今月の音遊人
今月の音遊人:武田真治さん「人生を変えた、忌野清志郎さんとの出会い」
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50代も半ばを過ぎてからサクソフォンのレッスンを受けようというのだ。それなりの準備というか、心構えも必要となる。親しくしていただいているプロのサクソフォン奏者、Mさんに楽器の購入に関して教えてもらいたいとお願いした。
僕が受講しようとしているのは先にも触れたようにヤマハ大人の音楽レッスンだ。
20代の前半からギターを手にするようになった。最初は子供用(!)のフォークギターだったが、すぐに安価なエレキギターに持ち替えた。その時の経験として、楽器をやるならば、まずは自分の楽器を持つべきだということ。日常的に気軽な練習ができることは、とても必要なことだ。
レッスン教室では、備え付けの楽器を使用することもできるし、その他にも長期のレンタルという方法もある。僕などは、この長期レンタルが一番、似合っているのかもしれないが、これを機会に長くサクソフォンに接していきたいと思ったので、自分自身の楽器をともかく購入してしまうという道を選んだのだった。
また、Mさんにいわせると、サクソフォンで音が上手く出せなかったら、それは自分の責任ではなく、楽器のせいだという。この真意は分かりかねる。僕に対しての慰めかもしれないし、演奏技術の真実なのかもしれない。サクソフォンは他の楽器、たとえばトランペットやバイオリンにくらべて音を出すこと自体は比較的、簡単だといわれている。運指は大方のひとが小学校で習ったリコーダーとほぼ同じだ。したがって歳を取ってから始めるひとにも馴染みやすいといわれている楽器でもある。
すでにサクソフォンを始めてから年月が経っている別の友人に、楽器選択の手伝いをしてもらうことにした。試奏室を借りて、ヤマハのサクソフォンを順番に吹いてもらった。YAS-62、YAS-82Z、YAS-875EXだった。
やはり、音程の正確さや均一な音色などから、Mさんの助言もあり、この中から選ぶのは必然であっただろうか。
友人が簡単なフレーズを演奏してくれる。YAS-62は吹奏楽的に、YAS-82Zは渋いジャズという感じで、またYAS-875EXはクラシック風のフレーズが流麗だった。
試奏を聞き、僕は最初の楽器としてYAS-875EXを選んだ。この選択は身の程知らずかもしれないが、正しかったと確信している。
私が住んでいるのは、東京郊外の国立というところです。暮らし始めてから、ずいぶん年月がたちました。最近、ふと気がついたのは、この街には長いあいだ続けているライブハウスも少なくないこと。ほとんどのお店がバーや居酒屋兼業で、ジャズ系の『NO TRUNKS』とか『FUKUSUKE』などには足繁く通っています。先日もアルトサクソフォンのMさん(上の本文にも登場しています)の演奏を聴いてまいりました。やはり、いい音を聴くことも重要なレッスンのひとつですね。そう力強く自分に言いきかせ、今宵もまた、街の灯りに誘われるのでした。
作家。映画評論家。1950年生まれ。桐朋学園芸術科演劇コース卒業。劇団の舞台演出を経て、小説、エッセイなどの文筆の分野へ。主な著書に『正太郎の粋 瞳の洒脱』『ぼくの父はこうして死んだ』『江分利満家の崩壊』など。2006年からヤマハ大人の音楽レッスンに通いはじめ、アルトサクソフォンのレッスンに励んでいる。
文/ 山口正介
tagged: 大人の音楽レッスン, サクソフォン, ヤマハ, 山口正介, レッスン, パイドパイパー・ダイアリー
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