幼少期からロシアに渡り、18才で名門ドイツ・グラモフォンからデビュー。
今、熱い注目を集める話題のピアニスト松田華音が、ロシアから様々な話題を書き綴ります。
- No.13 2016.10.31更新 「До новых встреч! (またお会い出来る日まで!)」
- No.12 2016.09.20更新 「Летние воспоминания (夏の思い出)」
- No.11 2016.06.22更新 「Лето(夏)」
- No.10 2016.05.26更新 「Последний звонок(最後のベル)」
- No.9 2016.05.09更新 「Май(5月)」
- No.8 2016.03.22更新 「Весна(春)」
- No.7 2016.02.12更新 「Ни пуха ни пера!(ニ プーハ ニ ペラー!)」
- No.6 2016.01.21更新 「Новый год(新年)」
- No.5 2015.12.29更新 「С наступающим Новым годом! (良いお年を!)」
- No.4 2015.12.09更新 「Декабрь(12月)」
- No.3 2015.11.17更新 「МГК(チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院)」
- No.2 2015.10.27更新 「Первый снег(初雪)」
- No.1 2015.10.07更新 「Привет из Москвы(モスクワからこんにちは)」
- pianist 松田 華音
- 1996年、香川県高松市生まれ。4歳で細田淑子に師事、ピアノをはじめる。
2002年秋、6歳でモスクワに渡りエレーナ・ペトローヴナ・イワノーワに師事、翌年ロシア最高峰の名門音楽学校、モスクワ市立グネーシン記念中等(高等)音楽専門学校ピアノ科に第一位で入学。 2006年 TVロシア文化チャンネル主催、くるみ割り人形国際音楽コンクール、ピアノ部門第一位受賞。
2009年 AADGT 国際Young Musician Competition(ニューヨーク)第一位受賞。2010年 才能ある青少年の国際コンクール&フェスティバル「クラシカ2010」グランプリ受賞(カザフスタン)。2011年12月、国立アレクサンドル・スクリャービン記念博物館より2011年度の「スクリャービン奨学生」に選ばれる。
2013年2月、モスクワ市立グネーシン記念中等(高等)音楽専門学校で外国人初の最優秀生徒賞を受賞。翌年同校を首席で卒業。(ロシアで成績優秀者に贈られる「赤の卒業証書」で卒業。)9月、モスクワ音楽院に日本人初となるロシア政府特別奨学生として入学。
11月ドイツ・グラモフォンよりCDデビュー。
オーケストラとの初共演は8歳。これまでにミハイル・プレトニョフ、マルク・ゴレンシュタイン、秋山和慶、円光寺雅彦、高関健などの指揮者、ロシア・ナショナル管弦楽団、ロシア国立交響楽団、キエフ国立フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団、東京交響楽団、広島交響楽団などと共演。
※上記は2015年10月7日に掲載した情報です。
No.6Новый год(新年)
2016.01.21更新
大変遅くなってしまいましたが、皆様、明けましておめでとうございます。
新しい年が、平和で笑顔あふれる一年でありますように、お祈り申し上げます。
2016年は、14年ぶりに新年を日本で迎え、モスクワに戻ってきました。
1月2日、3日は、オーチャードホールで東京フィルハーモニー交響楽団さん、9日は大阪のフェスティバルホールで大阪フィルハーモニー交響楽団さんのニューイヤーコンサートでご一緒させて頂いていました。
新しい年の始まりを、素晴らしいホールで、素晴らしい共演者の皆様、そして、会場に足を運んで下さいました皆様と一緒に音楽で迎えられた事を大変幸せに感じています。
また、在日ロシア連邦大使館、そして東大阪市では、リサイタルもさせて頂き、大勢の皆様にいらして頂きまして心より感謝致しております。
モスクワに戻った途端、早速翌日から試験がスタートしているのですが、今日のお話は試験について!ではなく(笑)、ロシアでの新年の迎え方や、お正月料理などを皆様にご紹介したいと思います。
ロシアも、日本と同じように、お正月は家族が集まって一緒に迎えるというのが一般的で、皆で揃ってお祝いの食事をいただくという事を大切にします。
ただ、日本でおせち料理やお雑煮をいただくのは元旦、元日の朝というイメージがありますが、ロシアでは、大晦日の深夜0時、日付がかわったその時から、乾杯とともにお正月料理をいただき始め、明け方まで祝われます。
