MTX Series
システム全体のデザインを実現する専用アプリケーションソフト
1台のPCで複数の音響システムを集中管理
「MTX-MRX Editor」はシグナルプロセッサー「MTX/MRXシリーズ」を中心とした音響システムを構築するアプリケーションソフトウェアです。 マイクやCD、MP3・WAVEなどの音楽ソースのミキシング、各エリアのニーズに合わせた個別音楽・音声配信、タイマーセットによる自動音楽再生やアナウンスなど、複数エリアの使用環境や用途に合わせた音響システムを1台のPCでコントロールすることができます。
複数の音響システムを1台のPCで集中管理
さらにVer3.2よりサブネットの一元管理に対応。遊園地、ショッピングモールなどの複合施設においてエリアごとに複数のサブネットで複数の領域を別々に管理する場合も一台のPCでコントロールできます。
入力から出力まで、さまざまなパラメーターの設定が可能
入力チャンネルのパラメーター設定
MTXシリーズは、各入力チャンネルに3バンドのパラメトリックEQとマイク入力用のハイパスフィルター(HPF)を搭載しています。またCOMP/GATEの他、ハウリングを抑制するフィードバックサプレッサー(FBS)をMTX3は4チャンネル、MTX5-Dは8チャンネルに設定可能。また入力レベルに応じてゲインを自動補正しレベル差のある信号の出力レベルを一定に保つオートゲインコントローラー(AGC)機能も搭載しています。
リバーブ
MTXシリーズには、Reverb Hall, Reverb Stage, Karaoke Echo, Vocal Echoの4タイプのリバーブが設定可能です。
フィードバックサプレッサー (FBS)
フィードバックサプレッサーは、マイクにスピーカーからの音声が回り込む際に生じる不快なハウリングを防ぐ機能です。 MTXシリーズには、FIXED とDYNAMICの2タイプのフィードバックサプレッサーを使用できます。FIXEDは、現在の音響設備にあるハウリングポイントを事前に見つけてフィルターを設定する方式です。位置が固定されているマイクに対して有効です。DYNAMICはMTX シリーズを運用しているとき、絶えず変化するハウリングポイントを見つけてフィルターの設定を更新する方式です。位置が固定できずさまざまな場所で使用するワイヤレスマイクなどに対して有効です。
オートゲインコントローラー (AGC)
オートゲインコントローラーは、入力レベルに応じてゲインを自動補正し、レベル差のある信号の出力レベルを一定に保つ機能です。たとえばマイクとの位置や声の大きさが違うことで拡声される音量が変化して聞き取りにくい状態になります。そのようなときに音量を一定の範囲に自動的に調整します。
Dan Duganオートマチックミキサー (Dugan Automixer)
Dan Duganオートマチックミキサーは、複数マイク使用時のハウリングの発生や、周囲の雑音の回り込みを低減し、音声の明瞭度を向上する機能です。株主総会やパネルディスカッションなどにおいて多数のマイクを使用する際に便利です。MTX3 では入力チャンネル1-4、MTX5-Dでは入力チャンネル1-8にインサート可能です。
1. 話者がいない場合
誰も話していない場合には、どの入力もレベルは低く、ゲインレベルは均等です。この時、各マイクはミュートされるのではなく、トータルゲインが不変となるよう3本のマイク間でゲイン配分されます。
2. 話者が1人の場合
1人が話した場合には、そのマイクのゲインのみ瞬時に0dBまで上がり、他の2本のマイクはゲインが下がります。別の1人が話した場合も同様の動作です。
3. 話者が複数の場合
2人が同時に話した場合には、トータルゲインが一定となるよう2本のマイク間でゲインが自動配分され、残り1本のマイクのゲインは下がります。
マトリクスミキサーの設定
各入力チャンネルの信号をマトリクスバス等に送りミックスします。Sends On Faderの機能も持ち、各バスに送る信号の量をフェーダーで調整することも可能です。
マトリクスミキサーからの信号は8つのPriority Processorに送られます。Priority Processorには、マイクや特定のソースが入力されている間だけBGMなどの音量を引き下げるDucker、周辺ノイズのレベルに応じて、プログラムソースのレベルを自動的に補正するアンビエントノイズコンペンセーター(ANC) を搭載しています。
ゾーンの設定
MTX-MRX Editorにおける「ゾーン」は、音響を個別に制御する部屋や空間のことを指します。例えば2F建ての商業施設を、1Fのレストランゾーンと2Fの店舗ゾーンに分けて、ぞれぞれ異なるBGM音源を異なる音量で設定して再生します。
Priority Ducker
Duckerは、指定の入力チャンネルから音声信号が入ると、他のチャンネルの信号を自動で下げる機能です。例えばアナウンスの際にBGM音量を自動で下げることができます。
アンビエントノイズコンペンセーター (ANC)
ノイズレベルに応じてMTXシリーズの出力信号を増減させる機能です。MTX に搭載している ANCは、曲間などの無音部分を検知し、その間に騒音を測定しレベルを可変する GAP方式です。例えば店舗において、ノイズレベルから混雑状況を判断しアナウンスの音量を自動で上げることができます。
ルーターの設定
システムの出力チャンネルを、ルーターページで各ゾーンにパッチします。ルーティングを確認するために、任意の出力チャンネルにオシレーター信号を出力することもできます。
出力チャンネルのパラメーター設定
Priority Processorを通った信号はルーターを経由し出力チャンネルに送られます。各出力チャンネルには4 バンド のパラメトリックEQ、ディレイ、スピーカープロセッサーを搭載。スピーカープロセッサーにはVXSシリーズ、VXCシリーズ等のヤマハ 設備向けスピーカーのライブラリがあらかじめ準備されており、簡単に最適なスピーカーの設定を呼び出し調整することが可能です。また4 バンドのパラメトリックEQ、ディレイを使うことで部屋の環境に合わせた調整も容易に行うことができます。
スピーカープロセッサー
MTX-MRX Editorのスピーカープロセッサーを用いて、スピーカーの設置環境に合わせて細かくパラメーターの調整を行うことがきます。フィルターと極性が選べるBiampスピーカー用のクロスオーバーや、ディレイ、6バンドパラメトリックEQ、そしてスピーカー保護のためのリミッターの設定が可能です。