01V96i 生産完了品

USBケーブル1本の接続でマルチトラックレコーディングに対応

01V96VCMをベースに、新たに搭載されたのは96kHzサンプリングに対応する16in/16out USBオーディオストリーム機能。ライブサウンドにおける同時録音の要求が高まる最新の動向を取り入れ、オーディオインターフェースやMini-YGDAI拡張カードを用いることなく、既設のUSBポートからPCに直接コネクトするだけでマルチトラックレコーディングを実現。もちろんマルチ環境そのままのプレイバックも万全です。PC側で必要となるDAWソフトウエア、Steinberg社の「Cubase AI」もバンドルされ、いとも簡単に録音環境が手に入ります。さらにUSBポートは双方向でMIDIメッセージの送受信が可能。周辺機器との連携もきわめてスムースです。

さらに進化したサウンドパフォーマンス

これまでヤマハが貫いてきたサウンドフィロソフィー、それは「何も引かない、何も足さない」トランスペアレントな音へと向けた情熱です。01V96iでもそのスピリットが揺らぐことはありません。あたかもそこに1本のワイヤーだけが存在するかの如きヘッドアンプ、静寂を際立たせる広大なダイナミックレンジ、だからこそ活きるのが、ヤマハ独自技術によるエフェクト群。高い透明度と豊かな色彩、それはまさに静と動の融合といえるヤマハにしかできないサウンドアプローチです。

24bit/96kHzがもたらすハイレゾリューション

すべてのアナログ入出力には高精度24bit AD/DAコンバーターを搭載。ダイナミックレンジは110dBと驚異的な数値を実現し、さらに96kHzハイサンプリングが生み出す40kHzを超える再生帯域は、マイクロフォンの周囲の環境までも克明に再現する圧倒的な情報量を提供します。高解像度、広い音場そして空気感の保持、それは体感したその人だけが手に入れることの出来るアドバンテージです。

独自のフィロソフィーに基づいた「VCM EFFECTS」&「REV-X」

・さらに追加されたVCMエフェクト

01V96iではこれまでの01V96VCMに搭載されていたVCMエフェクトに加え、オプションとして準備されていた「Master strip」「Vintage stomp」をプリインストール。現在では入手さえ困難なヴィンテージアウトボードを素子単位にまで掘り下げて各特性のモデリングを行った結果、オリジナル機器が持つ豊潤なアナログサウンドの再現に成功しています。こうしたVCMエフェクトをミックスに活用することで、デジタルドメイン上での正確な音声信号処理をベースに、アナログの味わいを加えた色彩感豊かなサウンド構築が実現。わずかなコマンド操作だけで音世界は一変します。特にライブサウンドではデリケートなアナログアウトボードを持ち歩くことなく、常に最高のコンディションでアナログの品位をすべてのエンジニアに開放します。 いずれも1970年代の名器と呼ばれたコンプレッサーとEQがベースになっています。FETや真空管、トランスといったデバイスが持つ、アナログ独自の飽和感を克明に再現し、併せてベストといえるチューニングが施されたパラメーターを装備。実際の機器の操作では得にくかった理想のサウンドを簡単に得ることが可能です。

Channel Strip

[Compressor 276 Compressor 276S]

スタジオユースとして定番モデルをモデリング。ことにヴォーカルには欠かせないアイテムです。深いコンプレッションでもナチュラル感を失わず、暖かみのあるサウンドはヴィンテージクオリティそのもの。また、ベースやドラムスといったリズム楽器に用いれば、太く勢いのあるRock感を持たせたサウンド演出に最適。

※Compressor 276はデュアルモノ/ Compressor 276Sはステレオ動作します。

[Compressor 260 Compressor 260S]

ライブサウンドで多用され、定評のあるコンプレッサー/リミッターをモデリングしました。ヴォーカルでは、いわゆるコンプレッションサウンドと呼ばれる効果を演出し、眼前に音が迫るようなサウンドを実現。また、ベースなどでの活用も最適で、ミックスに音が埋没することなくプレイを引き立てます。さらにプリセットではトップランクのライブエンジニアが調整をしたパラメーターを用意、新たな発見がユーザーのサウンドライブラリーを豊かにします。