ところで、ロシアの代表的なお正月料理といえば、“オリビエ”と呼ばれるサラダです。
皮ごと茹でたジャガイモとニンジンを、皮を剥いて小さなキューブ状に切ったものと、同じ位の大きさに切ったキュウリの塩漬け、茹でた鶏肉または牛肉やハム、ゆで卵、グリンピース(缶)をマヨネーズであえると出来上がりです。
サラダがお正月料理なんて?最初は不思議に思ったものですが、オリビエサラダに限らず、サラダはロシアのお正月の食卓に欠かせないもので、他にも、“毛皮を着たニシン”というユニークな名前のサラダもあります。
これは、塩漬けのニシン、茹でたジャガイモ、スライスした生タマネギを層状に重ね、ボルシチにも使われる赤カブのビーツを茹でて粗くおろしてマヨネーズであえたもので包んだサラダで、ニシンが華やかなピンク色のビーツをまとっていることから、“毛皮を着たニシン”という名前がついています。
大皿に盛って並べられたサラダは、日本のおせち料理のように、お皿から無くなると、どんどん足していかれ、お正月の間、食べ続けられます。
また、お正月に限らずロシアのお祝いの食卓に欠かせない食材といえば、イクラでしょうか。パンにバターを塗ってその上にイクラをのせて食べるのが、ロシア流です。
その他には、ハムやお肉を薄切りにしたものや、サーモン、チーズなどが、お皿に盛られていたり、コラーゲンたっぷりの“お肉の煮こごり”なども、よく作られるご馳走です。
ロシアの代表的なお正月料理の“オリビエサラダ”、奥は“お肉の煮こごり”
さて、このようなお正月料理を、ロシアでは、1月1日の午前0時に向けて準備するのですが、そこにもユニークな習慣があって、毎年大晦日に決まって放送される「Ирония судьбы, или с легким паром!」(運命の皮肉、あるいはいい湯を!)を見ながら、準備を進めていくのです。
映画が終わる頃には、新年を迎えるお料理も気持ちも段々と準備が整ってきます。
そして、そろそろ午前0時を迎えようという頃、乾杯用のグラスを持ってテレビの前に集まります。
厳かなファンファーレとともに、クレムリンを背景に映る大統領からのお祝いのメッセージに耳を傾け、最後の「明けましておめでとう!」という言葉と共に幕を開ける新年に、続いて流れるロシア連邦国歌を聞きながら乾杯して、お祝いの宴が始まります。
そんなロシアの深夜のお正月パーティーは明け方まで続いていくのですが、若い人たちは、家族とのお祝いの食事が一段落した頃、親しい友人らと待ち合わせ、街を散歩したり花火をあげたりしながら、更に朝までお祝いを楽しみます。
また、ロシアでは、1月7日にロシア正教の暦でお祝いされるクリスマスを迎えますので、14日の旧正月で一段落するまで、しばらく楽しいお祝いムードが続くのでした。
2016年が、皆様にとって佳き年でありますように。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
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執筆者 Profile
- pianist 松田 華音
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1996年、香川県高松市生まれ。4歳で細田淑子に師事、ピアノをはじめる。
2002年秋、6歳でモスクワに渡りエレーナ・ペトローヴナ・イワノーワに師事、翌年ロシア最高峰の名門音楽学校、モスクワ市立グネーシン記念中等(高等)音楽専門学校ピアノ科に第一位で入学。 2006年 TVロシア文化チャンネル主催、くるみ割り人形国際音楽コンクール、ピアノ部門第一位受賞。
2009年 AADGT 国際Young Musician Competition(ニューヨーク)第一位受賞。2010年 才能ある青少年の国際コンクール&フェスティバル「クラシカ2010」グランプリ受賞(カザフスタン)。2011年12月、国立アレクサンドル・スクリャービン記念博物館より2011年度の「スクリャービン奨学生」に選ばれる。
2013年2月、モスクワ市立グネーシン記念中等(高等)音楽専門学校で外国人初の最優秀生徒賞を受賞。翌年同校を首席で卒業。(ロシアで成績優秀者に贈られる「赤の卒業証書」で卒業。)9月、モスクワ音楽院に日本人初となるロシア政府特別奨学生として入学。
11月ドイツ・グラモフォンよりCDデビュー。
オーケストラとの初共演は8歳。これまでにミハイル・プレトニョフ、マルク・ゴレンシュタイン、秋山和慶、円光寺雅彦、高関健などの指揮者、ロシア・ナショナル管弦楽団、ロシア国立交響楽団、キエフ国立フィルハーモニー交響楽団、札幌交響楽団、東京交響楽団、広島交響楽団などと共演。
※上記は2015年10月7日に掲載した情報です。