<< ピアニストコラムTOP

ピアニスト 阪田 知樹 ピアノとともに〜カプリッチョ見聞録〜

2013年 第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール最年少入賞者の阪田知樹が、留学先のドイツでの奮闘記をお送りします。
※カプリッチョとは、イタリア語で「気まぐれ」という意味です。

(毎月1日、15日頃更新。※更新日は、都合により前後する場合がございます。)
コラムIndex 続きを読む

pianist 阪田 知樹

pianist 阪田 知樹
1993年生まれ。5歳半よりピアノを始める。 第61回 全日本学生音楽コンクール 全国大会 中学校の部 第2位。 第9回ショパン国際ピアノコンクールin ASIA 中学生部門 アジア大会 銀賞。 2009アジア国際音楽コンクール 最優秀賞、及びピアノ部門 高校生の部 第1位。 第4回福田靖子賞選考会 第1位 福田靖子賞受賞。 第9回フランツ・リスト国際ピアノコンクール セミファイナリスト。
第35回ピティナ・ピアノコンペティション 特級グランプリ、及び聴衆賞、併せて文部科学大臣賞、読売新聞社賞、王子ホール賞、東京シティ・フィル賞受賞。
第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール 最年少入賞(4-6位)。 タマーシュ・ヴァーシャリ氏の推薦により「プラハ・ミュージック・パフォーマンス」に参加、イヴァン・モラヴェッツ賞受賞。 ニコライ・ペトロフ氏に招かれ第12回クレムリン音楽祭、第39回ヤナーチェク国際音楽祭等、国際音楽祭多数出演。ジュネーヴ、ルガーノ、パリ、プラハ、東京、横浜にてリサイタル開催。NHK-FM、FM横浜、ロシア国営テレビ、RSIスイス・イタリア語ラジオ放送局、RTSスイス・ロマンド・ラジオテレビ放送局において、演奏録音、及び、放送される。
藤原浜雄、堀了介の両氏とピアノ三重奏を、ブレンターノ四重奏団、原田幸一郎、池田菊衛、磯村和英、毛利伯郎の各氏とピアノ五重奏を共演。矢崎彦太郎、レナード・スラットキン、ウラディーミル・ヴァーレック等の諸氏指揮の下、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団、チェコ国立交響楽団、フォートワース交響楽団他と共演。
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校卒業後、東京藝術大学音楽学部器楽科を経て、2014年10月よりハノーファー音楽大学に留学中。「コモ湖国際ピアノアカデミー」に於いても研鑽を積む。ピアノを西川秀人、渡辺健二、パウル・バドゥラ=スコダの各氏に師事。音楽理論・作曲を高橋千佳子、永冨正之、松本日之春の各氏に師事。2011年度ヤマハ音楽奨学生。第43回江副記念財団奨学生。


No.9冬景色

2015.02.13更新

ほんの数日前に演奏会などを終えて、日本から戻ってきたばかりです!
東京も多くの地域で雪が降ったと聞きました。
こちらドイツでも雪がちらほら舞う中、
どんよりとした雲が居座って、すっかり太陽はいじけてしまったようです。
寒いけど、あまり雪は積もらないハノーファーの冬と聞いていましたが、
今日は既に積もっています!

以前オランダで知り合ったある先生が仰っていたのをふと思い出しました。
「トモキ、ドイツの冬を知ってるかい?本当に寒くて暗いんだ。
ドイツ人にとって『春』というものは特別だ、長くて厳しい冬を乗り越えた後なんだから!」

初めて年明け早々のパリに滞在した時には、まだ真っ暗な部屋で朝食をとった後、外に出ると、凍りついた道の上を縦横無尽に吹き荒ぶ冷たい風に圧倒され、芯から冷たい冬を感じたものでした。ドビュッシーの前奏曲集第1巻の「西風の見たもの」に度々現れる、鍵盤上を駆け巡っては、あの突き刺すような音響は此処からやってきたものなのか、とぼんやりと思った記憶も蘇ってきています。

音楽が生まれた環境に実際に触れてみること自体に、大きな意味があるかと言われると、
実のところ、わからないけれど、興味の一端として辿ることには、なるほど価値があるのではないだろうか等と感じるこの頃なのです。何だか今、冬の寒さにしみじみと感性が豊かになっております。。。

