PM5D 生産完了品

PM5D, PM5D-RHの2モデルをラインナップ

PM5Dシリーズでは、入力部の機能とヘッドアンプ回路技術が異なる「PM5D」、「PM5D-RH(Recallable Headamp)」の2タイプをラインナップ。PM5D-RHでは、ヘッドアンプゲインをメモリーすることが可能で、必要に応じてシーン情報とともにリコールすることもできるため、特に、複数のバンドによるコンサートや、日ごと、時間ごとに多数の転換を行う多目的ホールなどに、有効なソリューションを提供できます。

即戦力のミキサー基礎構成と、利便性の高いI/Oパッチにより、幅広いアプリケーションに対応

48MONO+4ST入力、24MIX+2STEREO、8MATRIX(別途拡張可能)出力というミキサーの基本構成を100kgを下回るコンパクトなボディに集約。MIXバスは「VARIABLE」と「FIX」が選択でき、「VARIABLE」ではAUXバスとして、「FIX」ではPRE PAN、またはPOST PANのGROUPバスとして機能します。物理的なI/Oは、このミキサー基本構成よりも多く、I/Oパッチによって、より便利な使用が可能です。

ヤマハデジタルミキサーはI/Oパッチを行うことにより、より便利にご使用いただけます。加えて、PM5Dシリーズでは、ソース固定の出力端子を設けているため、パッチを行わずとも、基本構成のミキサーとしての使用が可能。レンタルでご使用される方も、従来のアナログコンソールと同様の感覚でセットアップが行えます。

さらに、このパッチ機能の応用として、従来のアナログコンソールでは難しかった、或いはモジュール基板上のDIPスイッチで行っていた、インサートポイント、ダイレクトアウトポイント、メーターポイント、ダイナミックスプロセッサーのKEY INポイントの設定についても、多彩な選択肢を用意しました。

バーチャルサウンドチェック

トップエンジニアの経験を元にV2で搭載された新機能。ミュージシャンがいない状態で会場の設定や調整の作業を効率的に行うことができ、大規模なコンサートやイベントで特に効果を発揮します。リハーサル時に録音をしたマルチトラックソースをコンソールの入力側にパッチングして再生しながら会場の音を調整します。"バーチャルサウンドチェック" 時の設定は直接保存でき、複雑なパッチング手順を要したり、誤って他の設定を変更してしまう心配はありません。

サウンドメイクに様々なメリットをもたらす、96kHzプロセッシングに標準対応域

超高速プロセッシングを実現するカスタムLSI 「DSP7」の採用により、96kHz/32bitのプロセッシング(AD/DAは24bit、アキュムレーターは58bit)に標準対応。ダブルレートでのプロセッシングは、AD/DA時の遅延の半減、緻密な空気感や可聴帯域に伸びやかな印象を与える20kHz以上の超高域の再生、早い追随性など、サウンドメイクに関する様々なメリットをもたらします。PM5Dでも、DM2000や02R96などのヤマハデジタルミキサーと同様、96kHz駆動時にも全ての機能が使用可能です。

最高品位のヘッドアンプを擁する卓越したアナログ領域

アナログミキサーの音作りの過程は、S/N、クロストーク、そして音そのもの、という3つの要素に対する試行錯誤の連続。デジタルミキサーでは、内部処理の全てを、S/N、クロストークという負の要素から解放されたデジタル領域で行うため、音作りとは音そのものと純粋に向き合うことと同義です。このことが逆説的にアナログ領域、特にヘッドアンプの真価を問うことになるということを、SRミキサーと、そしてデジタルミキサーと長年向き合ってきたヤマハは知っています。ヤマハのヘッドアンプが目指すのは、何かを変化させることではなく、「弱い電気信号である音が持つ豊かな特性・表現力をそのままに、ミキサーが処理できるレベルまで増幅する」という最も単純で最も難しい役割を果たすこと。PM5D-RH、PM5Dでは、その音に対するフィロソフィーをヤマハの最高音質、「ヤマハPMクオリティ」のサウンドとして実現しています。

圧倒的なプロセッシングパワーが実現する充実のチャンネルファンクション

インプットチャンネルには、26dB PADと44dB連続可変のゲイントリム(PM5D)、または72dBのゲイントリム(PM5D-RH)、ファンタム、フェーズ、HPF、4バンドフルパラメトリックEQといった同クラスのコンソールが装備する標準的な機能を確実に搭載。さらに、2種類の特性をもつEQタイプの選択、チャンネル個別の GATE系ダイナミックスプロセッサー、COMP系ダイナミックスプロセッサー、アッテネーター(ブースト方向も可)、ディレイ、MSデコードなど、従来のアナログコンソールでは実現し得なかった圧倒的なチャンネルファンクションを搭載しています。 MIXバス、STEREOバス、MATRIXバスにはインプットチャンネルの構成から、ゲイン、GATE系ダイナミックス、各種アサインなどの出力系に不要なファンクションを削除し、MIXバス、STEREOバスには、代わりに8バンドのフルパラメトリックEQを搭載しました。また、チャンネルペア(ホリゾンタル/バーティカル)のほかに、EQ、COMPについては、任意のチャンネル同士でパラメーターリンクを組むことも可能です。

センド/リターン、インサーションとして使用できる8エフェクト、12グラフィックEQを内蔵

強力なチャンネルストリップのプロセッサー群のほかに、8基のマルチエフェクトプロセッサーと、12基のグラフィックEQを搭載。I/Oパッチによって様々なポイントにインサートするか、センド/リターンにルーティングして利用できます。特に8基のマルチエフェクトプロセッサーには、SPX2000で新たに開発した、非常に密度の高い最新リバーブプログラム「REV-X」を標準搭載。ADD-ON EFFECTSの各パッケージにも対応します。各パラメーターは、本体のディスプレイやエディターソフトを見ながらグラフィカルにエディットすることが可能です。また、グラフィックEQは、PM1DのようにDCAフェーダーに展開して操作することもできます。

