Cisco SG300の設定

この章では、例としてCisco社のネットワークスイッチSG300-10を用いたセットアップ手順を紹介します。このスイッチは、小規模ネットワークを想定した10ポートのマネージドスイッチで、比較的安価なスイッチの中ではDanteネットワークにも適したよい選択の一つと言えます。ネットワーク規模に応じて20ポートのSG300-20などもあります。

以下のセットアップ手順は、SG300-10のファームウェアバージョン1.3.0.62を使用しています。お使いのバージョンによって、初期設定などが異なる場合があります。他のマネージドスイッチを設定する場合は、メーカーによってユーザーインターフェースや用語が異なることにご注意ください。

スイッチ設定の準備

スイッチを設定するには、PCのウェブブラウザからアクセスするのが一番簡単です。ウェブブラウザを起動して、スイッチのIPアドレスを入力してください。スイッチが初期設定の場合、アドレスは「192.168.1.254」、ユーザー名とパスワードはどちらも「cisco」です。上記の場合、PCのIPアドレスはあらかじめ「192.168.1.x」(例: 192.168.1.100)、サブネットマスクは「255.255.255.0」に設定しておいてください。

スイッチ設定の準備

最初に、ファームウェア(および日本語表示の場合は言語ファイル)のバージョンをチェックして、必要に応じてアップデートすることをおすすめします。最新版のファームウェアはCisco社のウェブサイトでご確認ください。

ファームウェアのアップデートは、以下のページで行います。あらかじめCisco社のウェブサイトからファームウェアファイル(および言語ファイル)をダウンロードしておいてください。ファームウェアをアップロードしたあとに、ファームウェアをアクティブ化して、スイッチを再起動する必要があることにご注意ください。

スイッチのアドレスは、「192.168.0.x」(例: 192.168.0.254)に変更することをおすすめします。ヤマハのPA機器はコントロール信号用のネットワーク端子(Dante端子ではありません)が初期設定で「192.168.0.x」になっています。スイッチも含めて同じネットワークアドレス(この場合は192.168.0を指します)を使用することで、1台のPCからヤマハのPA機器とスイッチの両方にアクセスできるメリットがあります。IPアドレスタイプとして「スタティック」、IPアドレスはここでは「192.168.0.254」を指定して、「適用」をクリックします。

このとき、スイッチのネットワークアドレスが変更されたので、PCとの接続が切れます。忘れずに、PCのIPアドレスも同じネットワークアドレスの範囲(例: 192.168.0.100)に変更してください。

スイッチ設定を変更したら、必ず「保存」することを忘れないでください。保存せずに電源を切ると、変更した設定がすべて元に戻ります。ここではIPアドレスを変更しましたので、スイッチ設定を保存してみましょう。

設定を変更すると、画面上部にある「保存」が点滅表示になります。ここをクリックすると、以下のページが開きます。ソースファイルは「実行コンフィギュレーション」、ターゲットファイルは「スタートアップコンフィギュレーション」が選ばれていることを確認して、「適用」をクリックします。

これで準備が整いました。