先月、自身初となるソロCDアルバム・レコーディングに臨みました!
三日間に及ぶレコーディングは敬愛して止まない作品のみ収録曲とさせて頂くことができたので、至福の時間であったと同時に、その偉大なる傑作群に否応なく真っ向から向き合わさせられる時間でもあったわけであり、どこか不思議な異次元体験のようでした。

新しい事柄への挑戦はいつも楽しみも付き物で、それが私のような楽しい事好きな人間の挑戦意欲を駆り立てるのだろうと改めて感じたわけでして。。。
初日に会場入りした際に、狂喜した(笑)のは、控え室のモニターに映し出された、いつもと全く異なる様相を呈していた舞台でした!

青い舞台 神秘的!

その青白く怪しげに光る舞台を目の前にして、レコーディング開始直前に読んでいた、スクリャービンの「神秘構想」を想起した私は、「ここでスクリャービンの作品を演奏したらどんなに素晴らしいだろう」と感激し、一人イマジネーションを膨らませていたのです!
そして、その青いステージを堪能しようと喜び勇んで舞台に飛び出たところ、、、「えっ?!」その舞台実はモニターで「のみ」(?!)青く映っていた現実を知り、少々落胆したのはここだけの話。(笑)

光がさして来ました。
いくら冬とはいえ、太陽もその座をおちおち雲には譲っていられないようですね。
「ハノーファー初の雪景色」これを書き終えたら、写真撮影の予定だったのですが、、、
何と一瞬の日差しに、あっという間にはらはらと屋根の雪も溶け落ち、携帯を取り出した時には残念。既に雨に変わってしまってました。。。撮影失敗。。。
噂通り、ここはそれほど簡単には積もらないのでしょうか?
ということで、また次回に挑戦します!
さて、今日も『春』に向けて頑張ろう!っと!

  • << 前の記事
  • >> 次の記事
  • 最新の記事

執筆者 Profile

pianist 阪田 知樹

pianist 阪田 知樹
1993年生まれ。5歳半よりピアノを始める。 第61回 全日本学生音楽コンクール 全国大会 中学校の部 第2位。 第9回ショパン国際ピアノコンクールin ASIA 中学生部門 アジア大会 銀賞。 2009アジア国際音楽コンクール 最優秀賞、及びピアノ部門 高校生の部 第1位。 第4回福田靖子賞選考会 第1位 福田靖子賞受賞。 第9回フランツ・リスト国際ピアノコンクール セミファイナリスト。
第35回ピティナ・ピアノコンペティション 特級グランプリ、及び聴衆賞、併せて文部科学大臣賞、読売新聞社賞、王子ホール賞、東京シティ・フィル賞受賞。
第14回ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール 最年少入賞(4-6位)。 タマーシュ・ヴァーシャリ氏の推薦により「プラハ・ミュージック・パフォーマンス」に参加、イヴァン・モラヴェッツ賞受賞。 ニコライ・ペトロフ氏に招かれ第12回クレムリン音楽祭、第39回ヤナーチェク国際音楽祭等、国際音楽祭多数出演。ジュネーヴ、ルガーノ、パリ、プラハ、東京、横浜にてリサイタル開催。NHK-FM、FM横浜、ロシア国営テレビ、RSIスイス・イタリア語ラジオ放送局、RTSスイス・ロマンド・ラジオテレビ放送局において、演奏録音、及び、放送される。
藤原浜雄、堀了介の両氏とピアノ三重奏を、ブレンターノ四重奏団、原田幸一郎、池田菊衛、磯村和英、毛利伯郎の各氏とピアノ五重奏を共演。矢崎彦太郎、レナード・スラットキン、ウラディーミル・ヴァーレック等の諸氏指揮の下、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団、チェコ国立交響楽団、フォートワース交響楽団他と共演。
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校卒業後、東京藝術大学音楽学部器楽科を経て、2014年10月よりハノーファー音楽大学に留学中。「コモ湖国際ピアノアカデミー」に於いても研鑽を積む。ピアノを西川秀人、渡辺健二、パウル・バドゥラ=スコダの各氏に師事。音楽理論・作曲を高橋千佳子、永冨正之、松本日之春の各氏に師事。2011年度ヤマハ音楽奨学生。第43回江副記念財団奨学生。
続きを読む

Twitter公式アカウント