SRコンソールに特化した操作性を実現

スピーディな仕込みと本番のオペレートのために必要な機能を展開するSELECTED CHANNELセクション、PREVIEW/UNDOを備えたSCENEセクションなど、他のヤマハデジタルミキサーではすでに馴染み深い機能も、SRユースに特化した機能デザインにより、知りたい情報、操作したいパラメーターへのアクセシビリティを飛躍的に高めています。 8つのDIRECT RECALLキーとは別に配したNEXT SCENEリコール用などに便利なUSER DEFINED KEY25や、任意のフェーダーをDCAフェーダーにアサインすることで肩幅の視野でのオペレートを可能にするFADER MODE機能、セレクトキーを独立して配置することでFADERセクションの操作性を飛躍的に向上するENCODER MODE、各DEFINEキーやENCODER MODEセレクトキーの下に設けたスクライブスペース、SAFE機能とともに充実したSCENE機能など、部分的にはPM1Dからもさらに進化したユーザーインターフェースを備えています。

PM1Dで獲得したノウハウを注ぎ込んだソフトウェア

ミックスの状態を記憶し、呼び出すことができるシーン機能には、PM1Dのフィードバックをもとに、チャンネルごとに細かい設定が可能なRECALL SAFEや、SELECTIVE RECALL、シーンをリコールしたい順にソートできるEVENT LISTなど、使い勝手をさらに高めました。また、各パラメーターをライブラリーとして保存し、どのライブラリーをシーンに関連付けるかを設定でき、より安全性の高い操作性を実現しています。また、本番前などに有効なコンソールロック機能、会館・ホールなど、様々な人がオペレートする場合に、任意の機能をロックするオペレーショナルロック機能など管理機能も充実しています。

NameNumberTotal
Scene MemoryPreset 1 + User 500501
Input Patch LibraryPreset 1 + User 99100
Output Patch LibraryPreset 1 + User 99 100
Input Channel LibraryPreset 1 + User 199200
Output Channel LibraryPreset 1 + User 199200
Input EQ LibraryPreset 40 + User 159199
Output EQ LibraryPreset 3 + User 196199
GATE LibraryPreset 4 + User 195199
COMP LibraryPreset 36 + User 163199
Effect LibraryPreset 55 + User 145 200
GEQ LibraryPreset 1 + User 199200
HA LibraryPreset 1 + User 199200

Libraries and storage capacity

チャンネルムーヴ機能

V2では任意のチャンネルを移動して、既に使用中のチャンネルをクリアす ることなく挿入する機能が搭載されました。入力のパッチやヘッドアンプの 情報はもちろんチャンネルの移動に追従します。これによりパネル上のチャ ンネルレイアウトを容易に変更でき、楽器やプレイヤーの変更・追加時の操 作性も格段にアップしました。

ユニバーサル電源を採用したパワーサプライ

パワーサプライPW800Wではユニバーサル電源を採用。85Vでも安定動作し、リンクケーブル1本をもう一台のPW800Wに接続するだけで電源を二重化できます。3U/10kgとコンパクトで、設置性/可搬性に優れています。

DME64N、AD8HRをはじめとした外部機器との連携を強化

PM5D、PM5D-RHには標準で8系統のMATRIXを備えていますが、大規模な設備ではさらに多くの系統が必要になります。その際、CASCADE端子経由、D-sub 68ピンケーブル1本でDME64Nに接続することで、豊富なアウト系プロセッサーとともにMATRIX系統を追加することが可能。この際、DME64Nの主要なパラメーターはPM5D、PM5D-RH本体から操作することができます。 また、ステージボックスとして、スロット経由、PM5D-RHと同じヘッドアンプ+ADコンバーターを搭載したAD8HRを接続し、D-sub 9ピンケーブルを追加することで、PM5D、PM5D-RH本体のチャンネルエンコーダーからAD8HRのヘッドアンプをリモート制御することが可能。 ほかにも4IN/12OUTのGPI、MIDIなどのコントロール系、SRC付きの2TR IN DIGITAL端子などモニター系の機能も充実。これまで以上に広く、深く、外部機器との連携を強化しました。

操作性と作業効率を大幅に向上するアプリケーションソフトウェア「PM5D Editor」

Windows/Macintoshに対応するアプリケーション「PM5D Editor」を同梱。PM5D Editorは、オンラインでは、全チャンネルのレベル表示や、ゲインリダクションメーターの一括表示、EVENT LISTやMIXセンド状況の一覧表示などが可能なビューワー/コントローラーとして、また、オフラインでは仕込み前のパッチやシーンの作り込みを行うエディターとして機能。操作性と作業効率を大幅に向上します。また、レンタルやホール/会館の常設卓など、多数の方がオペレートする場合も、PC或いはコンパクトフラッシュカードで自分のいつも使う設定をプリロードするなど、データバックアップの面でも活躍します。

データセキュリティ

Loadロック機能は、外部メモリーカードやPM5D Editorよりデータをロ ードするときに本体上の重要な変更してほしくない特定のパラメータの設定 を保護します。これにより、例えば会場で設定した当日のデータが以前のデ ータに不用意に置き換えられることを防ぐことができます。さらにアウトプッ トアイソレーション機能によりシーンリコールされても、出力系の、EQ、DELAY、 パッチなどのパラメータは影響を受けません。また呼び出し専用のRead- Onlyシーンを設定することで、オリジナルの初期設定を保存することもでき ます。