M7CL 生産完了品

欲しいものに即座に手が届くCentralogic™ インターフェイス

タッチパネルを使ったヤマハ独自のCentralogic™インターフェースは、デジタルミキサーでありながら、アナログ卓と変わらない直感的な操作を可能にします。フェーダーレベルを除くすべてのミックスパラメーターが“Overview”と“Selected Channel”という2つの画面に表示されます。

OverviewはM7CLの標準画面です。この画面には、Centralogic™のナビゲーションキーで選ばれた8チャンネル分のミキシングパラメーターが表示されます。ナビゲーションキーは、コンソール上の8チャンネル単位のグループと同じ配列で並んでおり、キーをひと押しするだけで画面下のコントローラーに割り当てられます。さらに、画面に並んだHAゲインやパン、MIXセンドなど任意の列をタッチすれば、そのパラメーターをパネル上のマルチファンクションエンコーダーを使って操作することができます。この 機能を利用すれば、M7CLを使ったベーシックなミックスであれば、ほとんどマニュアルなしで操作できるでしょう。

特定のチャンネルのパラメーター(例えばパン)を操作するには、パネル上の[SEL]キーを押してチャンネルを選択し、コンソール上のPANノブを回します。HAゲイン、ダイナミクス、HPF、EQ、MIXセンドなどのパラメーターも同様に操作できます。画面上には、現在選ばれているチャンネルのすべてのミックスパラメーターが表示されるので、変更内容を即座に確認できます。また、画面上のパラメーターをタッチしてポップアップ画面を表示させ、画面下に並んだマルチファンクションエンコーダーで詳細なパラメーターの変更ができます。

エフェクト/グラフィックEQをマウント可能なバーチャルラック

M7CL画面上のRACKボタンをタッチすると、エフェクトとグラフィックEQをマウントできるバーチャルラックが即座にポップアップします。この画面からエフェクトやグラフィックEQを任意のチャンネルにパッチすることが可能です。また、エフェクトのパラメーターエディットもこの画面から行います。M7CLは、最大8系統のシグナルプロセッサーを同時に使用できます。デフォルトではエフェクトとグラフィックEQが4系統ずつマウントされていますが、エフェクト4系統をグラフィックEQに差し替えて使用することも可能です。

内蔵エフェクトは、空間系、エコー系エフェクトをはじめ、変調系、ディストーション系エフェクトなどさまざまなエフェクトタイプが利用できます。さらにヤマハ独自のREV-Xアルゴリズムも内蔵されており、自然な空気感と緻密なリバーブアンビエンスが得られます。グラフィックEQには標準の31バンドGEQと31バンドのうちの任意の15バンドを操作できるFlex15GEQの2種類があります。1基の31バンドGEQを2基のFlex15GEQに変更できるため、Flex15GEQを使えば、最大16チャンネルを同時に使用できます。GEQは、パネル上のフェーダーを動かすことで各バンドをフェーダーから直接操作することもできます。

自由度の高いチャンネルモジュール

クラス最高レベルのクォリティを誇る入力チャンネルのヘッドアンプのゲインを72dBの範囲で調節します。HAゲインの設定は、他のミックスパラメーターと同様、ストア/リコールが可能です。画面内のHAセクションにタッチすれば、+48Vのファンタム電源やフェイズの設定画面を呼び出すことができます。

入力チャンネル(MONO/STEREO)には2系統のダイナミクスが、出力チャンネル(MIX、MATRIX、STEREO/MONO)には1系統のダイナミクスが内蔵されています。操作可能なパラメーターの種類は、選択したダイナミクスの種類(ゲート、コンプレッサー、エクスパンダー、ディエッサー)に応じて異なります。入力チャンネルの初期設定では2系統のダイナミクスとしてゲート+コンプレッサーの組み合わせが選ばれていますが、両方をコンプレッサーとして使用することも可能です。

すべてのインプットとバスの音質を調整する、非常に多機能な4バンドのパラメトリックEQセクションです。EQのアルゴリズムは、Type IとType IIが切り替え可能で、用途に応じてEQの特性を変化させることができます。

インプット系チャンネルのフェーダー操作やEQなどのパラメーターを連動(リンク)させ、一括操作ができます。HAゲインとフェーダーの操作は、チャンネル間でレベル差を保ったまま連動します。

M7CLは、16系統のMIXバスおよび8系統のMATRIXバスを持っています。INPUT TO MATRIX機能により、インプットチャンネルの信号を直接MATRIXバスに送ることも可能です。

高品位エフェクトとエフェクトコントロール

プロのサウンドエンジニアリングの世界で、ヤマハのデジタルエフェクトが敬意を持って語られるのには十分な理由があります。それはいつの時代にも最高レベルの製品を提供してきたからにほかなりません。ミックスに残響を軽く加えたいとき、あるいは天地をひっくり返すような極端なエフェクトをかけたいとき、即戦力のエフェクトを満載したM7CLはすべての欲求に答えます。M7CLでは、最上級のアンビエンスエフェクトを提供するREV-X、VCMテクノロジーを採用したEQやコンプレッサー、テープサチュレーションエフェクトなどが利用できます。

