Better Sound for Commercial Installations

Part 3: Mixers and Processors

音響システムのデジタル化によって便利になったポイントに、ミキシングの補助機能があります。これらの機能を活用すれば、BGM放送や、専任のオペレーターが常駐しないスピーチ主体のイベントにおいて、現場スタッフの手間を最小限に抑えながら音響システムを運用できるようになります。

Marching Keyboards

ここではヤマハのデジタルインストレーションミキサーIMX644、デジタルミキシングエンジンDMEシリーズに搭載されている機能の中から、商業施設の運営に便利な機能をいくつかご紹介しましょう。あなたの施設のお役に立つ機能がきっと見つかると思います。

プライオリティダッカー - BGMの減衰の自動化 (IMX644に搭載)

Marching Keyboards

スピーチの始まりおよび終わりに合わせて、自動的にBGMの音量を小さくしたり元に戻したりする機能です。プライオリティダッカーを起動させておけば、BGMのボリューム調整のためにミキサーを操作する必要がなく、話者は自由に話し始めたり話し終えることができます。基本的に常にBGMを流していて、途中でスピーチやアナウンスが入るバンケットルームや飲食店、ショッピングセンターなどに便利です。

ミュージックオーバーライド - 音楽の自動切り換え (IMX644に搭載)

Marching Keyboards

指定したチャンネルのステレオ信号(音楽など)が流れたときに、BGMなどの通常放送を自動的にフェードアウトする機能です。アミューズメント施設およびバンケットルームや飲食店などにおける音楽を使った演出に活用できます。場を盛り上げるファンファーレや、パーティーの趣旨に合わせた音楽を効果的に使うことで、時に楽しく、時に感動的な演出が実現できるかも知れません。施設の演出ツール補強に、ミュージックオーバーライド機能の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

図:例えば前触れもなくBGMがバースディーソングに切り換わって、フロアのみんなで誕生日のお祝い・・・

ミュージックオーバーライドは、さまざまな演出に 活用できます

アンビエントノイズ補正 - 環境騒音に合わせた音量調整の自動化 (DMEシリーズに搭載)

Marching Keyboards

ショッピングセンターや駅などの公共空間では、曜日や時間帯によって人の出入り量が変動し、話し声や人の足音などから発生する騒音量も変動します。

したがって、ずっと同じ音量で拡声をしていると、騒音にかき消されて拡声音が聞き取りづらかったり、逆に周囲が静かで拡声音がうるさ過ぎたり、ということが発生します。しかし、人の出入り量を考慮しながら音量を都度調整するのは非常に手間がかかります。

このような場合、アンビエントノイズ補正機能が便利です。この機能は、空間の騒音量をマイクロホンで検出し、それに応じて拡声音量を自動的に調整してくれます。

アンビエントノイズ補正機能を活用すれば、このような手間がなくなります。

オートゲインコントロール - 話者の声量調整を自動化 (DMEシリーズに搭載)

Marching Keyboards

アナウンス放送や遠隔会議など離れた拠点からマイクロホンを介して拡声をおこなう場合、声量やマイクロホンと口元の距離の違いにより、そのまま拡声すると話者によって音量がばらついてしまいます。これではうるさ過ぎたり、逆に聞き取りづらかったりして聴取者に大きなストレスを与えますし、遠隔会議では議事の進行を妨げることにもなりかねません。

しかしながら話者が変わるたびに音量を調整するのは手間のかかる作業です。このようなシーンで活用すると便利なのがオートゲインコントロールです。話者による音量のばらつきを自動的に調整し、拡声音量を一定に保ちます。

ここでご紹介した以外にも便利な機能がありますから、システム検討時には「デジタルによるミキシングの補助機能」の活用を視野に入れてみてはいかがでしょうか。

さて、次もデジタルによるメリットのお話です。音響システムを外部機器と連携させることで、さらに使いやすくなります。