QoS設定 (同期情報の優先転送)
QoSを設定することで、トラフィックの多いネットワークでもよりよいシステム性能を発揮することができます。QoS (Quality of Service)は、ある特定のデータを優先して転送するための技術です。Danteが推奨するQoS設定をスイッチに適用することにより、他のデータトラフィックに対して、Danteのクロック同期情報およびオーディオデータを優先して転送することができます。
したがって、同じネットワーク上にやむを得ずDante以外のデータも流れる場合や、大量(たとえば、1本のネットワークケーブルに300チャンネル以上)のオーディオデータが流れる場合でも、よりよいシステム性能を発揮することができます。スイッチへの負荷が低く(使用帯域50%以下)、Dante専用のギガビットネットワークを構成できる場合はQoSがなくても問題なく動作しますが、よりよいシステム性能を発揮するためには、常にギガビットネットワークを構成し、以下の手順でQoSを設定することを推奨します。
Danteが推奨するQoS設定は、Audinate社のウェブサイトに掲載されています。
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Danteが推奨するQoS DSCPパケット優先設定
最初に、以下のページでQoS機能を有効にします。まず、「QoS機能の基本設定」から「QoS機能を使用する」にチェックし、「確認」、「設定の確定」の順にクリックしていきます。
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詳細設定 > QoS > QoS機能の基本設定
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QoS機能を有効にする
次に、DSCPの値によってキューの優先順位が自動的に割り振られるようにします。まず、全ポートにチェックを入れ、「一括設定」をクリックし、「DSCP値を使用して送信キューを決定する」にチェックを入れ、「確認」、「設定の確定」の順にクリックします。
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QoS機能一括設定画面
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QoS機能のDSCP一括設定画面
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DSCP一括設定後の画面
このとき、デフォルトでDanteが推奨するQoSのDSCPパケット優先設定に沿っています。
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SWX2300シリーズのQoS DSCPのデフォルト値
ただし、構築したDanteネットワークにDante信号以外のパケットが混在するような場合には、以下のようにDanteで使わないDSCP値の優先度を下げておく必要があります。
まず、簡単に設定するために以下のファイル(qos.txt)を開いて、中身をコピーします。
次に、その内容をコマンド実行の画面に貼り付け、実行をクリックします。
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管理 > 保守 > コマンドの実行
コマンド実行結果がすべて成功となれば、有効な設定が保存されます。
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コマンド実行結果
以上でQoSの設定が完了しました。