M7CLには、デジタルの単純なシミュレーションでは決して得られない、音楽的な特性と繊細な質感を持ったVCMエフェクトが標準で装備されています。アナログ回路に含まれる個々のパーツの特性を、抵抗の1つ、コンデンサーの1つに至るまで正確にモデリングするVCMテクノロジーにより、アナログ回路独特の質感とサチュレーションを緻密に再現します。VCMエフェクトは、いずれもトップクラスのエンジニアの手で音質がチューニングされており、厳選されたパラメーターをシンプルで洗練されたインターフェースを通じて正確にコントロールできます。

Compressor 276

最も要望の多かったスタジオ用アナログコンプレッサーをモデリングし、高速なレスポンス、周波数特性、チューブアンプによるサチュレーションを再現します。

Compressor 260

70年代後半にライブ用として多用されたコンプレッサーのソリッドステートVCAとRMS検出回路のモデリングです。

Equalizer 601

70年代のアナログEQ回路のキャラクターを提供します。広範囲に渡りグラフィカルなエディットが可能です。

OpenDeck

VCMテクノロジーにより、昔ながらのテープデッキの自然なコンプレッションとサチュレーションをリアルに再現します。

操作効率を向上させるインターフェースとコントロール機能

Centralogic™セクションの8本のフェーダーは、基本的に通常のチャンネルフェーダーと同じものです。ナビゲーションキーをひと押しするだけで、8チャンネルのグループがCentralogic™セクションのコントローラーに割り当てられ、Overview画面もそれに応じて変化します。 Centralogic™セクションのコントローラー最上段にあるマルチファンクションエンコーダーを使えば、Overview画面でタッチしたパラメーターを操作できます。

12のUSER DEFINED KEYSは、ユーザーがさまざまな機能を割り当て実行するためのキーです。あるキーにはディレイタイムを設定するタップテンポ機能、別のキーには特定の画面にジャンプする機能、ミュートグループのオン/オフ切り替え、トークバックのオン/オフなどを割り当てる、といった使い分けが行えます。中でも便利なのが“SET BY SEL”と呼ばれる機能で、これを割り当てたUSER DEFINED KEYを押している間は、各チャンネルの[SEL]キーの機能を変化させることが可能です。例えば[SEL]キーを使ってチャンネルのパラメーターの初期化、ファンタムのオン/オフ、フェーダーをノミナルレベルにするといった用途に利用できます。

Overview画面では、各チャンネルの最上段と最下段にチャンネルの名前とアイコンが表示されます。各チャンネルの名前はプリセットの中からワンタッチで選ぶことも、画面上のキーボードで独自の名前を付けることも可能です。また、ソースの種類がひと目で分かるように、アイコンを選択することもできます。

DCAグループに複数のチャンネルをアサインしておけば、Centralogic™セクションのDCAフェーダーを使ってレベルを一括操作できます。8本のDCAフェーダーには、必要な数だけチャンネルをアサインすることが可能です。 もう1つのミュートグループは、やはりPA操作で威力を発揮する機能です。最大8つのミュートグループに複数のチャンネルをアサインし、USER DEFINED KEYSを使ってミュートのオン/オフを一括して切り替えることができます。

M7CL-48とM7CL-32のリアパネルには、コンソールのインプットチャンネルに対応するバランス型の入力端子が搭載されています。また、16系統のOMNI OUT端子には、すべてのアウトプット(インサートアウトを除く)を自由にパッチすることが可能です。コンソールに音源や再生システムを接続すれば、ミックスの準備完了です。パッチを変更したいときは、M7CLの分かりやすいインターフェースを使って簡単に設定を変更できます。

快適なモニターミックスを実現する多彩な機能

モニターミックスを操作しているときに画面上のSENDS ON FADERボタンをタッチすると、即座にパネル上のフェーダーを使って、特定のMIXバスへのセンドレベルを操作することが可能になります。フェーダーの位置でチャンネルごとのセンドレベルをひと目で確認でき、しかも通常のエンコーダーに比べて精密な設定が行えます。SENDS ON FADERモードは、MATRIXバスに対しても利用できます。 また、SENDS ON FADERモードでMIX SENDノブを押し込むことで、センド先のMIXバスが選択できるようになりました。任意のMIXバスへの切り替えがスピーディに行えます。また、USER DEFINED KEYSにMIXバスを指定したSENDS ON FADERモードを割り当てる必要がなくなるので、USER DEFINED KEYSを他の用途に使用できます。

Monitor/Cueのレベル操作にモノ/ステレオフェーダーを使用することが可能になりました。モニターレベルをフェーダーの位置で視覚的に確認できます。

M7CLのMIXバスは、簡単にモノ/ステレオの切り替えが行えます。プリEQのセンドにも対応しており、MIXバスをインイヤーモニターシステムに送るときに便利です。

メモリー&リコール

“シーン”とは、ミキシングの設定を保存(ストア)したスナップショットのことです。M7CLは、最大300のシーンを保存し、必要なときにいつでもリコールすることができます。例えば異なる曲やアーティストごとにミキシング設定を保存しておき、必要に応じて微調節する、といった使い方も可能です。

