名曲について知る
現在クラシック音楽というと、時代的には17世紀から20世紀までの音楽を指すことが一般的です。音楽史的にいうと、バロック音楽から現代音楽にいたるおよそ400年間です。その長大な時間の中から名曲を選りすぐってご紹介します。ここで紹介される名曲は人類の叡智が生みだした最大の文化遺産であり、まさに宝の山のような作品群です。
監修と解説は、音楽評論家の安田和信氏です。
監修と解説は、音楽評論家の安田和信氏です。
バロック時代の名曲
音楽史におけるバロック時代は一般的には1600年頃から1750年頃までの時期を指しますが、現在において人気のある作曲家は18世紀前半、つまり、バロック時代の後期に活躍した3人でしょう。アントーニオ・ヴィヴァルディ、ヨハン・セバスティアン・バッハ、ジョージ・フレデリク・ヘンデルです。
古典派の名曲
音楽史における古典派時代に活躍した作曲家のなかで、現在においても有名な人はハイドンとモーツァルトの二人です。この二人と次の世代のベートーヴェンは、ウィーンを主な活動の場としたために、彼らのことを「ウィーン古典派」と総称することもあります。
ベートーヴェンの名曲
彼の時代は、折しもフランス革命の勃発やナポレオンの活躍に象徴されるように、市民階級が社会的にも、経済的にも力をつけ始めた時代でもあります。ベートーヴェン自身も、貴族のお抱え音楽家ではなく、自立した音楽家として活動していました。
古典派から初期ロマン派にかけての名曲
この時代を代表する作曲家はハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、そしてシューベルトですが、ここではこの4人以外の作曲家の作品を取り上げます。この時代は音楽を受容する層が貴族たちだけでなく、都市の市民たちにも飛躍的に広がり始めた時期で、それと同時に音楽家たちの社会的な地位も徐々に向上していきました。
ロマン派の名曲(1)
今回はシューベルトとメンデルスゾーンの作品を取り上げたいと思います。対照的な性格をもつ二人ですが、19世紀前半の作曲家のなかでも幼い頃から才能を発揮した天才という点で共通しています。
ロマン派の名曲(2)
今回はシューマン、ショパン、リストの名曲をご紹介したいと思います。同じ世代に属する3人はいずれもピアノの名手として知られ(シューマンは指を傷めたためにピアニストとしては大成できませんでしたが)、作曲家としても名声を博しました。
ロマン派の名曲(3)
今回は「ロマン派の名曲」の第1回、第2回で取り上げられなかった、19世紀前半の作品をまず2曲、ご紹介したいと思います。そして「後期ロマン派の名曲」ではご紹介できない作曲家の作品も3曲取り上げています。
後期ロマン派の名曲(1)
今回はワーグナー、ブルックナーの作品を取り上げたいと思います。ワーグナーはオペラの分野、ブルックナーは交響曲で活躍しました。異なる分野に取り組んでいた二人ですが、新しい響き、新しい作曲法を求めたという点でこの両者は一致していると言えるでしょう。
後期ロマン派の名曲(2)
今回はヨハネス・ブラームス、グスタフ・マーラー、そしてリヒャルト・シュトラウスの作品をご紹介します。マーラーとシュトラウスは20世紀に入ってからも活躍を続けた作曲家ですが、便宜的に今回に含みます。
国民楽派の名曲
今回はチェコのベトジフ・スメタナ、アントニーン・ドヴォルザーク、ロシアのピョートル・イリイチ・チャイコフスキー、モデスト・ムソルグスキーの作品をご紹介します。19世紀のヨーロッパではそれまでの音楽史においては「辺境」としか扱われていなかった国・地域から、独自の個性をもつ作曲家たちが続々と名乗りを挙げるようになったのです。
20世紀の名曲
この時代には、19世紀に極限まで発展していた調性に基づく音楽に代わる、全く新しい様式がたくさん生み出されました。一つの時代にいくつもの様式が併存するという状況は、20世紀らしいものと言うことができるでしょう。
オペラの名曲
1600年頃、イタリアに生まれたオペラは19世紀に最盛期を迎えました。オペラの中心として君臨したのはイタリアでした。19世紀にはロッシーニ、ベッリーニ、ドニゼッティ、ヴェルディ、プッチーニなど、現代のオペラ劇場にも欠かすことのできない作品を残したオペラ作家たちが次々に現れ、まさに黄金時代を形成していたのです。
番外編 その他の名曲
今回は番外編として、これまでご紹介できなかった作曲家の作品から5曲を取り上げたいと思います。クラシック音楽には、他にもたくさんの名曲が長い歴史のなかで生まれてきました。