MMP1

パワフルなモニターマトリクス

MMP1の心臓部は、ステレオ、5.1チャンネル、7.1チャンネルのフォーマットを容易に扱うことのできる40×36chのモニターマトリクス*です。また同時に、Dolby Atmosや22.2chといったイマーシブオーディオフォーマットへの対応も可能です。さまざまな設置環境に適応するため、MMP1は8系統のキューとスタジオスピーカーセレクトを備え、さらに、2系統のトークバックも搭載しています。MMP1を使用することで、モニタリング、キュー、トークバック機能を一手に担い、パワフルなマトリクスがスタジオ全体のオーディオルーティングを一元管理することが可能になります。

* (32入力+8 DSPチャンネル入力)×(32出力+ステレオダウンミックス出力+ステレオヘッドフォン出力)。176.4 kHzおよび192 kHz時:20x20チャンネル。

あらゆる環境に対応する柔軟性の高いベースマネージメント

ベースマネージメントは、サラウンドモニタリング環境における低域制御に使用されます。従来のベースマネージメントシステムは、イマーシブオーディオ制作に用いられる多種多様なスピーカー配置と、柔軟なルーティング設定への対応を実現しづらいものでした。限られた種類のスピーカー配置のプリセットだけが用意されたシステムとは異なり、MMP1は、自在にルーティング可能な32×32ch*のスピーカーマトリックスを備え、その全クロスポイントにベースマネージメント用のクロスオーバーフィルターを持ち、さまざまなスタジオ環境にフレキシブルなベースマネージメントシステムを提供します。

標準のIIRフィルターに加え、高精度のリニアフェーズFIRフィルターを使用可能です。メインチャンネルとLFEチャンネル間の位相干渉を最小限まで低減し、原音忠実で明瞭なサウンドと音像定位を実現します。

* 176.4 kHzおよび192 kHz時:16x16チャンネル。

卓越したスピーカーマネージメントプロセッシング

MMP1は、音声の入力から出力最終段までをトータルにサポートします。タイムアライメントディレイ、6バンドRoom EQ、32chのモニタースピーカー出力チャンネル個別に使用できるトリムを備えます。これにより、ステレオから22.2chといったより規模の大きなマルチチャンネルフォーマットまで、あらゆるモニター環境を最適な状態に調整することが可能になります。

コンソールライクに使用可能なチャンネルストリップ機能

様々な用途を想定してデザインされたMMP1のチャンネルストリップは、8ch全てにトリム、ディレイ、フェイズリバース、HPF/LPF、EQ、コンプレッサー、インサートといった機能が搭載されています。高品質なボイスオーバー録音や、そのほかプロダクションに求められる様々な用途に対応し、外部プロセッサーやDAWを使った複雑なルーティングの必要性を最小限に抑えることが可能です。

VCMビンテージコンプレッション

各チャンネルストリップに内蔵されたコンプレッサーComp260は、1970年代に生まれ数々の賞賛を受けたアナログコンプレッサーをヤマハのVCM(Virtual Circuitly Modeling)テクノロジーにより忠実に再現。 VCAやRMSレベル検出回路のレスポンスによるオリジナル特有のビンテージサウンドが忠実に再現されています。

* バーチャルサーキットモデリング技術の詳細については下記URLをご覧ください。

4つのEQアルゴリズム

MMP1のチャンネルストリップでは、4種類のEQアルゴリズムを選択可能です。 「Precise」は狙ったEQポイントを正確に処理することが可能です。「Aggressive」アルゴリズムはより音楽的なEQレスポンスを得るために設計されています。「Smooth」は滑らかでナチュラルなかかり方が特徴です。そして、業界標準のヤマハデジタルコンソールで提供されるイコライザーの耳慣れたサウンドとEQレスポンスを実現する「Legacy」も選択可能です。このような多彩なEQを使用することで、MMP1システムにおけるサウンドデザインの幅が大きく広がります。