※Compressor 260はデュアルモノ / Compressor 260Sはステレオで動作。

[Equalizer 601]

Equalizer 601はステレオ/6バンドのパラメトリックEQ。LowおよびHighのシェルビングフィルターと4バンドのMidピーキングフィルターで構成されます。CleanとDriveの2種あるEQタイプのうち、Driveでは70年代のアナログEQが持つディストーション特性をモデリング。温度を感じるウォームなサウンドは、ゆったりとしながらも確実に演出効果を高めてMIXに溶け込みます。また、インサートしておくだけでもソフトウエアの質感を保持、積極的に音づくりをアシストします。

Master Strip

MASTER STRIPプラグイン「OPEN DECK」は、VCM テクノロジー用いて名機と謳われたオープンリールタイプのテープレコーダーのアナログ回路とアナログテープの特性を忠実にモデリングしたソフトウエア。これを用いることで究極のアナログサウンドをマスタリング感覚で手に入れることができます。4種類のマシンタイプのほか、テープの新旧、テープスピード、バイアス、EQといった選択項目を持ち、また録音と再生で異なるデッキを選ぶこともできるので、サウンド、ディストーション、サチュレーションの特性を自在に変更、ワンタッチでMIXの質感をエンジニアが求める独自のサウンド構築が可能です。

Vintage Stomp

VINTAGE STOMPでは往年の名機と呼ばれたPhaserをモデリングしました。他のVCMエフェクトと同様、状態の異なる実機を何台も用意し、抵抗やコンデンサー、フォトカプラーといった内部デバイスを入念に解析。PC 上で基板を再現していくという気の遠くなるような試行錯誤を繰り返して完成しています。ぜひギターやキーボードでアプローチして下さい、あたかも70年代にタイムスリップしたかのように「あのサウンド」世界が目の前で甦ります。

Reverb

01V96iにプラグインとして実装される「REV-X」。その高密度なリバーブとスムースな減衰特性は、「新しい響き」として瞬く間に世界中のエンジニアを虜にしました。HALL、ROOM、PLATEの3種のプログラムが用意され、それぞれにルームサイズ、ディケイ、エンベロープなど豊富なパラメーターが追加されたことにより、より緻密で自由度の高い作り込みが可能です。HALLでは大空間のリッチな響きを多彩に表現し、ROOMは部屋のサイズはもとより壁面や天井の材質感までも克明にシミュレート、リアルな残響を再現します。PLATEでは特にヴォーカルにおける生々しい質感を引き出し、肌の温もりと潤いを与えます。またすべてのプログラムが持つナチュラルな響きは、スタジオクオリティーのルームシミュレーターにもまったく引けを取らず、ソースと干渉し合うことなく、理想的なMIXに貢献します。

限りなくプロフェッショナル

・最大80入力をミックス可能なカスケードリンク

01V96iを2台カスケード接続するカスケードリンク機能により、総計80もの入力数を実現。大型コンソールを凌ぐほどの大規模なシステムの構築が可能です。

・強力なチャンネルファンクションと、直感的な操作が可能なセレクテッドチャンネル

01V96iにはヤマハデジタルミキサー直系の強力なチャンネルファンクションを実装。デジタルならではの圧倒的な機能を搭載しながら、アナログコンソールに匹敵する使いやすさを実現しました。各機能へのアクセスは非常にシンプルです。コントロールしたいチャンネルのSELキーを押し、Selected Channelセクションに機能的に配置されたエンコーダーを回すだけ。パラメーターはLCD にグラフィ カルに表示され、直感的にコントロールできます。また01V96i は、全てのインプットとバスにカットオフ周波数可変のHPF を備え高精度な4 バンドPEQ を装備しました。各バンドのQ 、Frequency 、Gain はエンコーダーで直感的にコントロール可能です。また画面内でもコントロールでき、カーソルをEQ に移動して[ENTER] キーを押すと画面にEQ のカーブがグラフィックに表示され、画面内ではアッテネーターの調節も可能です。

