2024年6月「Yamaha Music Japan Pro Audio Day 2024」リポート&ミニインタビュー
Japan/Tokyo Jun.2024
2024年6月18日(火)、19日(水)の2日間、東京・渋谷ストリーム ホールにてヤマハデジタルミキサーのフラッグシップモデル「RIVAGE PMシリーズ」全ラインアップをワークショップ形式で体験できる展示会イベント『Yamaha Music Japan Pro Audio Day 2024』が開催されました。
その様子のリポートと本イベントの開催趣旨などについてのミニインタビューをお送りします。
リポート・PHOTO:池谷恵司(Dialog)・ハイナーデザインフィックス
RIVAGE PMシリーズのワークショップとトークセッション
渋谷ストリーム ホールの5Fホワイエと6Fホールの2フロアで開催された『Yamaha Music Japan Pro Audio Day 2024』は従来の展示会形式、あるいはプレゼンテーションのみのスタイルではなく、イベント参加者が直接製品を体験できるインタラクティブなワークショップを含む展示が行われました。
メイン会場となる6Fホールではヤマハデジタルミキサーのフラッグシップモデル「RIVAGE PMシリーズ」の全ラインナップが圧巻のスケールで展示され、イベント参加者がヤマハテクニカルスタッフのレクチャーの元、ミキシング体験できるワークショップが行われました。また、新製品のデジタルミキシングコンソール「DM7シリーズ」の展示と、デジタルミキサーの商品企画担当者と開発担当者によるトークセッションが実施され、大いに賑わいを見せました。
5Fホワイエでの展示とセミナー
5Fホワイエでは、デジタルミキシングコンソール「DM3シリーズ」、ラウドスピーカー「DHRシリーズ」「CHRシリーズ」、ポータブルPAシステム「STAGEPASシリーズ」、スタジオモニタースピーカー「HSシリーズ」などが展示されました。
【イベント企画担当者インタビュー】
今回のイベントは、我々のデジタルミキサー、特に「RIVAGE PMシリーズ」のお披露目の場としたいと考えました。もちろん新商品の「DM7シリーズ」「DM3シリーズ」も展示していますが、本イベントでのメインは「RIVAGE PMシリーズ」です。特にコロナ禍で発表会ができなかった「RIVAGE PM5」と「RIVAGE PM3」は、まだまだ実機に触ったことがない方も多いと考え「RIVAGE PM5」と「RIVAGE PM3」は2台ずつ用意しました。また発表会のスタイルも新しいアプローチをしています。
これまでは壇上からのプレゼン形式か製品を並べて自由に触れる展示会の形式でした。しかし今回は展示した全モデルにテクニカルスタッフがつき、お客様のニーズに応じて使い方を説明しながら実機に触っていただくワークショップスタイルとしました。一方的に情報をお伝えするのではなく、お客様が触りたいものを触るだけでなく、会話を通して理解を深めていくというスタイルを目指しました。それぞれのお客様のニーズにカスタマイズした接客を行うことで、今までよりも深い体験が提供できると考えています。
今回のイベント企画に際して最も重視したのは「体験」です。「RIVAGE PMシリーズ」のお客様はプロの方が多いので情報を一方的に出すのではなく、また参加者が自由に触れるだけでなく、私たちとお客様との対話を通じて実機を体験していただく機会にしたいと考えました。実際お客様によってニーズや使い方は大幅に異なります。劇場の方やPAオペレーターそれぞれの用途に合わせてご説明をし、機能を体験いただきます。具体的な使用方法や技術的な質問にも対応できるようにしました。これにより、参加者は自分のペースで製品を理解し、深い体験を提供できるようにしています。こうした対話形式のワークショップはお客様との情報交換の機会にもなります。
お客様が困っていることを解決するための具体的な方法を提示しつつ、そうした情報を次の製品開発に生かします。ただしこの形式は各スタッフが専門知識を持ち、迅速かつ的確に対応できるスキルが要求されます。我々側もこうしたイベントを通じてスキルを高めていきたいと考えています。
本日はあいにくの雨天にもかかわらず多くの方に来場いただきました。ヤマハのデジタルミキサーに対して期待、関心を持ってくださるお客様がこれだけ多いというのは、本当に嬉しいことです。今回のイベントは企画側が一方的にプレゼンするのではなくお客様とマンツーマンで会話できることに非常に価値があると感じました。コロナ禍ではオンラインのものが多かったですが、リアルなイベントならではの温度感を含めたフィードバックを直接聞くことができ、お客様が何を求めているのか、どのような問題に直面しているのが良くわかります。これからもお客様の期待に応える製品を提供し続けたいと思います。
我々開発スタッフは、いつもは社内に篭っていますので、こうしたリアルなイベントで直接お客様と対話できる機会は非常に貴重です。特に今回のようなイベントは、日常的に音響業務に携わり、とりわけ弊社製品をお使いのお客様が多いので、得るものが大きいです。お客様と直接お話しする中で、改善のアイデアが次々と湧いてきます。
ところで、トークセッションで毎回宣伝している「Genius.lab」は、私が2021年のコロナ禍の中で考案し、開発チームの奮闘の末にRIVAGE PMシリーズファームウェアV6.0で搭載された新機能です。これは、お客様が自分専用のショートカットやオペレーションを自作できる「プログラミング環境」ですが、同時に、我々にとってはお客様とのコミュニケーションツールでもあります。お客様が「Genius.lab」をどのように使っているのかを知ることで、お客様が求めているものを理解し、よりよい製品開発を目指します。