ポストプロダクションレコーディングをサポート

8系統のキュー出力とスタジオスピーカー出力、その出力と共に機能する2系統のトークバックに加え、MMP1はアーティストやアフレコタレントとの円滑なコミュニケーションを可能にするコメンタリー機能を搭載しています。ブース内のアーティストは、MMP1 のGPIインターフェースに接続された個別の「カフミュート」機能を利用できます。カフミュートのステータスはコントロールルーム内に設置したPCのMMP1 Editorから確認することができます。また、カフミュート機能が「オフ」でマイクが機能している際、ブースモニタースピーカーを自動的にミュートして音声ループを防止することも可能です。その他にもさまざまな搭載機能がシステムの柔軟性を高め、ポストプロダクションレコーディング環境の構築におけるフレキシビリティを向上させます。

徹底的に磨き抜かれ洗練された音質

スタジオのモニタリング環境は、サウンドの最終的な出音を決定し、創り出される作品のクオリティに大きく関わります。そのため、モニターシステム自身のサウンドの解像度や空間表現力は、極限まで磨き抜かれたものが求められます。伝説的なモニタースピーカーNS-10Mの時代から続くコンセプトである、ヤマハのデザインフィロソフィーはMMP1でも不変です。ひとつひとつのパーツ選択だけでなく回路の設計細部にまで注意を払いながら、「黄金の耳」を持つ設計者がシステム全体の最適なチューニングを保証するためにテストを繰り返しています。その結果が、MMP1が生み出す未だかつてないハイクオリティなサウンドなのです。

直感的なセットアップが可能な操作性

MMP1のセットアップ操作は2つのソフトウェア・アプリケーションによりストレスフリーに行えます。WindowsまたはMacOS対応のMMP1 Editor*は、システム設計から日常のオペレーションに至るまで、あらゆる場面に対応した機能群のすべてをコントロール可能です。セットアップウィザードを搭載し、素早く簡単に最適なセッティングを行うことも可能です。セットアップ完了後は、iPad用アプリケーションMMP1 Controller**を起動して、必要なパラメーターを直感的にリモートコントロールすることができます。

* MMP1 Editorはヤマハウェブサイトで提供しています。

** MMP1 ControllerアプリケーションはAppleのApp Storeで提供しています。

Nuageシステムインテグレーション

MMP1はヤマハ DAWシステム「Nuage」のモニターセクションからコントロールすることも可能です。モニターする音声の選択やレベル調整、ダウンミックスやディマーのオン・オフ、トークバック操作などをNuage Master/Faderユニットのボタン・ノブを使って行うことができます。

これらの機能にはコンピューターやDAWが起動していない状態でもアクセス可能なため、従来のミキシングコンソールのような使い勝手でモニターセクションを操作することができます。

TMC-1 Remote Control Support

CB Electronics TMC-1 can be used to remotely control MMP1 monitor source selection, speaker system selection, levels, mute, and dim. Used in conjunction with the MMP1 Controller app for iPad, this provides convenient access to a wide range of detailed settings, for a more efficient, productive monitoring environment.

安全システム管理

複数のユーザーがシステムを利用する状況において、操作性を損なわず、トラブルを防止するために3段階のアクセスレベル設定が用意されています。また、20個のシーンメモリーとスナップショット機能により、最適なプロジェクト設定を簡単に呼び出すことも可能です。緊急時における「all mute」機能も備えています。これらの機能はMMP1 Editor、GPI、MMP1フロントパネルから操作可能です。

豊富な入出力と高い拡張性

MMP1には高品位なアナログ8入出力のほか、16チャンネル分のAES/EBU端子が搭載されています。オーディオネットワーク規格Danteにも標準対応し、64チャンネル分のオーディオ信号を1本のイーサネットケーブルで入出力することが可能です。 また、Audinate社のソフトウェアDante Virtual Soundcard(別売)を使用することにより、コンピューター*と複数チャンネルのオーディオ信号のやりとりが可能になるため、MMP1をDAWオーディオインターフェースとして使用することも可能です。

* 使用するコンピューターにYamaha Dante AcceleratorカードまたはAudinate Dante Virtual Soundcardが装着されている必要があります。

モニターコントローラーを超える性能

MMP1の性能は単なるスタジオモニタープロセッサーにとどまりません。2系統のパワフルなマトリクスミキサー、豊富で高品位なエフェクト、さまざまな外部デバイスから制御可能なGPIインターフェースを備え、ポストプロダクションスタジオや音声中継車など、さまざまな用途において、最適な環境作りに貢献します。さらに、電源の2重化にも対応し、フェイルセーフを考えたシステム構築が可能です。