RIVAGE PM Series

 

Sound

最上の質感を目指して磨き抜いたサウンドは「音楽」そのもの

創造性豊かな音作りの出発点は、無色透明なサウンドです。それがヤマハミキサーの根幹を成す考え方であり、哲学と言ってもいいでしょう。ステージで鳴っている音をありのままに取り込み、そこからさまざまな色付けを行う。これまでヤマハが一貫して追求してきたコンセプトは、RIVAGE PMシリーズでもしっかりと受け継がれています。

その土台となるのが、伝統のナチュラルサウンドを極めたアナログ部と、ヤマハ独自のモデリング技術VCMテクノロジーでさらに進化を遂げたデジタル部から成る、新開発の「ハイブリッドマイクプリアンプ」です。特にデジタル段では、Rupert Neve Designs(RND)社のトランスフォーマー回路と、同社のマイクプリでお馴染みのSILKプロセッシングをモデリングすることで、音楽的で空気感豊かなサウンドを実現。各チャンネルのEQ/ダイナミクスも強化し、音作りのバリエーションを大きく広げました。

クリエイティブなサウンドづくりをサポートする内蔵プラグインも、さらに進化を遂げています。中でも特に力を注いだのが、高い評価を得ているサードパーティーとのコラボレーションです。

RND社との共同開発により、70年代&80年代の名機をVCMテクノロジーで新たにモデリングしたEQおよびコンプレッサーの他、Eventide社とのコラボレーションによるハーモナイザーやリバーブなど、サードパーティとの協業により初めて作りえたプラグインも搭載しています。すべては音楽的なサウンドのために。最上の質感を目指して丹念に積み重ねてきた研究の結果が、RIVAGE PMシリーズの音を形作っているのです。

2種類のオーディオネットワークとI/O

Yamaha RIVAGE PM Series

高水準の音質を実現するには、入力回路と音声処理が特に重要です。また、シグナルチェーンの最終段であるアウトプットは、品質を保つ上でも大切な役割を果たします。RIVAGE PMシリーズでは、入出力構成のためにそれぞれ異なるオーディオネットワークに対応する2種類の高性能I/Oラックを用意しています。

そのオーディオネットワークのひとつは、96kHzクオリティのオーディオ信号を極めて短いレイテンシーで最大400ch伝送できるヤマハ独自規格のTWINLANeです。I/OラックRPio622/RPio222とTWINLANeに対応したオーディオインターフェースカードHY256-TL/HY256-TL-SMFを光ファイバーケーブルを用いて接続することで、TWINLANeネットワークを構築します。I/OラックRPio622/RPio222は、高性能なアナログインプット段に加えて、RND社のトランスフォーマー回路とSILKプロセッシング回路を精確にモデリングする高度なデジタル段を備えた「ハイブリッドマイクプリアンプ」を搭載しています。

そしてデジタルミキサー「CL/QLシリーズ」をはじめとする主要なヤマハ製品や、多くのプロオーディオ機器メーカーが採用しているAudinate社のオーディオネットワーク規格Danteとの互換性も備えています。Danteを用いることで、標準的なネットワーク機器上で自由度の高いシステムを構築できます。I/OラックRio3224-D2/Rio1608-D2、そしてオーディオインターフェースカードHY144-D/HY144-D-SRCはすべてDanteに対応しており、すべてのRIVAGE PMシリーズのシステムと組み合わせて「RIVAGE PMシリーズ直系」のナチュラルサウンドを、取り込むことができます。いずれのネットワークソリューションも、余計な色づけを排し、細かなニュアンスを損なうことなく「ステージで鳴っている、ありのままの音」を取り込むことができるため、エンジニアはRIVAGE PMシリーズの創造力豊かな性能を最大限に活かして観客に最高の音を届けることができます。

チャンネルEQおよびダイナミクス

Yamaha RIVAGE PM Series

RIVAGE PMシリーズは入力チャンネルでは4バンド、出力チャンネルは8バンドのPEQを使用でき、また各チャンネルでアルゴリズムの異なる4種類のチャンネルEQを使用することができます。狙ったポイントを精確に調整してさまざまな音作りが行える「Precise」。音楽的かつ効きの良さを特長とする「Aggressive」。原音の雰囲気を壊さず、自然でなめらかな音作りが可能な「Smooth」。そしてPM1DやPM5Dをはじめとする歴代のヤマハデジタルコンソールに搭載されている標準的な「Legacy」です。「Precise」は、LOW/HIGHのシェルビングフィルターにQパラメーターを用意し、オーバーシュートを活かした柔軟な調整を可能にします。

