DZR / DXS XLF Series

The first Dante-equipped professional SR loudspeakers

DZRシリーズDanteモデル*は、Audinate社のオーディオネットワーク規格「Dante」に対応し、デジタルミキシングコンソール「CLシリーズ」「QLシリーズ」「TFシリーズ」などとの低ジッター/低レイテンシーのシステム構築が可能です。

また、48kHzのシステムにも対応するSRC(Sampling Rate Converter)を搭載し、2IN/2OUTのDANTE入出力は幅広い「Dante」対応機器で高い運用効率を実現します**。コンソール側からのパッチ、パラメーターの操作やQuick Config(「TFシリーズ」のみ)に対応し、オーディオシステムの簡易設定も可能です。

さらに、音響システムをスマートにリモート制御するWindows用ソフトウェア「ProVisionaire Control」、iPadアプリケーション「ProVisionaire Touch」により、制御設計、カスタムコントローラーなどのソリューションにも対応しています。

* DZRシリーズに搭載のDanteはSecondaryポートを搭載していません。

** 入力したアナログ信号をDanteネットワークへ出力する機能はV1.2.2以降で対応しています。

Full Dante Connection

Mixed Connection

Yamaha DSP: 内部処理96kHz DSPによる高分解能の音質、大音圧、高度な保護機能

Advanced FIR-X Tuning

『DZRシリーズ』『DXS XLFシリーズ』は、内部処理96kHzの高性能DSPを搭載し、高域、中域(315のみ)、低域各々のスピーカーユニットの性能を最大限に引き出すと同時に、低レイテンシーを両立しました。

また、サウンドチューニングだけでなく、DSP制御の高度な保護機能により、電源、パワーアンプ、スピーカーユニット全てのコンポーネントを万全に保護します。クロスオーバーでは、リニアな位相特性を持つFIRフィルターを採用した独自の「FIR-X tuning」処理をさらに高めた「Advanced FIR-X tuning」を施すことで、振幅特性や位相特性を最適化し、分解能に優れた高音質を実現しました。

内蔵LCDからはプリセット、EQ、フィルター、ディレイ、ルーティングなどのパラメーターをグラフィカルにかつ詳細に操作できることに加え、設定の呼出しや保存、USBでの共有など、利便性が格段に向上しました。

またDZRシリーズやDXS XLFシリーズを組合せで使用する場合にも豊富なプリセットでスピーディな環境設定が可能です。

D-CONTOUR

DZRシリーズは、マルチバンド・ダイナミクス・プロセッサー「D-CONTOUR (Dynamic-Contour)」を搭載しています。アンプの出力レベルをリアルタイムに監視し、人間の聴感特性に合わせて振幅特性をダイナミックにコントロールすることで、音量に関わらず、バランスの良い迫力のあるサウンドを提供するとともに、NORMAL / FOH MAIN / MONITORの3種類のモードから用途に合わせた最適な設定が可能です(3ウェイモデルはNORMAL/FOH MAINの2種類のみ)。

FOH/MAINモードでは、フライング時やスタンドを用いた際、不足しがちな低域を補います。MONITORモードは床面との反射が引き起こす低域への影響を補正、特性全域を整えることでクリアなモニタリングを可能にしています。

またMONITORモードの際にはレイテンシーを最小化するなど、これらのプリセットは、熟練のサウンドエンジニアによって試聴テストが繰り返し行われ、現場に即したチューニングを実現しました。出力における歪みを最小限に抑え、かつ安定したサウンドを提供する信頼性の高いマルチバンド・ダイナミクス・プロセッサーです。

DSPによる高度な保護機能

パワード型スピーカーシステムでは、スピーカーユニットとパワーアンプとの組み合わせが固定されるため、設計段階で最適化を図ることができます。

DZRおよびDXS XLFシリーズの開発過程で、ヤマハは屋内および屋外での試聴を繰り返すことで各ユニットの耐性とパワーアンプの出力を厳密に算出。

その結果にもとづきDSPコントロールを用いて各モデルの最適なリミットポイントを導き出しました。 最適なリミッティングに加え、これらのシリーズにはヤマハのフラッグシップパワーアンプ同等の強力なプロテクション機能を搭載。電源部、パワーアンプ、スピーカーユニットの信号をリアルタイムに監視して、コンポーネントのすべてを万全に保護します。

