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ボーカルとフリューゲルホルンで描かれる魅力的なTOKUの世界。ジャンルの枠を超えた多彩なアーティストとのコラボも楽しめるベスト盤を発表!
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2022.9.15
日本を代表するボーカリスト&フリューゲルホルンプレイヤー、TOKU。アルバム『Everything She Said』で2000年にデビューすると、柔らかくまろやかなフリューゲルの音色と甘いボーカルが、アジア各国や海外からも注目を集めた。デビューから20年の時を経てさらに深みを増した彼が発表した、自身初のベストアルバム『BESTOKU(ベストク)』に込めた想いについて聞いた。
初のヨーロッパ録音によって2020年にリリースされた『TOKU in PARIS』のアルバム・ツアーは、ヨーロッパ各地でソールド・アウトに。ボーカルとフリューゲルとが一体化するように、吹くように歌い、歌うように吹くTOKUならではのスタイルは、年月を重ねるごとにその魅力を深化させている。
そんなTOKUが2022年にアーティスト活動20周年を迎えた。これを機に、20年間に発表した全14作のアルバムから32曲を厳選し2枚組のベストアルバム『BESTOKU』をリリース。多彩なコラボレーションやジャンルの枠を超えた楽曲はどのようにして生まれたのだろう。
「20年はあっという間だった」と語るTOKU。「デビューした当時は、アーティストとしてもっと吸収しなくてはいけないことがたくさんあると思っていた」と振り返る。
「自分のライブがないときは、あちこちのライブに出かけたり、海外の著名アーティストの演奏を聴いたり、知り合いのミュージシャンのライブに飛び入り演奏したり。そんなことをがむしゃらにやってましたね」
ジャズクラブやライブハウス、そしてクラブ……。毎日、毎夜、どこかで誰かが必ず演奏していたという。そこでの出会いが新たな出会いを生み、多様なコラボレーションの形が生まれていく。このベストアルバムにも、ロン・カーター、EXILE ATSUSHI、Zeebra、SUGIZO、ゴスペラーズ、シシド・カフカ、別所哲也といった多彩なゲストとのコラボレーションが並んでいる。
「いろんなジャンルの人たちとコラボレーションして形にしてきた、自分のアーティスト像というものが見えるアルバムにしたいと思いました。“その人だけのもの”をもっている人とのコラボレーションに意味があると思いますし、そういうコラボレーションは本当に楽しいです。プレイヤーとしてアルバムに参加したコラボも含めれば、今回のベスト盤に入れたのも一部なんですけどね」
ジャンルにも何にもとらわれないコラボレーションからあふれるのは、アーティスト同士がリスペクトし合って生まれる新たな創作のエネルギー。思うように人と会えない時期だからこそ、人と人とが作用し合う音楽のパワーが、全身に染みわたる。
さらに、フランク・シナトラをカバーした『New york New york』、CFタイアップ曲『Doremi』、10周年記念アルバムからのスティービー・ワンダー『Part time lover』など、聴きどころ、楽しみどころが満載。32曲は、どのようにチョイスされたのだろう。
「まず、14枚すべてのアルバムから選ぼうと思いました。また、これまでいろいろなタイアップもしてきたので、そのときにできたオリジナル曲やコラボレーションも入れたいなと思いました。それと自分のオリジナル楽曲も含めて、といろんな思いがあって、1枚じゃ足りないなとなったんです」
その32曲には、「ジャズという音楽が多種多様であることを知ってもらいたい」というTOKUのメッセージが込められている。
「ジャズは決して難しいものではありません。デビューした頃から、そういうジャズのイメージを払拭したいというのがずっとあって、それを改めてお伝えしたいと思います」
どこかノスタルジックで心地よい響きのなかにも、ときに刺激的に、いろいろな景色や色彩を感じさせる『BESTOKU』。ジャズファンはもちろん、ロック、ポップス、そしてクラシックファンも、ジャンルの枠を超えて楽しめるベスト盤だ。
発売元:ソニーミュージック
発売日:2022年8月24日
価格:4,000円(税込)
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文/ 芹澤一美
photo/ 坂本ようこ
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tagged: インタビュー, TOKU, フリューゲルホルン
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