また、ダイナミクスについては各チャンネルごとに2つ搭載。それぞれがゲート、必要に応じて2種類のコンプレッサー、ダッカー、ディエッサーとして自由に使用することができます。また、コンプレッサーには、往年のヤマハデジタルミキサーに標準搭載されているコンプレッサーの特徴を継承した「Legacy Comp」と、70年代の名機をVCMテクノロジーでモデリングした「Comp260」の2種類があります。「Comp260」は、元のデバイスで使用されていたVCA回路とRMSレベル検出の特性を精確にモデルリングし、ライブサウンドで最適な効果が得られるように調整しています。もちろん、元のデバイスのサウンドが必要な場合に固定設定を再現するプリセットも提供しており、エンジニアの必要に応じて選択できます。

 

豊富なプラグイン

高度な音声処理技術は、ヤマハデジタルミキサーの大きな強みです。RIVAGE PMシリーズは、名機と呼ばれる古くからの定番モデルを含む幅広いプラグインが使用可能です。RIVAGE PMシリーズは50種類を超えるプラグインを搭載しており、余裕の処理能力を活かしてPortico 5033やPortico 5043といった高精度なプラグインをDSP-RX-EXでは最大256、DSP-RX、DSP-R10、CSD-R7では最大192インサートできます。また、Eventide社のウルトラハーモナイザーH3000と豊富なプリセットを備えた新しいリバーブSP2016、Dan Duganオートマチックミキサーなども搭載しています。これらの優れたサードパーティ製プラグインは、ヤマハ独自の各種プラグインを補完するとともに、優れた汎用性と処理能力によって、エンジニアによる幅広い自由な音作りを可能にします。

RND社のPorticoプラグイン

Yamaha RIVAGE PM Series

RND社とのコラボレーションにより実現したSILKプロセッシングはRIVAGE PMシリーズで重要な役割を占めていますが、両社の協業の成果はこれだけにとどまりません。有名なイコライザーPortico 5033およびコンプレッサーPortico 5043に加え、操作性に優れたプライマリーソースエンハンサーPortico5045を搭載しています。このプライマリーソースエンハンサーは、マイク入力のバックグラウンドノイズを効果的に抑制してよりクリアな音質を実現するとともに、フィードバックマージンを大幅に増加させることができ、教会やスタジアム、ホールなど音響的フィードバックが問題になり得る環境でのライブサウンドに最適なプラグインです。

Dan Duganオートマチックミキサー

Yamaha RIVAGE PM Series

独自のアルゴリズムによるオートマチックマイクロフォンミキサーで定評のある米Dan Dugan Sound Design社とも協業し、RIVAGE PMシリーズではDan Duganオートマチックミキサーを標準搭載しました。セットアップは極めてシンプルでインプットチャンネルにインサートするだけです。最大64チャンネルのマイク回線のゲイン配分をリアルタイムで自動最適化し、まるで数人の優れたオペレーターが操作をしているかのような、自然なレベルコントロールを実現します。さらにハウリングやコムフィルターの発生を抑制するなど、さまざまな恩恵も得られ、台本がないスピーチ現場でも、個々のフェーダー操作に煩わされることなく、質の高い安定したミックス作業を行えます。

Eventide社のエフェクト

Yamaha RIVAGE PM Series

数ある名機と呼ばれるエフェクトを生み出したメーカーの中でも、Eventide社の名は広く知られています。高い評価を得ているウルトラハーモナイザーH3000-Liveと、新しいリバーブSP2016をRIVAGE PMシリーズに搭載しました。あらゆるニーズに応えるべく、精確にエフェクトを調整できるパラメーターを備えているほか、理想的なリバーブをすぐに呼び出すことができるように各種プリセットを用意しています。

ヤマハ ダイナミックノイズサプレッサー DaNSe

Yamaha RIVAGE PM Series

RIVAGE PMシリーズには、ダイナミックノイズサプレッサー DaNSeをはじめ、ヤマハ独自のプラグインも幅広く取り揃えています。DaNSeは、マイクが拾う不要なバックグラウンドノイズを動的かつ自動的に抑制できるプラグインです。ノイズ周波数特性を分析し自動でパラメーター設定する高性能なLearn機能により、複雑な設定を行うことなく、効果的なノイズ抑制のためのセットアップが完了します。

DaNSeはその優れた自動検知機能と動的な仕組みにより、舞台上のささやくような小さな声や微細なニュアンスを残したままノイズだけを効果的に除去できるため、演劇やミュージカルにおいて大きな効果を発揮します。また、空調ノイズやムービングライトのファンノイズ、ステージモニターからのマイクへの被り、スポーツイベント時のアナウンスマイクへの観衆の声の被りなども抑制でき、幅広いシーンで利用できるノイズ抑制ツールです。

