自選曲における編曲について
第8回 ヤマハ ジュニア ピアノコンクール
自選曲における編曲についてグランドファイナルD部門課題編曲も一部対象
ご注意ください!たとえ1小節でも1音でも意図的に省略した場合は、「編曲」に該当します
編曲演奏に関する著作権を理解していただくために、ご一読ください。
「著作権」とは著作物を“複製・翻訳・放送・上演等”の方法により利用することに関する独占的な権利であり、著作権法はこれらの権利を著作者が専有することを規定しています。音楽の場合、著作権者(=楽曲の著作権を所有している作曲者・音楽出版社など)以外の者が著作権保護期間中の楽曲を演奏することは「他人の持ち物を利用させてもらう」ことであり、利用の形態(例えば、“管弦楽曲のピアノ編曲”のように、原曲とは違う形に編曲するケース)によっては、著作権者(=その楽曲の持ち主)の了承を得られない場合や、特別な手続きを必要とする場合があります。
もちろん、「原曲とは違う形に編曲することが認められない作品」を編曲してコンクールの自選曲にすることはできません。また、「ピアノ用に編曲するために編曲許可申請が必要な作品」を編曲して演奏する場合は、出場者ご本人の責任で編曲許可申請手続きを行ってください。
尚、コンクール参加申込~当日までの期間中に、演奏曲が「編曲が許可されない作品であると判明」したり「編曲許可申請の不備が判明」した場合、その時点で出場を辞退していただくことになります。
楽曲の「編曲」について
著作権保護期間中の楽曲を原曲とは違う形に編曲する場合(例えば、原曲が管弦楽曲である作品をピアノ用に編曲する場合)には、「他人の持ち物に手を加える」ことにあたるため、持ち主の了承が必要な(または編曲を認めてもらえない)場合があります。特に、クラシック音楽の近現代作品に「編曲許可を必要とする」あるいは「編曲を認めてもらえない」楽曲が多いようです。日本国内作曲家の作品についても同様です。
編曲については、参加者ご本人の責任で必要な許可手続き等を行ってください。但し、以下の場合は、許可申請は不要です。
- 著作権保護期間が終了している(この状態をP.D.=パブリック・ドメインと言う)楽曲は、編曲のための許可申請不要。
- 著作権保護期間中の楽曲でも、市販のピアノ用の編曲楽譜をそのまま演奏する場合は編曲許可不要。
編曲許可申請について
日本国内の作品(以下、内国曲といいます)の場合、作曲者(著作者)から権利を譲渡された音楽出版社(著作権者)が編曲許可申請の窓口になるケースがほとんどです(申請を受けた出版社は著作者に確認をし、申請者に回答)。外国曲は海外の音楽出版社(オリジナル・パブリッシャー=OP)が管理していますので、“OP”が窓口になりますが、日本国内にその“OP”の下請出版社(サブ・パブリッシャー=SP)が存在する場合は“SP”が窓口になります。
編曲許可申請の際にはまず、「どこに申請をすれば良いか」を知るために、編曲したい楽曲の音楽出版社(もしくはサブ・パブリッシャー=SP)を調べることが必要です。これは通常、一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)のホームページ内作品データベース検索「J-WID」(http://www2.jasrac.or.jp/eJwid/)にて調べることができます(外国曲は外国資料部で教えてもらうこともできます。(※))。
後述「管理出版社の調べ方」の要領で検索し申請先がわかりましたら、連絡し指示に従って申請等を行ってください。
- ※JASRACは「楽曲を管理している出版社(OP又はSP)がどこなのか」の紹介はしてくれますが、「編曲しても良いかどうか」の判断はあくまでも出版社(あるいは著作者)が行うもので、JASRACの権限外の問題です。JASRACが許可する権限を持っているのは「演奏して良いかどうか」であって「編曲して良いかどうか」ではありません。しばしば「JASRACから“演奏してOKです”と言われました」という声を耳にしますが、これは「その曲を管理している音楽出版社が“編曲”をOKしているのなら“演奏”しても良いですよ」という意味であるとお考えください。
管理出版社の調べ方
