今月の音遊人
今月の音遊人:林英哲さん「感情までを揺り動かす太鼓の力は、民族や国が違っても通じるものなんです」
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2019年、日本を代表する夏フェスのひとつ”サマーソニック”が20周年を迎える。
毎年、世界のトップ・アーティストを迎えて千葉・幕張と大阪の2都市で開催、サマソニの愛称で音楽ファンに親しまれてきたこのフェスティバル。例年は土日の2日間で行われていたが、2019年は8月16日(金)、17日(土)、18日(日)の3日間。2009年の10周年以来となる拡大版だ。
B’z、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ザ・チェーンスモーカーズという異なったタイプのアーティストをヘッドライナーに迎えた2019年のサマソニは、幕張は6ステージ、大阪は4ステージで朝から晩まで洋邦のアーティストがライヴを繰り広げ、さらに幕張では金曜、土曜の深夜にオールナイトの「ミッドナイト・ソニック」も行われる。3日間の開催でも次から次へとアーティストがステージに上がる情け容赦ない展開は、まさに体力勝負だ。
複数ステージ同時進行というフェスティバルの性質上、見たいアーティストの出演時間がかぶってしまうこともある。タイムテーブルはファン層がかぶらないように考慮されている(と思われる)が、十万人を超える大観衆ひとりひとりのニーズに応えることは不可能だ。
金曜の夜、ヘヴィ・メタルのラウドネスとディスコのシェリル・リンの両方を愛聴するアラフィフの音楽ファンもいるだろうし、土曜日のマキシマム・ザ・ホルモンと木村カエラ、日曜日のチェーンスモーカーズとKREVAもショータイムが重複している。どちらか片方に専念するか?それとも前半と後半に分けて両方を見るか?その場合、ステージ間の移動にどれだけ時間がかかるか?……など、例年以上に悩んでしまうのが2019年のサマソニなのだ。
ただ、事前にタイムテーブルを睨みながらウーンとうなるのもフェスの楽しみのひとつだ。これを見たらこれを見て、このタイミングでフェスめしを食べて……と考えるだけで、早くもワクワクしてしまうのが音楽ファンのサガだろう。
サマソニをどう楽しむかは、人それぞれだ。筆者(山崎)のおすすめコース(以下すべて幕張会場を前提とする)は土曜日の、ゼブラヘッド→ランシド→ザ・ダムド→フォールズとレモン・トゥイッグスを少しずつ→レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、という「洋楽パンク/ロック・コース」だが、それらのアーティストをひとつも見なくても、サマソニを十分以上にエンジョイできてしまうだろう。
同じ土曜日のLOVEBITES→会場をウロウロ→BAND MAID→BABYMETALというコースは、アイドル&メタル好きにはたまらない流れだ。
日曜日はZOZOマリンスタジアムの「マリン・ステージ」に腰を落ち着け、Perfume→BLACKPINK→アラン・ウォーカー→ZEDD→チェーンスモーカーズでとにかく踊りまくるのも、最高の夏の思い出になるだろう。
ただ、当日はとにかく暑くなりそうなので、盛り上がりながらも、十分に水分を取って休憩するなど、体調管理には気を付けていただきたい。炎天下となる可能性もあるので、日焼け止めも用意しておくべきだろう。
残念ながら2020年はオリンピックイヤーということで、サマソニはお休みとなる。そのぶん2019年はたっぷり楽しんで、2021年の復活に備えたい。
『SUMMER SONIC 2019』
8月16日(金)/17日(土)/18日(日)
東京会場:ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ
大阪会場:舞洲SONIC PARK(舞洲スポーツアイランド)
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山崎智之〔やまざき・ともゆき〕
1970年、東京生まれの音楽ライター。ベルギー、オランダ、チェコスロバキア(当時)、イギリスで育つ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、一般企業勤務を経て、1994年に音楽ライターに。ミュージシャンを中心に850以上のインタビューを行い、雑誌や書籍、CDライナーノーツなどで執筆活動を行う。『ロックで学ぶ世界史』『ダークサイド・オブ・ロック』『激重轟音メタル・ディスク・ガイド』『ロック・ムービー・クロニクル』などを総監修・執筆。実用英検第1級、TOEIC 945点取得
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