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梅村知世の「ベルリン便り ~色とりどりの日々~」

第34回ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、第17回ロベルト・シューマン国際コンクール(ドイツ)にて最高位を受賞など輝かしい成績を収めた梅村知世が、さらなる研鑽を積むために留学中のドイツから日々の出来事やピアノへの想いなどを書き綴ります。

(毎月1日、15日頃更新。※更新日は、都合により前後する場合がございます。)
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pianist 梅村知世

pianist 梅村知世
1988年岡山県出身。4歳からヤマハ音楽教室にてピアノを始め、ジュニア専門コース、同上級科、ヤマハ演奏研究コースを修了。東京藝術大学を首席で卒業。同大学院修士課程修了。在学中に大学内でアリアドネムジカ賞を受賞。卒業時にアカンサス音楽賞、安宅賞、大賀典雄賞、同声会賞、三菱地所賞を受賞。文化庁新進芸術家海外研修生として渡独、現在は財団法人ローム・ミュージックファンデーション奨学生として、ベルリン芸術大学にてクラウス・ヘルヴィッヒの下で研鑽を積んでいる。 第78回日本音楽コンクール入選。第34回ピティナ・ピアノコンペティション、特級 全国決勝大会 グランプリ及び聴衆賞を受賞。第14回ピネローロ市国際コンクール(イタリア)にて第4位。第10回東京音楽コンクール第3位。第20回シュナーベルコンクール(ベルリン)第2位、第17回ロベルト・シューマン国際コンクール(ドイツ)にて最高位を受賞など国内外のコンクールで活躍をしている。第12回岡山芸術文化賞グランプリ受賞。
2018年度福武文化奨励賞を受賞。日本全国各地・ドイツ、ポーランド、アメリカ、オーストリア等でも音楽祭やリサイタルに出演。東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、藝大フィルハーモニア、岡山フィルハーモニック管弦楽団、プラウエン-ツヴィッカウフィルハーモニーオーケストラ(ドイツ)などとオーケストラとも多数共演をしている。オクタヴィア・レコードよりデビューCD「シューマン」、、セカンドアルバム「シューマンVol.2」(2019年8月発売開始)をリリースしている。
これまでに、ピアノを内山優子、津田恵子、北島公彦、クラウディオ・ソアレス、ガブリエル・タッキーノ、伊藤恵、ピアノデュオを角野裕、室内楽を藤森亮一、鈴木理恵子、松本和将、伊藤恵各氏に師事。



※上記は2021年7月28日に掲載した情報です。

No.21Schumann Zyklus(シューマンチクルス)

2019.04.10更新

 春の麗らかな温かな空気となってきましたね!ヨーロッパもサマータイムも始まりぐんと日が長くなり、一気に春の陽気となっています。そんな私は今フィンランドのヘルシンキにいます。ベルリンからの乗り継ぎで5時間ほど(!)過ごしております!

 さてまもなく4月14日にクララ・シューマンの生誕200周年を記念した「シューマン・チクルス」が始まります。YAMAHAの銀座コンサートサロンで開催されるこのコンサートへの想いを今回コラムに書きたいと思います。
 このチクルスは第3回に渡り開催されますが、まず第1回目はヴァイオリン(石原悠企さん)とのデュオ、第2回目(2019年8月3日)はバリトン(深瀬廉さん)とリートの世界、第3回目(2020年4月12日)はトリオ(ヴァイオリンの石原さん、チェロの佐藤晴真さん)で構成されています。ベルリンで学んでいる新進気鋭の音楽家達と一緒に演奏できることを心から楽しみにしています。どの回もそれぞれの世界観が有り、充実のプログラムが繰り広げられるので、皆様是非この機会にお越し下さいませ!
 

