Web音遊人(みゅーじん)

BESTOKU

ボーカルとフリューゲルホルンで描かれる魅力的なTOKUの世界。ジャンルの枠を超えた多彩なアーティストとのコラボも楽しめるベスト盤を発表!

日本を代表するボーカリスト&フリューゲルホルンプレイヤー、TOKU。アルバム『Everything She Said』で2000年にデビューすると、柔らかくまろやかなフリューゲルの音色と甘いボーカルが、アジア各国や海外からも注目を集めた。デビューから20年の時を経てさらに深みを増した彼が発表した、自身初のベストアルバム『BESTOKU(ベストク)』に込めた想いについて聞いた。

吹いて歌うスタイルを貫くアーティスト

初のヨーロッパ録音によって2020年にリリースされた『TOKU in PARIS』のアルバム・ツアーは、ヨーロッパ各地でソールド・アウトに。ボーカルとフリューゲルとが一体化するように、吹くように歌い、歌うように吹くTOKUならではのスタイルは、年月を重ねるごとにその魅力を深化させている。
そんなTOKUが2022年にアーティスト活動20周年を迎えた。これを機に、20年間に発表した全14作のアルバムから32曲を厳選し2枚組のベストアルバム『BESTOKU』をリリース。多彩なコラボレーションやジャンルの枠を超えた楽曲はどのようにして生まれたのだろう。

出会いから生まれた多彩なコラボレーション

「20年はあっという間だった」と語るTOKU。「デビューした当時は、アーティストとしてもっと吸収しなくてはいけないことがたくさんあると思っていた」と振り返る。
「自分のライブがないときは、あちこちのライブに出かけたり、海外の著名アーティストの演奏を聴いたり、知り合いのミュージシャンのライブに飛び入り演奏したり。そんなことをがむしゃらにやってましたね」

BESTOKU

ジャズクラブやライブハウス、そしてクラブ……。毎日、毎夜、どこかで誰かが必ず演奏していたという。そこでの出会いが新たな出会いを生み、多様なコラボレーションの形が生まれていく。このベストアルバムにも、ロン・カーター、EXILE ATSUSHI、Zeebra、SUGIZO、ゴスペラーズ、シシド・カフカ、別所哲也といった多彩なゲストとのコラボレーションが並んでいる。
「いろんなジャンルの人たちとコラボレーションして形にしてきた、自分のアーティスト像というものが見えるアルバムにしたいと思いました。“その人だけのもの”をもっている人とのコラボレーションに意味があると思いますし、そういうコラボレーションは本当に楽しいです。プレイヤーとしてアルバムに参加したコラボも含めれば、今回のベスト盤に入れたのも一部なんですけどね」
ジャンルにも何にもとらわれないコラボレーションからあふれるのは、アーティスト同士がリスペクトし合って生まれる新たな創作のエネルギー。思うように人と会えない時期だからこそ、人と人とが作用し合う音楽のパワーが、全身に染みわたる。

TOKUの世界がジャズのイメージを変えていく

さらに、フランク・シナトラをカバーした『New york New york』、CFタイアップ曲『Doremi』、10周年記念アルバムからのスティービー・ワンダー『Part time lover』など、聴きどころ、楽しみどころが満載。32曲は、どのようにチョイスされたのだろう。
「まず、14枚すべてのアルバムから選ぼうと思いました。また、これまでいろいろなタイアップもしてきたので、そのときにできたオリジナル曲やコラボレーションも入れたいなと思いました。それと自分のオリジナル楽曲も含めて、といろんな思いがあって、1枚じゃ足りないなとなったんです」
その32曲には、「ジャズという音楽が多種多様であることを知ってもらいたい」というTOKUのメッセージが込められている。
「ジャズは決して難しいものではありません。デビューした頃から、そういうジャズのイメージを払拭したいというのがずっとあって、それを改めてお伝えしたいと思います」
どこかノスタルジックで心地よい響きのなかにも、ときに刺激的に、いろいろな景色や色彩を感じさせる『BESTOKU』。ジャズファンはもちろん、ロック、ポップス、そしてクラシックファンも、ジャンルの枠を超えて楽しめるベスト盤だ。