これにより、過酷な条件下でも安定した動作を実現。スピーカーシステムが本来持っている性能を最大限に発揮することができます。

大出力2000W クラス-Dアンプモジュール搭載

DZRシリーズは新開発の高効率クラスDアンプモジュールを搭載し、軽量コンパクトな筐体ながらダイナミックパワー2000Wのクラス最大級の出力を生み出します。

アンプ、ドライバー、DSPとの最適な組み合わせにより、正確なダイナミクス、音の再現性をキープしながら、クラス最大級の音圧レベルを実現しました。また電源ケーブルは脱抜防止のためのロック機構付コネクターを採用しています。

カスタムデザイントランスデューサー

HF トランスデューサー

HFは2インチボイスコイルのコンプレッションドライバーと強力なネオジム磁石を採用し、高い分解能の中域かつ伸びやかな高域を実現します。コンプレッションドライバーにはDZR315は水平75°×垂直50°、DZR15は水平90°×垂直50°、DZR12、DZR10は水平90°×垂直60°の指向角度を持つCD(定指向性)ホーンを装着。

斜め方向のエネルギー減衰を抑えた設計は、四角形に近い理想的な拡散パターンを実現します。また2ウェイモデルのホーンはローテーション可能で縦横いずれの設置方法でも適切なカバーエリアを実現します。

3ウェイ用MFトランスデューサー

3ウェイラウドスピーカーDZR315用のMFには1.5インチのボイスコイルを搭載した8インチコーンを採用。低歪みで分解能の高い中域再生を可能とし、クラス最大級の143dBの最大SPL かつクリアなサウンドを提供します。

LFトランスデューサー

ウーファー口径15˝, 12˝ ,10˝ の3モデルをラインナップ。DZRシリーズに搭載されるスピーカーユニットは、モデルごとに見合ったカスタムデザイン。LFユニットは大口径3インチボイスコイル、アルミダイキャストフレーム、軽量ながら強力なネオジム磁石を使用することで力強い低域再生能力と高い耐入力性能を確保しました。

Power in flexibility

プロの要求に応える高い機能性

2ウェイスピーカーのDZR15、DZR12、DZR10は高域のホーンをローテーション可能で縦横いずれの設置方法でも適切なカバーエリアを実現します。指向角はDZR15が90°x50°、DZR12とDZR10は90°x60°です。

現場での多様な使用方法を想定し、キャビネットに強固な15mm厚のプライウッドを使用し、塗装には優れた耐傷性を誇るポリウレア塗装を採用しました。

過酷な屋外使用時における劣化や運搬時の外傷からキャビネットを守ります。また余分な振動を防止する補強構造、ノイズを抑えたポート形状などプロの要求に応える堅牢なハードウェア設計を施しております。

またDZR15、DZR12は左右対称のキャビネット構造で、フロアモニターの複数設置時のミラーモードにも対応可能です。DZRのポールソケットは水平、-7°のデュアルアングルを搭載し、反射面から遠ざけて最適な音場構築が可能です。

  Coverage Angle Rotatable Monitor Angle Mirroring
H V
DZR315 - - -
DZR15
DZR12
DZR10 -

多彩な設置用オプション

DZRシリーズは、縦・横それぞれに用意されたUブラケットと組み合わせて、壁面やバトン、天井吊り等の設置が可能です。また他にも豊富なリギングポイントを備えており、ホーンローテーションと併せて様々な環境でのアイボルト*吊り下げが可能です。

*アイボルトは付属していません。

安全運用のためのユーティリティ

DZRシリーズはUSB経由でのすばやく簡単な設定保存が可能であると共にパネルロックの機能なども搭載し安全な運用をサポートします。設定を外部に保存しUSB経由で素早いトラブルシューティングも可能です。