セレクテッドチャンネルと320×240ドットの大型LCD画面大型液晶で優れた操作性を実現

コンパクトなサイズながら320×240ドットの大型LCD画面を装備し、視認性に優れたGUI環境で多彩なパラメーターをコントロール可能。EQやダイナミクスエフェクトなどのエディットが視覚的に行えます。GAINリダクションメーターをLCDに一括表示させる新機能も搭載しました。また4バンドPEQやPANなどの重要なパラメーターをアナログライクにコントロールできるセレクテッドチャンネルも搭載しています。

実戦的プリセットを網羅したデータライブラリー

01V96iには数多くのデータライブラリーがプリセットされており、それらを利用することでセットアップが効率的に行えます。ライブラリーはエフェクト、EQ、ダイナミクスなどで用意されており、用途に応じて選択可能。プリセットは、きわめて実戦的で高い完成度を誇っておりそのままお使いいただいても、用途に応じて選択可能。またボーカリストにあわせてコンプのスレッショルドレベルを調整したり、またキックドラムのEQをプリセットをベースに調節するなど、さらに細密なエディットを施すことも可能です。エディットしたデータユーザーライブラリーに保存しておけば、オリジナルデータとしていつでも使用可能です。

専用フィジカルキーで使いやすさを追求したシーンメモリー

ステージでバンドが交代した時や、劇やショーで場面がチェンジする際にシーンをリコールすることにより瞬時に設定を変更できるシーンメモリー機能。限られた時間でのセットアップが要求されるSRではもはや必須の機能となっています。01V96iは99のシーンメモリーが可能。また頻繁に使用する基本的な設定をタイプ別にテンプレートとしてストアしておくこともでき、現場で必要に応じて微調整するだけでセットアップが完了。飛躍的に作業効率が向上します。また、ストア/リコール/△(INC)/▽(DEC)の専用フィジカルキーを用意し、スピーディーなシーン管理、ミキシング作業の効率化が行えます。フェードタイムやリコールセーフをチャンネルごとに設定可能。リコールセーフは機能ごとに切り分けた設定も実現しました。

・モータードライブ搭載の100mmフェーダーでスピーディーかつ緻密なMIXを実現

MIXの要となるフェーダーコントロール。ことにやり直しの効かないライブサウンドで行われるリアルタイムな操作にロングストロークの100mmフェーダーが威力を発揮します。細やかなレベル設定となめらかなタッチは、アーティストのわずかな動きにもスムースに追従。さらにモータードライブ機能が各シーンを瞬時に呼び寄せ、MIXステップにおける無駄を一切排除。考え抜かれたユーザーインターフェースは一瞬のチャンスも逃しません。むろんインプット、マスター、外部機器のリモートなど視認性の高いフェーダーレイヤー構造はこれまでと同様、任意で盤面へと表出可能です。

ワンアクションでスピーディーにレイヤー切り替え

40 INPUT/18 BUSを擁する01V96iのフェーダーレイヤーはチャンネル「1-16」、「17-32」。さらに「MASTER」、「REMOTE」の4層で構成され、多チャンネルとコンパクト化を両立しています。しかし深層への到達に時間をロスしては、特にライブサウンドなどで一瞬のチャンスを逃しかねません。そこで活躍するのがフェーダーのすぐ上側におかれたレイヤースイッチ。ページを追うことなくダイレクトにアクセスできる構造は、ワンアクションのみで目的のレイヤーを展開。ミックスは限りなくリアルタイムです。またフェーダーモードも同様、AUX 1~8が即座に盤面へと呼び込まれ、ことに演奏者へのモニター送出を兼ねたサウンドシステムではスピーディーな対応が可能、現場を滞らせることは一切ありません。

ミキシングキャパシティーは40INPUTそして18BUS

96kHz動作においても40ch(32mono+4stereo)の入力、18BUS構成を実現。ラックマウントサイズでありながら、コンパクトなボディにラージコンソール並みの機能を凝縮しました。8系統のBUSには「BUS TO STEREO」機能を搭載し、ライブサウンドでのサブミックスユースとして、またFIX機能ではAUXを自動的にノミナルレベル(±0dB)にセットでき、8系統のAUXをBUSとしても使用できます。また、Mini-YGDAI拡張スロットの活用で可能性はさらに拡大。例えば先進のデジタルオーディオネットワーク「Dante」対応の「Dante-MY16-AUD」カードを使えば低レイテンシー、低ジッター、高サンプル精度を保ち高い品位での運用が可能となります。ライブサウンドやライブレコーディング、設備音響などシーンを選びません。