ドイツではマルクの紙幣にもなる程に偉大な女流ピアニストとしてクララ・シューマン。※画像はインターネットから引用しています。

 そんな彼女の生い立ちを早足で(笑)少しご紹介したいと思います。クララは今から200年前の1819年9月13日にライプツィヒで生まれました。ピアノ教師だった父・フリードリヒ・ヴィークの手ほどきでクララはピアニストとしての才能を開花させ、9歳でコンサートデビューを機にヨーロッパ各地での演奏会を次々と大成功に収めていました。10歳の頃には、当時ライプツィヒで法学を学び、そしてヴィークの弟子としてピアノも学んでいたロベルト・シューマンと出会い恋に落ちます。父・ヴィークの結婚の反対の苦難の道の後の幸せな結婚生活の中では8人の子どもに恵まれ、母としてピアニストとしてそしてロベルトを支える夫として生涯を過ごしました。

私が一番最初に出会ったのはこの本でした。図書館で何十回も借りて読んでいたのがとても懐かしいです。気づけばこの頃から憧れだったのかもしれません。

 クララの作品はなかなか演奏される機会は多くは有りませんが、特にこの3回で演奏される作品はとても素晴らしい作品です。彼女の作品からピアニストとして偉大だったこと、ロベルトとの関係性…様々なことが見えてきてとても興味深く感じています。 

先日のベルリンで第1回公演の様子です。

 第1回はロベルトのロマンス Op.94、ヴァイオリンとピアノの為のソナタ第1番 Op.105、第2番 Op.121、そしてクララのロマンス Op.22を演奏します。2人のロマンスはまるで短編小説を読んでいるかのような愛に溢れる美しい作品です。そしてソナタは2作品ともロベルトの晩年の作品となります。時に猛烈に激しく、そして天国が見えたり、時に混沌としたり・・・一言では表すこと難しいほどに様々な表情が現れます。一度にこの作品を同時に聞くことはなかなか珍しいのではないでしょうか。是非会場にてお楽しみいただけたら幸いです! 

日時:4月14日(日)13時半開場・14時開演
会場:YAMAHA銀座コンサートサロン
ヴァイオリン/石原悠企
ロベルト・シューマン:3つのロマンス op.94
ロベルト・シューマン:ヴァイオリンソナタ 第1番 イ短調 op.105
クララ・シューマン:3つのロマンス op.22
ロベルト・シューマン:ヴァイオリンソナタ 第2番 ニ短調 op.121
全席自由:3500円
お問い合わせ:ヤマハミュージックジャパン 03-3572-3426(10時~18時45分 土日祝日除く)
▶公演詳細はこちら

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pianist 梅村知世
1988年岡山県出身。4歳からヤマハ音楽教室にてピアノを始め、ジュニア専門コース、同上級科、ヤマハ演奏研究コースを修了。東京藝術大学を首席で卒業。同大学院修士課程修了。在学中に大学内でアリアドネムジカ賞を受賞。卒業時にアカンサス音楽賞、安宅賞、大賀典雄賞、同声会賞、三菱地所賞を受賞。文化庁新進芸術家海外研修生として渡独、現在は財団法人ローム・ミュージックファンデーション奨学生として、ベルリン芸術大学にてクラウス・ヘルヴィッヒの下で研鑽を積んでいる。 第78回日本音楽コンクール入選。第34回ピティナ・ピアノコンペティション、特級 全国決勝大会 グランプリ及び聴衆賞を受賞。第14回ピネローロ市国際コンクール(イタリア)にて第4位。第10回東京音楽コンクール第3位。第20回シュナーベルコンクール(ベルリン)第2位、第17回ロベルト・シューマン国際コンクール(ドイツ)にて最高位を受賞など国内外のコンクールで活躍をしている。第12回岡山芸術文化賞グランプリ受賞。
2018年度福武文化奨励賞を受賞。日本全国各地・ドイツ、ポーランド、アメリカ、オーストリア等でも音楽祭やリサイタルに出演。東京交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団、藝大フィルハーモニア、岡山フィルハーモニック管弦楽団、プラウエン-ツヴィッカウフィルハーモニーオーケストラ(ドイツ)などとオーケストラとも多数共演をしている。オクタヴィア・レコードよりデビューCD「シューマン」、、セカンドアルバム「シューマンVol.2」(2019年8月発売開始)をリリースしている。
これまでに、ピアノを内山優子、津田恵子、北島公彦、クラウディオ・ソアレス、ガブリエル・タッキーノ、伊藤恵、ピアノデュオを角野裕、室内楽を藤森亮一、鈴木理恵子、松本和将、伊藤恵各氏に師事。

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※上記は2021年7月28日に掲載した情報です。

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