 

Operation

より洗練されたオペレーションスタイルがエンジニアに安心感と歓びを提供

ヤマハは、デジタルミキシングコンソールの操作性を常に重視し、これまでアナログコンソールを使ってきたエンジニアが直感的に操作できるインターフェースを提供すると同時に、デジタルの技術や機能を最大まで高めようと努めてきました。RIVAGE PMシリーズは、このコンセプトを新たなレベルへと高めています。すでに高い評価を得ているインターフェースを拡張して、究極のサウンドをより効率的に、そして容易にもたらすことでエンジニアがサウンドに集中できる安心感と、操作する歓びを提供します。

洗練されたインターフェース

Yamaha RIVAGE PM Series

RIVAGE PMシリーズのコンソールのインターフェースで重要なのは業界標準とも言えるヤマハSelected Channelセクションです。エンジニアは、SELキーで選択した任意のチャンネルのパラメーターにダイレクトに素早くアクセスできます。パネルスペースを最大限に活用した総合的なレイアウト上にエンコーダーやボタン、インジケーターを配置しており、どのような環境やミキシング状況でも快適に操作することができます。

また、RIVAGE PMシリーズのすべてのコントロールサーフェスには12本のフェーダーが3Bay搭載*されており、適宜チャンネルを割り当てることができます。フェーダーグループの一部またはすべてが大型タッチパネルと連動し、進化した「Centralogic」インターフェースによる使い勝手を提供します。チャンネルストリップはシームレスにタッチパネルへと伸びて、明快でロジカルなコントロールを可能にします。12チャンネルごとのグループで各チャンネルを容易に管理できるだけではなく、別々のグループを同時にコントロールするツーマンオペレーションにも対応します。

*CS-R10-Sは2Bay

センドオペレーションの操作性向上(RIVAGE PM5/3)

Yamaha RIVAGE PM Series

センドオペレーションはあらゆるライブミキシングにおいて重要なワークフローです。RIVAGE PM5/3ではおなじみのSends on Fader機能やチャンネルストリップエンコーダーを用いたセンドレベル調整に加えて、User Defined Knobとタッチパネルを組み合わせた新たな操作方法により、エンジニアにとってさらに快適なワークフローを提供します。

使いやすいレイアウト、さらに改善したサイトライン

Yamaha RIVAGE PM Series

コンソール全体の形状は、タッチスクリーンとSelected Channelセクションのあるパネル前方を大きく起き上がらせたデザインを採用。エンジニアの位置からの優れた視認性と使いやすさを確保するだけでなく、操作中に視線を大きく動かすことなくステージの様子を見ることができ、アーティストとの連携をより高めることができます。

柔軟なモニターセクション(RIVAGE PM10/7)

Yamaha RIVAGE PM Series

幅広いシチュエーションで使われるライブコンソールでは、モニターセクションの柔軟性も大切な要素の1つです。RIVAGE PMシリーズでは2系統のモニター出力/CUEバスを装備し、モニターソースは最大8つまで保存した組み合わせの中からそれぞれ選択可能。出力レベルの設定も独立して行えます。ここには専用のディレイのほか、8バンドのパラメトリックEQを搭載。EQの直前にプラグインをインサートすることも可能です。このように充実したモニターセクションによって、目的に合わせたモニター環境を柔軟に構築することができます。

視認性の高いフェーダーメーター(RIVAGE PM5)

Yamaha RIVAGE PM Series

RIVAGE PM5はフェーダーのそばにレベルメーターを設置したことで、フェーダー操作時のレベル確認の視認性が向上し、よりスムーズで精確なコントロールが可能になりました。このフェーダーメーターはモノラル・ステレオ時のレベル表示はもちろん、ダイナミクスのゲインリダクションの確認も可能です。

 

Enhanced Functionality

最新の、さらにその先を行く機能性

日々進化し続けるライブサウンド現場において、エンジニアは常に多くの課題を、より簡単に、はやく、確実に、そしてクリエイティブに解決していくことが求められます。これに対し、ヤマハはファームウェアアップデートという形で継続的なサポートを提供することで、常にRIVAGE PMシリーズを最新で安定した状態に保ち、また新たな機能を搭載し続けることで時代の最先端を提供し続けます。

急な変更にも迅速に対応できるオーバーレイフィルター

Yamaha RIVAGE PM Series

オーバーレイフィルターは、特にシーンメモリーを多用するエンジニアの使い勝手を向上する機能です。これは現在のミックスのフェーダーレベルとMIX/MATRIXセンドレベルにオフセットを付加「重ねる(=Overlay)」し、すべてのシーンリコール操作においてそのオフセット値を保持できる機能です。例えば、予期しない演者の交代があった場合に有効で、作り込んだシーンメモリーに変更を加えることなく一時的に相対的なオフセットレベルを調整し、必要に応じて即座に元の設定に戻すことができます。突然の一時的な変更に対応する際に、大いに役立ちます。

