PAお役立ち情報 其の19 ネットワークスイッチ「SWPシリーズ」の2重化接続について

今回は、ネットワークスイッチ「SWPシリーズ」の2重化接続についてをご紹介いたします。

SWPシリーズ同士の2重化接続ってどうすればいいの?

Danteネットワークを構築するにあたって、重要なことの一つに「ネットワークの2重化」が挙げられます。DanteはPrimaryとSecondaryの独立した二つのネットワークを構築することでシステムの2重化が可能です。しかし、長距離配線になることが多いネットワークスイッチ間の接続がPrimaryとSecondaryだけでは心配な場合もありますし、なかにはPrimaryだけで運用されているケースもあるでしょう。ヤマハのSWPシリーズにはそういった場面でネットワークスイッチ間の物理接続を2重化できる機能が備わっており、Danteの2重化接続と組み合わせて、より強固なシステム構築が可能です。

今回はSWPシリーズ間を2重化接続する時に使用できる二つの機能と、その設定方法についてご紹介します。

リンクアグリゲーション

リンクアグリゲーションとは複数の物理的な接続を論理的に1本の接続として束ねることができる機能です。

この機能を使ってネットワークスイッチ間を2本のケーブルで接続した場合、片方のケーブルが抜けてしまったり断線してしまったなど、何らかの理由で接続が失われても残っているもう一方のケーブルで通信が行える、というスイッチ間の2重化を可能にします。

SWPシリーズのConfigをDanteモードで起動し、VLAN PresetをAかBにしたときに、特定のLANポートもしくは光端子でこのリンクアグリゲーションが有効になります。

ConfigとVLAN PresetはSWPシリーズの前面にあるディップスイッチで変更が可能です。

Presetを変更したときの各ポートの設定状況は各シリーズの取扱説明書に記載があります。本メールの最後に各シリーズの製品ページへのリンク先を記載していますのでご確認ください。

スパニングツリープロトコル(STP)

SWPシリーズ間の2重化接続として、ネットワークスイッチをリング状に接続にし、どの物理経路の断線に対しても通信を途絶えさせないリングトポロジーという方式があります。しかし、ネットワークスイッチをリング状に接続するとデータが永続的にループすることによって通信が破綻してしまいますので、スパニングツリープロトコルを利用することでループを防ぐことが可能です。スパニングツリープロトコルを利用してネットワークスイッチ間をリングトポロジーで構成すれば、接続の2重化ができます。

スパニングツリープロトコルはSWPシリーズではデフォルトでOFFになっています。

この機能を使用する場合は、SWPシリーズのConfigをUserモードで起動し、Web GUI、もしくはコマンドラインインターフェース(CLI)を使用して設定を行います。

ConfigをDanteモードで起動して設定を変更した際は、一時的に変更は反映されますが再起動した際に元のPresetに戻ってしまいますのでご注意ください。元のPresetへ戻らないようにするにはUserモードをご使用ください。

これでもっと安全なDanteシステムを組める!

以下、SWPシリーズの製品ページへのリンクです。

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