■アルバム『BESTOKU』


発売元:ソニーミュージック
発売日:2022年8月24日
価格:4,000円(税込)
詳細はこちら
オフィシャルサイトはこちら

オフィシャルFacebook YouTube公式チャンネル オフィシャルInstagram

photo/ 坂本ようこ

本ウェブサイト上に掲載されている文章・画像等の無断転載・無断使用を固く禁じます。

facebook

twitter

特集

亀井聖矢

今月の音遊人

今月の音遊人:亀井聖矢さん「音楽は感情を具現化したもの。だからこそ嘘をつけません」

2660views

音楽ライターの眼

連載2[ジャズ事始め]ジャズ前夜に北アメリカ大陸ではなにが起こっていたのか?

4335views

楽器探訪 Anothertake

世界の一流奏者が愛用するトランペット「Xeno Artist Model」がモデルチェンジ

26221views

エレキギター

楽器のあれこれQ&A

エレキギターのサウンドメイクについて教えて!

994views

脱力系(?)リコーダーグループ栗コーダーカルテットがクラリネットの体験レッスンに挑戦!

おとなの楽器練習記

【動画公開中】脱力系(?)リコーダーグループ栗コーダーカルテットがクラリネットの体験レッスンに挑戦!

10846views

コレペティトゥーアのお仕事

オトノ仕事人

高い演奏技術と幅広い知識で歌手の表現力を引き出す/コレペティトゥーアの仕事(前編)

20219views

ザ・シンフォニーホール

ホール自慢を聞きましょう

歴史と伝統、風格を受け継ぐクラシック音楽専用ホール/ザ・シンフォニーホール

24660views

こどもと楽しむMusicナビ

サービス精神いっぱいの手作りフェスティバル/日本フィル 春休みオーケストラ探検「みる・きく・さわる オーケストラ!」

9538views

浜松市楽器博物館

楽器博物館探訪

見るだけでなく、楽器の音を聴くこともできる!

14142views

われら音遊人

われら音遊人:ただ今、バンド活動リハビリ中!

8100views

山口正介さん Web音遊人

パイドパイパー・ダイアリー

いまやサクソフォンは趣味となったが、最初は映画音楽だった

6880views

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅

30805views

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:注目の若手サクソフォン奏者 住谷美帆がバイオリンに挑戦!

9361views

小泉文夫記念資料室

楽器博物館探訪

民族音楽学者・小泉文夫の息づかいを感じるコレクション

10327views

ジャズとロックの関係性

音楽ライターの眼

ジャズ・ギターの革命児がビートルズに出逢うまでのプロローグ

4095views

ステージマネージャーの仕事 - Web音遊人

オトノ仕事人

オーケストラのステージの“演奏以外のすべて”を支える/オーケストラのステージマネージャーの仕事(前編)

43412views

Red Pumps BIGBAND

われら音遊人

われら音遊人:出自がさまざまなメンバーと、誰もが楽しめる音楽をビッグバンドで

870views

CP88/73 Series

楽器探訪 Anothertake

ステージで際立つ音色とシンプルな操作性で奏者をサポート!最高のライブパフォーマンスをかなえるステージピアノ「CP88」「CP73」

16228views

メニコン シアターAoi

ホール自慢を聞きましょう

五感で“みる”ことの素晴らしさを多くの方と共感したい/メニコン シアターAoi

3066views

山口正介

パイドパイパー・ダイアリー

クラス分けもまた楽しみ、レッスン通いスタート

4917views

購入前に知っておきたい!電子ピアノを選ぶときのポイントとおすすめ

楽器のあれこれQ&A

購入前に知っておきたい!電子ピアノを選ぶときのポイントとおすすめ機種

27380views

こどもと楽しむMusicナビ

1DAYフェスであなたもオルガン博士に/サントリーホールでオルガンZANMAI!

3263views

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする Web音遊人

音楽めぐり紀行

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする

10327views