シンセの醍醐味であるモノモード
シンセの醍醐味であるモノモード
単音だけを鳴らすMONOモード
さて、今回はシンセという楽器の発音について紹介します。
まずはお馴染み「reface CSの基本形」の設定を見てみましょう。
この状態でドミソの鍵盤を同時に弾くと、きちんと3つの音が一緒に出ます。
では、シンセサイザーreface CSの中央部にあるPORTAMENTOと書いてあるスライダーを下から2番目のMONOと書いてある所に合わせてみましょう。
この状態でドミソの鍵盤を同時に弾いてもドかミかソのどれかの音しか出ません。MONO=単音なので、reface CSが単音しか出ない楽器になってしまったのです。どこか損した気分になるかもしれませんが、気を取りなおして次のように弾いてみましょう。
まず真ん中より少し下にあるドの鍵盤を左手で弾きます。
その鍵盤を離さずに右手で一オクターブ上のドを弾いてみましょう。
瞬時に一オクターブ上のドに音が変わります。左手を離さずに右手だけを離すと、また一オクターブ下のドの音に切り替わります。右手で弾く上のドの鍵盤をポンポンと叩くように何度も弾くと、オクターブ間のドの音が素早く切り替わり、ちょっと速弾きをしているような感覚になります。
PORTAMENTOがPOLYの状態では、ずっと左手の音が鳴りっぱなしになってしまうのですが、MONOにするとこのような奏法が簡単にできます。
リードパートの演奏等で単音のメロディを弾く時には、2音以上が同時に鳴ることがないため、補助機能のように使うこともできます。図のように、モノモードの状態で鍵盤を押すとそれまでに鳴っていた音程は(例え鍵盤を押しっぱなしにしていたとしても)切り替わってしまうので、結果的に切れ間なく繋がった単旋律になるという訳です。
ポルタメントの効果
さらにPORTAMENTOのスライダーをMONOの一段上に合わせて弾いてみましょう。
今度はオクターブ間を切り替わる時のピッチの変化がなめらかになり、ちょっと音が柔らかくなったようなイメージで繋がります。
さらにもう一段上に上げるとサイレンのようになめらかにピッチが上下するようになります。
実はこの2音間のピッチの変化をなめらかにする効果をPORTAMENTO(ポルタメント)と呼んでおり、バイオリンで指板を抑えながら指をスライドさせて演奏するときや、トロンボーンで音を出しながらバルブの長さを変えているときと同じような効果が得られます。。
ピッチがスライドする速さをPORTAMENTOのスライダーで調整できるので、鍵盤を弾きながら速さを上手にコントロールすると、バイオリン風の演奏やトロンボーン風の演奏も可能になります。