュード、パッサカリア、シャコンヌなどの固有の形式が確立するとともに、演奏もかなりはっきりした形でまとまって、ヴィルトゥオーソ(名人芸)的な面が強くあらわれるようになってきます。それに対して、チェンバロやクラヴィコードの場合には、組曲が中心的な曲種となり、この2種の楽器のそれぞれの特徴がしだいに明確にされるようになりました。
弦楽器では、ヴィオール属にヴァイオリンが加わります。イタリアに有名なヴァイオリン製作者、たとえば、ガスパロ・ダ・サロ(Gasparo da Salo, 1542頃-1609)、マジーニ(G. Magini, 1580-1640)、アマーティ(N. Amati, 1595頃-1684)、ストラディヴァリ(A. Stradivari, 1644-1737)などが輩出し、すぐれた楽器が作られました。彼らの製作した楽器は、今もなお修正の必要がないほど完璧なものと考えられています。それとともに、演奏法も次第に確立されるようになり、この分野でも特にイタリアを中心にヴィルトゥオーソが輩出し、多くの名曲が作られていきます。
ヴァイオリンの出現と進歩によって、管弦楽という形での合奏音楽が発達しますが、楽曲としては合奏協奏曲のようなポリフォニックな様式の音楽が中心でした。管楽器では、オーボエとファゴットがよく使用され、ヴァイオリンとともに合奏音楽の中心となっていきます。また、中世時代に盛んに用いられていたリコーダーは、横笛のフルートにその位置を取って代わられ、金管楽器はまだ現在のようには確立されていませんでした。
この時期の器楽の発達段階は次のようにまとめられます。すなわち、新しい器楽形式の発生とそれに伴う様式の発達、各楽器に固有な演奏法の確立と演奏技巧の発達、ポリフォニーに対するホモフォニーの優先、合奏形式の進歩……などです。そして、器楽のこうした発達過程のなかで、数字付低音または通奏低音とよばれる奏法が生まれてきます。これは低声部に数字を書き込み、それによって和声の進行を示したもので、16世紀後半に使われ始めました。このような形で書かれた低声部はバッソ・コンティヌオと呼ばれており、2つの楽器またはそれ以上の楽器で担当されました。
弦楽器では、ヴィオール属にヴァイオリンが加わります。イタリアに有名なヴァイオリン製作者、たとえば、ガスパロ・ダ・サロ(Gasparo da Salo, 1542頃-1609)、マジーニ(G. Magini, 1580-1640)、アマーティ(N. Amati, 1595頃-1684)、ストラディヴァリ(A. Stradivari, 1644-1737)などが輩出し、すぐれた楽器が作られました。彼らの製作した楽器は、今もなお修正の必要がないほど完璧なものと考えられています。それとともに、演奏法も次第に確立されるようになり、この分野でも特にイタリアを中心にヴィルトゥオーソが輩出し、多くの名曲が作られていきます。
ヴァイオリンの出現と進歩によって、管弦楽という形での合奏音楽が発達しますが、楽曲としては合奏協奏曲のようなポリフォニックな様式の音楽が中心でした。管楽器では、オーボエとファゴットがよく使用され、ヴァイオリンとともに合奏音楽の中心となっていきます。また、中世時代に盛んに用いられていたリコーダーは、横笛のフルートにその位置を取って代わられ、金管楽器はまだ現在のようには確立されていませんでした。
この時期の器楽の発達段階は次のようにまとめられます。すなわち、新しい器楽形式の発生とそれに伴う様式の発達、各楽器に固有な演奏法の確立と演奏技巧の発達、ポリフォニーに対するホモフォニーの優先、合奏形式の進歩……などです。そして、器楽のこうした発達過程のなかで、数字付低音または通奏低音とよばれる奏法が生まれてきます。これは低声部に数字を書き込み、それによって和声の進行を示したもので、16世紀後半に使われ始めました。このような形で書かれた低声部はバッソ・コンティヌオと呼ばれており、2つの楽器またはそれ以上の楽器で担当されました。