独自のアドバンテージ

柔軟なデジタルパッチで音質劣化は皆無

柔軟なデジタルパッチで音質劣化は皆無

デジタルコンソールならではの機能といえる本体内部でのシグナルパッチング。そのメリットは、アナログの時のような煩雑な作業を必要とせず、また音質の劣化は一切ありません。01V96iではINPUTはもちろんのこと、OUTPUTやINSERT I/O、DIRECT OUT、EFFECT SEND/RETURNなどすべての入出力、そして新たにUSBオーディオストリームが選択候補に加わって、柔軟性に富む高い自由度を提供します。

ライブサウンドにおいて急なチャンネル変更や、また設備音響などでも最適な環境構築の追い込みの際など、セットアップされた状態のまま使いやすさを徹底的に追求できます。さらにパッチライブラリーへ変更の前後をストアしておくことで、元の状態へも簡単にリコールでき再現性、安全性においても万全です。

DAWのコントロールサーフェスとして機能

現在の音楽制作シーンにおいてはDAW(digital audio workstation)の存在は欠かすことができません。しかしマウスとキーボードのみといったPC上だけでの操作においては、ダイナミックなコントロールや細やかな設定が難しい局面に出会うことも。それを解決するのが01V96i標準装備のコントロール機能。ミキサー部がフィジカルコントローラーとして働き、Steinberg社「Nuendo」、「Cubase」をはじめASIO/Core Audioに対応した様々なDAWコントロールをサポートします。またMIDIメッセージを使ったテーブルを作成すれば、MIDIに対応するさまざまなDAWもリモート可能です。

標準装備のADAT I/Oに加えオプションスロットを搭載

DAWやデジタル周辺機器間で最大8chの入出力を可能にするADATフォーマットのI/Oを標準装備。また一基実装のオプションスロットにはアナログ、デジタルを問わず多彩なバリエーションがラインアップするMini-YGDAIカードが適合します。用途に見合ったカードを装着することで、01V96iの拡張性は一気に倍加。DanteをはじめAES/EBU、EtherSound、CobraNet、MADI、Optocoreなど様々なデジタルフォーマットのみならず、品位を極めたアナログI/Oの数々をセレクトすれば最適なシステム構築が実現できます。

8つのユーザーディファインドキーがもたらす自由度

操作時に最も手が届きやすい盤面右下におかれた8つのユーザーディファインドキー。任意のコマンドを自在にアサインでき、ワンタッチで必要な機能へダイレクトにディスプレイや盤面へと反映させます。例えばリアルタイムで変化を追いかけるライブサウンドでは、ヴォーカルなど主要チャンネルのEQ画面のオープンや、またそのクローズ。ディレイエフェクトのタップ、フォールドバック用BUS画面への展開などを実現。さらにMIDIノートを割り当てれば、サンプラーなどの外部機器もクイックリモート。素早いアクセスを要求されるシーンでの対応もシームレスに行えます。その便利さはまさに使い方次第、ユニークな発想も大胆に受け付けます。

スタジオマネージャーの活用

「Studio Manager Version2」を使えば、PCとの連携で作業環境を拡張可能。ミキサー設定、エディット、またメモリーマネジメントや周辺機器の管理など幅広いシーンで活用できます。オフラインでミキサー機能のプログラムを事前に作成しておけば、現場でのセットアップを大幅に短縮。データの流し込みはUSB端子と接続すれば即座に本体へと反映させることが出来ます。オンラインでは本体およびPC双方間での同期を実現でき、視認性、操作性は大きく向上。むろんデータ転送は相互方向に対応しており、効率的運用が可能となります。アプリケーションはWindowsおよびMacintoshプラットフォームを選ばずにすぐに使い出すことができます。