J-WID上ではOPは「出版者」SPは「サブ出版」と表示されています
- JASRACホームページ内作品検索サービス「J-WID(http://www2.jasrac.or.jp/eJwid/)にアクセスします。
- JASRAC作品検索サービス「J-WID」使用上の注意点を確認し、了承をクリックして検索画面へ進みます。
- 上段にある「作品データ表記基準」を参照の上、作品タイトルや著作権者名を入力して検索ボタンをクリックします。
- 表示された検索結果一覧(作品)の中から該当する作品名を選択すると、作品の詳細が以下のように表示されます。
作品データベース検索
内国曲の参考例
外国曲の参考例
- 「演奏=」欄が空欄の出版社=(外国曲の場合はサブ出版社のすべて)に申請(問い合わせ)ください。
但し、内国曲の場合で、出版社が複数ある場合は、上段の出版社に申請(問い合わせ)ください。 - 管理出版社への申請(問い合わせ)にあたっては、以下の項目を伝えてください。
- 「」作品コード
- 「」作品名(外国曲の場合はできる限り原曲名)
管理出版社へのお問い合わせにあたって
ピアノでの演奏を目的とした編曲が可能かどうかを問い合わせる際は、「演奏する」ことに対しての許可ではなく「編曲する」ことに関する許可の問い合わせとなることをご注意ください。管理出版社およびサブ・パブリッシャーが複数に渡る場合は、すべての出版社の許可が必要となります。
具体的には、次のようにお問い合わせいただくと出版社側にもわかりやすいと思われます。
問い合わせ先の出版社で権利を管理している「作品コード○○○○」「作品名○○○○」という曲を「ピアノコンクールで演奏したい」、「ピアノで演奏するので、結果として編曲することになってしまう」がよいかどうか確認したい。
- ※メドレーで使用する場合はその旨も申告する
- その結果
- → OKが出た場合は、そのままその楽曲を編曲して構いません。
- → 「編曲許可申請手続きが必要」と言われた場合は、その出版社の指示に従って所定の手続きを行ってください。
- → 「編曲は不可」との結果が出た場合は、その楽曲はピアノでの演奏を目的とした編曲はできません。
留意点
- 編曲許可申請は出場者ご本人の責任において行ってください。
- 申請時に手数料の支払い、編曲楽譜の提出等を求められる場合があります。
- 申請~回答まで数週間~数か月かかる場合もあります。また、必ずしも許可が取れるとは限りません。
- 編曲許可が取れた場合、許可料の支払いを求められる場合があります。
- 外国曲で日本国内にSPが存在しない場合は、海外のOPに直接連絡をとることになります。
- 外国曲、内国曲に関わらず管理出版社(OP又はSP)が存在しない楽曲については、作曲者本人やその遺族に直接連絡をとることになります。但し、いずれも手続きは非常に困難だと思われます。
- 許可申請手数料、編曲許可料等の費用は、出場者ご本人がご負担ください。
- ※主な外国作品 管理出版社(者)連絡先についてはJASRACのホームページ(http://www.jasrac.or.jp/info/forein.html)をご確認ください。
- ※JASRACのホームページに記載のない管理出版社については、Webサイト等で各自お調べください。
- ※お問い合わせは必ず楽曲の管理出版社をお調べのうえ、そちらにお問い合わせください。楽譜集などをご覧の場合、楽譜集の出版社と楽曲の管理出版社は大半が異なりますので、その楽譜集の出版元(発売元、販売元)へのお問い合わせはされないようにご注意願います。
楽曲演奏使用について
著作権保護期間中の楽曲に関わる著作権使用料には、「編曲許可にかかる料金」と「楽曲演奏使用にかかる料金」の2種類があります。
ヤマハジュニアピアノコンクールでは、この楽曲演奏使用に関するJASRACへの届出・使用料の支払いは、主催者が行っていますので、参加者ご本人にしていただく手続き等はありません。
Webサイトは準備中です(10月下旬頃リニューアル予定)。今しばらくお待ちください。
第7回ヤマハジュニアピアノコンクールの要項(PDF版)は、トップページよりダウンロードできます。