グローバルペーストは、1つ1つのシーンをリコールしてエディットする代わりに、複数のシーンに含まれるパラメーターを一括してエディットする機能です。例えば、ある舞台でエキストラの奏者が別の楽器を持ってきたために、すべてのシーンのHAやEQの設定を変更する必要があるとき、グローバルペーストを使えば瞬時に変更できます。

リコールセーフは特定のパラメーターのみリコールから除外する機能、リコールフォーカスはシーンごとにリコールする パラメーターを指定する機能です。 例えば、リコールセーフを使ってどのシーンをリコールしてもEQの設定は変化しないように設定したり、リコールフォーカス機能を使って特定のシーンをリコールしたときにボーカルチャンネルのフェーダーが変化しないように設定することができます。

チャンネルライブラリーは、ダイナミクス、EQなど、チャンネルパラメーターの設定を保存したメモリーバンクです。よく使う自分自身の設定を保存しておけば、セットアップ時間を大幅に短縮できます。

アクセス管理とデータ管理

多くの場合、許可されていないスタッフがコンソールを操作するようなことは避けたいものです。あるいは、操作するスタッフのスキルに応じてアクセスできる機能を制限するのが好ましいこともあるでしょう。M7CLのアクセス管理機能を使えば、それが可能になります。

パスワード付きのUSBメモリーを使ってユーザーアクセスを管理することが可能です。管理者はキーごとにアクセス可能な機能を指定できるので、ユーザーはパスワード付きのUSBキーをコンソールに挿してログオンするだけで、指定されたレベルの機能を利用できます。

標準的なUSBメモリーをM7CLのUSB端子に差し込めば、シーン、パッチ、ユーザーライブラリー、チャンネル名、プリファレンス、そしてシステム全体の設定データなど、さまざまなレベルのデータの保存/リコールが行えます。設定内容のバックアップという用途以外に、コンソールとパソコン上で起動したソフトウェアM7CL Editorとの間で、あるいはM7CL同士で、すばやくデータを交換できるというメリットもあります。

M7CL V3 Editor

M7CLのビューワー/コントローラーとして機能するアプリケーション。オンライン使用に便利なメーター表示や任意のSELECTED CHANNELの状態の常時表示、仕込時などオフライン使用に便利なシーンデータ管理、パッチリストなどの機能を備え、操作性と作業効率を大幅に向上します。また、レンタルやホール/会館の常設卓などで多数の方がオペレートする場合も、USBメモリーを用いて自分のいつも使う設定をプリロードするなど、データバックアップの面でも活躍します。

EtherSound 端子を内蔵

オリジナルのM7CL-48は48チャンネルのアナログ入力が搭載されていたのに対し、M7CL-48ESでは合計3系統のEtherSound端子を搭載しています。うち2系統(IN/OUT)は、ステージボックスSB168-ESを最大3台接続する目的で使用します。3つめのEtherSound端子(3rd Port)は、ステージボックスがリングモードで接続され、IN/OUT端子が使用されているときにもEtherSoundネットワークを監視するコンピューターを常時接続できます。

AUTO CONFIGURE機能による自動設定

デイジーチェーン接続システムの設定はごく簡単です。M7CL-48ESとSB168-ESをCAT5eケーブルで接続、SB168-ESのDIPスイッチを設定して電源を入れるだけです。AVS-Monitorソフトウェアは必要ありません。すべてが自動設定されるため、SB168-ESのID番号だけ設定すれば、ケーブル接続の順番すら気にする必要はありません。リング接続を行う場合の設定変更も簡単に行うことができます。

すべてのM7CLでデータの互換性を確保

M7CL-48ESは、M7CL-48およびM7CL-32で作成したバックアップデータと互換性があります。 M7CL-48やM7CL-32用に作成したデータはデータコンバート機能を利用してそのまま使用できるので、データ作成にかけた時間は無駄になりません。

StageMix

M7CL StageMixはM7CLのパラメーターをワイヤレスコントロールするiPadアプリケーションです。M7CL StageMixを使用すれば、モニターエンジニアはステージ上でパフォーマーのポジションから直接M7CLのミキシングパラメーターを操作できるようになります。 iPadならではのシンプルかつ直感的な操作性によってセットアップの時間が短縮され、M7CLのライブサウンドセッティングがさらに快適なものとなります。

ASIO Streamer

AuviTran Network ASIO StreamerはEtherSoundとASIOという2つのデジタルオーディオ規格間の橋渡しをします。これにより、EtherSoundシステムにASIOベースのマルチトラックライブレコーディング&プレイバック環境を追加できるようになります。M7CL-48ESの3rdPort端子とSteinberg Nuendo Live等がインストールされたPCをCAT5eケーブルで繋ぐだけで、48トラックのライブレコーディングシステムが構築できます(*)。ライブレコーディングのためにM7CL-48ESが装備している3つのMYスロットが犠牲になることはありません。

*M7CL-48ESに接続されている3台のSB168-ESに入力された48チャンネルの信号をそのまま3rdPortから取り出し、レコーディングが行えます。