PAで使われるケーブルと端子は
PAでは、機器間の接続に様々なケーブルと端子が使われます。用途や機材に合ったケーブルと端子を使わないと接続できなかったり、接続しても音が鳴らない、あるいは危険が生じることもあるのでしっかりと把握しておきましょう。
PAでよく使われる端子
XLR(エックスエルアール)端子
![PAでよく使われる端子](/files/pa_beginners_cable_ph01_1_jp_7bffb404fceb9b03b05500a3b5f7c917.jpg?impolicy=resize&imwid=480&imhei=180)
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後述するバランス方式に対応していること、頑丈で変形しにくいこと、端子にロック機構がついていて引っ張っても接続が外れないようになっていることから、信頼性の要求されるプロの現場などで使用頻度が高い端子です。マイクやパワーアンプ、パワードスピーカーなどPA全般で使われます。※通常、オスは音声出力側、メスは音声入力側に使われます。
フォーン端子
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フォーン端子にはステレオタイプとモノラルタイプの2つの種類があります。ステレオタイプはTRSフォーンとも呼ばれ、ヘッドフォンなどのステレオ信号を扱う端子や、エフェクトのインサート接続などに使います。TRSフォーンはバランス方式にも使うことができます。モノラルタイプは後述するアンバランス方式専用で、エレキギターやキーボードなどの楽器で使われます。
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【Tips】
機器側でXLRとフォーン端子をどちらも接続できる「コンボジャック」という端子もあります。主にミキサーやオーディオインターフェースの入力端子として使われます。
PAで使われるケーブル
![PAで使われるケーブル](/files/pa_beginners_cable_ph08_jp_eb6f67e0ed4aaff5ab1f863c5ba33d13.jpg?impolicy=resize&imwid=320&imhei=322)
これらの端子を使ってPAで信号を機器へ伝送する方式にはバランスとアンバランスがあり、使うケーブルも異なります。
※これらはマイクケーブル、ラインケーブルと呼ばれます。パワーアンプとパッシブスピーカーを接続するスピーカー専用ケーブルは、「パッシブスピーカーに使われるケーブル」を参照してください。
- バランス、アンバランスの特徴は以下のとおりです。
【バランス伝送=ノイズに強い】
・バランスは正の位相と負の位相の信号を扱うので、ホット、コールド、グラウンド、という3つの伝送線を使います。この場合、2つの線(ホットとコールド)を網線(グラウンド)でシールドした(覆った)ケーブルが使われます。
【アンバランス伝送=ノイズに弱い】
・アンバランスは正の位相のみなのでホットとグラウンドの2つの伝送線を使います。1つの線を1つの網線でシールドしたケーブルが使われます。
【バランス用ケーブル】:芯線が2本(ホットとコールド)をシールド用網線が覆っている。
【アンバランス用ケーブル】:芯線が1本(ホットのみ)をシールド用網線が覆っている。
バランス伝送のノイズを打ち消す仕組み
ケーブルはその構造から長ければ長いほどノイズを拾ってしまいます。特にマイク信号は微細な電流なので、ノイズが乗ったままの状態でミキサーのヘッドアンプで増幅すると、マイクの信号と共にノイズも増幅してしまうので音質が悪くなります。なるべくノイズを拾わないためには、ケーブル自体の長さを短くするのももちろんですが、バランス伝送にすることで拾ってしまったノイズを打ち消すことができます。
![バランス伝送のノイズを打ち消す仕組み](/files/pa_beginners_cable_ph09_jp_abfe8698695f487d41c0c9dde2e55e9d.jpg?impolicy=resize&imwid=740&imhei=408)
ノイズというのは常に同じ位相の方向で発生します。ということは、逆位相の信号があれば、その中で生じたノイズの部分はプラスとマイナスの関係なので打ち消すことができるのです。
キーボードや再生機器などは信号レベルが高いのでノイズとの差が大きくなるため、アンバランス伝送でもノイズは目立たない傾向にありますが、ケーブルを長くする際にはD.I.を使用してバランス伝送を心がけた方がよいでしょう。
* キーボードなどのステレオ出力をYケーブルなどを使用し、TRSコネクターをモノラルチャンネルに接続しないでください。LとRで打ち消し合って、音が聞こえないというトラブルになります。
その他PAでよく使われる端子とケーブル
![その他PAでよく使われる端子とケーブル](/files/pa_beginners_cable_ph10_1f49bf8415ef7a99c4a7d6e4f409c413.jpg?impolicy=resize&imwid=411&imhei=160)
【RCA(アールシーエー)ピン端子】
オーディオ・AV 機器で一般的に使われているアンバランス方式専用の端子です。信号の種類によって色分けされていて、白の端子がオーディオの左(L)チャンネル、赤が右(R)チャンネルの信号を送るのに使います。
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【USB端子】
オーディオインターフェース機能を持ったミキサーとパソコンを接続してオーディオ信号を送受信するための端子です。ライブでのミックスをパソコンに録音したり、音楽制作をしたりする際に使います。
パッシブスピーカーに使われるケーブル
![パッシブスピーカーに使われるケーブル](/files/pa_beginners_guide_cable14_jp_ec7d2646a30342dd5c3d2122efe194cc.jpg?impolicy=resize&imwid=240&imhei=160)
パワーアンプとパッシブスピーカーを接続するにはスピーカー専用のケーブルを使います。アンプで増幅された大容量の電気信号を伝達するため、耐久性の高いケーブルになっています。バランス/アンバランスで使われるマイクケーブル/ラインケーブルと違いシールドはされていません。
※パワードスピーカーに接続する場合はマイクケーブル/ラインケーブルを使用します。
パッシブスピーカーに使われるケーブル
![パッシブスピーカーに使われるケーブル](/files/pa_beginners_cable_ph15_f0440d0ff3b520b7bc09eeab6c1cb977.jpg?impolicy=resize&imwid=520&imhei=160)
【スピコン端子】
プロ用機器に使われるパワーアンプとパッシブスピーカーを接続する専用のロック付き端子です。差し込んだあと、右に回してロックします。
![](/files/pa_beginners_cable_ph06_5247fa07825593dee89dff48af6e0b52.jpg?impolicy=resize&imwid=416&imhei=160)
【スピーカー専用フォーンケーブル】
一般的な標準フォーンケーブルは1芯のシールドケーブルですが、パッシブスピーカーに使用する場合は2芯のシールドされていないスピーカー専用ケーブルを使用します。
※フォーンケーブルは、パッシブスピーカー専用のケーブル/端子と、その他のフォーンケーブルのケーブル/端子とで外観が同じですので、間違って使用しないように注意しましょう。
![](/files/pa_beginners_cable_ph19_6dbf641e14f766e48ebeea61e4cbf149.jpg?impolicy=resize&imwid=416&imhei=160)
【先バラケーブル】
ホームオーディオなどでも 一般的につかわれるスピーカーケーブルです。通常+とーで色分けがされています。逆に接続すると位相が逆になってしまうのでパワーアンプとパッシブスピーカーのプラスマイナスが合致するように接続をしましょう。