もう一つの強力な武器=LFO

もう一つの強力な武器=LFO

ここまで音の高さ、音量、音色(フィルター)について少し理解が深まったかと思いますが、いずれの場合も時間的な変化を与えることで音の印象はかなり変わります。
ピッチベンドを手動で動かしたときや、エンベロープを使って音量やフィルターの具合を調整することでそのイメージはつかめると思います。

LFOセクション

実はシンセサイザーにはもう一つ時間的に変化を加える強力な武器が搭載されています。それはLFO(エルエフオー)=Low Frequency Oscillatorというもので、シンセサイザーreface CSの場合は真ん中より左にあるLFOセクションの3つのスライダーがそれに当たります。

Oscillator(オシレーター)という言葉がついているのでOSCのオシレーターと混乱してしまいそうですが、基本的な仕組みはほとんど同じく、一定の周期を持った波形が出る装置です。ただしメロディーを奏でるように440Hzとか1kHz(キロヘルツ=1000Hz)といった高い周波数のものでは無く、1Hz(1秒間に1周期)とか4Hzといった音にならないぐらい低い周波数を出すオシレーターです。
このLFOを今まで手動で動かしていたスライダーの動きに使用すると、周期的な音の変化が作成できます。(周期的な動き=同じ変化を繰り返すということです)

いったいどんな音が作れるのか、実際に試していきましょう。

LFOで音高(ピッチ)を動かす

まずは「reface CSの基本形」の状態にしておきます。

鍵盤を弾いて音を出しながら、LFOセクションのASSIGNと書いてあるスライダーを上から2番目のPITCHにします。次に、その右隣にあるDEPTHのスライダーを真ん中より少し上まで上げてみて下さい。
するとどこかのサイレンのような雰囲気の音になり、ピッチが微妙に上下します。
このままさらに右隣のSPEEDのスライダーをほんの少し上げると、ピッチが上下するスピードが速くなり、さらに上げていくとちょっと歪んだような音に変わっていきます。

DEPTHとSPEEDの2本を適当に変化させると、お化けが出てくるときのような音になったり、サイバーな機関銃のような音になったりと様々な音作りが可能になります。

音量(アンプ)や音色(フィルター)の周期的変化

ASSIGNがPITCHの時は、LFOでオシレーターのピッチを変化させるので、上の動画のようなサウンドになるのですが、ASSIGNを変えると、音の変化が変わります。

FILTERにするとカットオフのスライダーを動かしたときと同じ音の変化が得られ、AMPにするとVOLUMEのスライダーを動かした時と同様の音の変化が得られます。

オシレーターの設定にLFOを適用する

もう一つOSCという位置があるのですが、これはOSCセクションのTYPE毎に変化の内容が変わります。TYPEスライダーを一番下にした状態(ノコギリ波を選択している状態)では、PITCHとほぼ同じ効果になります(変化幅等が異なりますが・・・)が、一番上のフリケンシーモジュレーションの位置ではOSCセクションのTEXTUREスライダーの動きを、それ以外ではOSCセクションのMODスライダーの動きを変化させます。
reface CSの5種類のオシレーターTYPEについては後ほど「オシレーターのTYPE、TEXTURE、MODを深掘り」で紹介します。

実際にいろいろな組み合わせでLFOを使ってみると、メロディーやコードを弾くのに使えそうな音から壊滅的な音まで、様々な音が作れることがわかると思います。
シンセサイザーをはじめて触る方にとっては、音の変化が激しく楽しめるポイントだと思いますので、是非いろいろな組み合わせを試してみて下さい。