今月の音遊人
今月の音遊人:藤田真央さん「底辺にある和音の上に内声が乗り、そこにポーンとひとつの音を出す。その響きの融合が理想の音です」
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サービス精神いっぱいの手作りフェスティバル/日本フィル 春休みオーケストラ探検「みる・きく・さわる オーケストラ!」
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2019.3.8
tagged: 子ども, こども, エデュケーション・フェスティバル, 日本フィル, こどもと楽しむMusicナビ
テーマパークに遊びに行くような気分でコンサートホールに出かけて、家族みんなで音楽を楽しむことができたらいいなと思いませんか?毎年、春休みシーズンに東京・杉並公会堂で開催されている『日本フィル 春休みオーケストラ探検「みる・きく・さわる オーケストラ!」(エデュケーション・フェスティバル in 杉並)』は、オーケストラ•コンサートと盛りだくさんのイベントを一日で体験できるフェスティバル。2019年で12回目を迎えるこのフェスティバルの魅力について、日本フィルハーモニー交響楽団(以下、日本フィル)のスタッフにお話を伺いました。
「日本フィルは1975年から毎年『夏休みコンサート』という親子向けのコンサートを開催しており、2018年の夏で44回目を迎えました。“子ども向けでなく家族みんなで”オーケストラを楽しんでほしいという想いから、長年続けてきたものです。そして2006年に杉並公会堂が開館した年からスタートした『エデュケーション・フェスティバル』にも、この『夏休みコンサート』で培ってきたノウハウが存分に活かされています」(日本フィルハーモニー交響楽団 音楽の森 及川ひろかさん)
『夏休みコンサート』は4歳以上の子どもが対象となっていますが、この『春休みオーケストラ探検』のオーケストラ・コンサートは0歳から入場できるのも嬉しいところ。
「内容的には幼稚園生ぐらいからのお子さんを想定してプログラムを組んでいるので推奨年齢を4歳以上としているのですが、小さな兄弟のいるご家族もみなさんで聴いていただきたいとの思いから、0歳から入場可にしました」(日本フィルハーモニー交響楽団 広報部 槌谷祐子さん)
オーケストラ・コンサートは、毎年ひとつのテーマを決め、それをもとにストーリー仕立てのオリジナル・プログラムが組まれていくとのこと。一体どんなコンサートなのでしょう?
「2018年は“ようこそ!日本フィルレストランへ!!”というテーマで、コンサートホールをレストランに見立て、コース料理のように前菜からメイン料理、デザートまでを味わっていただきました。プログラム冊子もメニューのようなかわいいデザインにして、子どもたちが首から下げられるように、スタッフが総出で穴を開けたんですよ」(及川さん)
2019年のテーマは“さぁ、冒険の旅に出かけよう!”。フンパーディンクの『ヘンゼルとグレーテル』より前奏曲、ハチャトゥリアンの『仮面舞踏会』よりワルツ、シベリウスの『フィンランディア』などが予定されています。
「ストーリーに関連させて多面的に選曲し、全体でひとつの流れを作っていきます。子どもたちが自然と音楽の世界に入っていくのが理想なので、台本のストーリーにはとてもこだわりを持っています。日本フィルのスタッフと指揮者や司会者、ゲストの方で話し合いながら一から作っていくのですが、ゲストにお迎えする方によって趣向がまったくが違うものになりますね。今年のゲストは俳優・声優の森田順平さん、指揮は永峰大輔さん、司会は毎年おなじみの江原陽子さんにお願いしました。江原さんは司会だけでなく、客席のご家族をひきつけてコンサート全体の雰囲気を作ってくださるので、とても頼りになる存在です」(及川さん)
そして、コンサートのほかにたくさん企画されているイベントの中でも人気なのが、オーケストラの「楽器体験」。東京音楽大学の皆さんがインストラクターとして指導にあたり、はじめて触れる楽器でもちゃんと音が出せるのだそうです。
「楽器体験は会場のフロアが人で埋め尽くされるほどのすごい熱気です。並んでいただければ何度でも体験できるのですが、毎年お越しになって、“今年はこれ!”と成長にあわせていろいろな楽器にトライされるお子さんもいらっしゃいます」(槌谷さん)
小ホールで開催されている「音楽図鑑」という日本フィルのメンバーによるソロ・コンサートにも注目です。
「6~7名の楽員が、ソロで10分程度の曲を演奏していくリレー・コンサートで、こちらも入退場自由です。ひとくくりにオーケストラといっても弦楽器と管楽器ではまったく違いますから、それぞれの楽器の音色と特徴を感じていただけたらと思います。そのほか、響きのよいホールで思いっきり大きな声を出して、自分の声もひとつの楽器なんだということが体験できる“大声大会”も人気です。そうやってさまざまな体験をしてからオーケストラ・コンサートに臨めば、より関心を持って聴くことができますよね」(及川さん)
「杉並公会堂の裏側を見学できる“ふくろう隊長の公会堂たんけん”も面白いですよ。それから館内のあちこちで“サプライズ・ライブ”もありますが、サプライズのはずなのに“これからここで始まるよ”と告知しちゃうところがうちのオーケストラらしいというか(笑)。サービス精神旺盛なんです」(槌谷さん)
「そう、サービス精神がなければ日本フィルじゃない!(笑)。毎年、お客さまからのフィードバックを受けて、柔軟に改良しながらより良いフェスティバルにしていけたらと思います」(及川さん)
オーケストラの楽員やスタッフのあたたかな気持ちが伝わってくる手作り感覚のフェスティバルで、音楽と遊んでみませんか?
日時:2019年3月24日(日)
①開館:9:30~※オーケストラ・コンサートは11:50〜12:50
②開館:13:30〜※オーケストラ・コンサートは15:50〜16:50
会場:杉並公会堂(東京都杉並区上荻1-23-1)
出演:永峰大輔(指揮)、江原陽子(司会)、森田順平(ゲスト)
プログラム:フンパーディンク『ヘンゼルとグレーテル』より前奏曲/ハチャトリアン『仮面舞踏会』よりワルツ/レハール『金と銀』/シベリウス『フィンランディア』
料金:2,500円(4歳以上、税込)
※0〜3歳の幼児の膝上鑑賞は無料です。
※本イベントには託児サービスはありません。
チケット:
日本フィル・サービスセンター(TEL:03-5378-5911/平日10:00~17:00)
杉並公会堂チケットセンター(TEL:03-5347-4450/臨時休館日を除く10:00~19:00)
文/ 原典子
photo/ 山口敦
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