演劇やミュージカルで役立つシアターモード

Yamaha RIVAGE PM Series

シアターモードは、主に演劇やミュージカルなどの舞台転換・衣装替えの場面において、パフォーマー毎の適切なEQ/ダイナミクス設定の反映をスムーズに行える機能です。シアターモードではEQ/ダイナミクス設定をシーンメモリーではなく専用の4つのバンクで管理し、バンク各々で調整されたEQ/ダイナミクス設定は全てのシーンメモリーに共通の設定として保持されます。この機能により例えば、1つの役柄に複数のパフォーマーがキャスティングされている場合や、急な代役への変更などの場面にて、素早く適切なEQ/ダイナミクス設定を呼び出すことができるなど、柔軟かつ迅速な対応が可能になります。また、ライブSRの場面においても、曲調に応じてEQ/ダイナミクス設定を即座に切り替えるような用途で活用できます。

フェイルセーフ用DSPミラーリング

Yamaha RIVAGE PM Series

RIVAGE PM10、RIVAGE PM5、RIVAGE PM3はフェイルセーフのためのDSPミラーリングに対応しています。2台の同じDSPエンジンを使用することで、万が一メインのDSPエンジンにトラブルが発生した場合でも、サブのDSPエンジンに切り替えることでショーを止めずに続行することができます。

*RIVAGE PM7は、コンソールCSD-R7にDSPを内蔵しているため、DSPミラーリング非対応となります。

設置しやすく可搬性の高い軽量設計(RIVAGE PM5/3)

Yamaha RIVAGE PM Series

RIVAGE PM5/3は、ハードな運用に耐える堅牢性と大きく快適なインターフェースを備える一方で、CS-R5が42kg、CS-R3が38kgという驚くほどの軽量化を実現し、少人数でも容易に運搬、設置することができます。この大幅な軽量化は、最先端の機械設計と、軽量で耐久性の高い素材を採用することで実現しました。

また、軽量であっても音質や機能は損なわれておらず、他のRIVAGE PMシリーズと同じソフトウェアと操作性を有しており、小型、軽量でシンプルなボディに、あらゆる性能を凝縮しています。

コンソールとのシームレスな連携を実現する各種アプリケーション

Yamaha RIVAGE PM Series

近年のデジタルコンソールでは、外部アプリケーションを使ったワイヤレスミキシングやモニターミキシング、オフラインでの事前準備を行えることが一般的になっています。RIVAGE PMシリーズも専用アプリケーションとしてRIVAGE PM StageMix、MonitorMix、RIVAGE PM Editorの3つを用意。いずれもコンソール本体とシームレスに連携し、どのデバイスを使用しても同じ感覚で操作できるように開発、デザインされたユーザーインターフェースが特長です。

手軽に、そして本格的にライブレコーディングの2つのスタイル

Yamaha RIVAGE PM Series

ライブレコーディングへの対応も、近年のデジタルライブコンソールでは重要な機能の1つです。RIVAGE PM7では、2トラックUSBメモリーレコーダー機能の搭載に加えて、Danteオーディオネットワークを経由したマルチトラックレコーディングをサポートし、幅広いニーズに応えます。

2トラックUSBメモリーレコーダー機能では、STEREOバスやMIXバスなどの出力をUSBメモリーにダイレクトレコーディングできます。また、USBメモリーに保存されたBGMや効果音などを、任意のインプットチャンネルに割り合てて再生することも可能。入出力ともにサンプリングレートコンバーターを搭載しており、システムのサンプリング周波数を気にすることなく使用できます。ファイルフォーマットは、録再ともにWAVとMP3に対応しています。

さらに、Danteオーディオネットワーク上に接続したコンピューターのDAWソフトウェアにマルチトラックレコーディングを行うことも可能。Dante Accelerator(PCIeカード)を装着したコンピューターで最大128IN/128OUT(Fs=96kHz)のハイレゾリューションレコーディングに対応します。Dante Virtual Soundcard(DVS)使用時には、最大64IN/64OUTのレコーディングが可能です。

このマルチトラックレコーディング機能を使ってリハーサルなどを録音しておけば、そのデータを使って演者不在でもサウンドチェックを行うことができます。レコーディング時/サウンドチェック時ともに、インプットパッチは一括で切り替え可能。レコーダーからのプレイバックと実際のステージ入力を混在させたバーチャルサウンドチェックをスムーズに行えます。