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今月の音遊人:諏訪内晶子さん「音楽の素晴らしさは、人生が熟した時にそれを音で奏でられることです」
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ボカロとはなにか?いまさら聞けない、ボーカロイドの基礎知識
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2022.4.4
tagged: ボカロ, 初音ミク, ボーカロイド, VOCALOID, Mobile VOCALOID Editor
いまや日本の音楽シーンにおいて常識ともなっているボカロ=VOCALOID(ボーカロイド)。『千本桜』をはじめ、数多くのヒット曲が生まれてきた一方、『Lemon』や『パプリカ』などで有名な米津玄師さんや、『夜に駆ける』(YOASOBI)のAyaseさんがボカロP出身であるのも、よく知られている話です。でも、そもそもボカロとはどんなものなのか、ボカロPって何なのか、よくわからない……という人も少なくないと思います。
そこで、ここではボカロとは何なのか、どうすれば使えるのか、なぜ大きなムーブメントを起こしたのかなど、ボカロをまったく知らない人のために紹介してみたいと思います。
ボカロ、ボカロ曲といった表現が、いろいろなところで使われていますが、ボカロとはボーカロイド=VOCALOIDの略称で、ヤマハが開発した歌声合成技術と、その応用ソフトウェアのことを表しています。このボーカロイドが最初に世の中に登場したのは、2003年のこと。ボーカルを作り出すソフトということで、ボーカル+アンドロイドで“ボーカロイド”と名付けられたそうですが、奇抜なソフトだったこともあり、発表当初はあまり大きな話題にもなりませんでした。
そのボーカロイドが一気に注目を集めることになったのは、第2世代のVOCALOID2が発表された後。北海道札幌市にある会社、クリプトン・フューチャー・メディアが初音ミクを発売したことがきっかけです。初音ミクはヤマハのボーカロイドをエンジンとし、ここにクリプトン・フューチャー・メディアが作った歌声データベースをセットにした歌声合成ソフト。アニメのような可愛いキャラクターが当てられた初音ミクは、女の子の歌声を簡単に作り出せるということで、大ヒットとなり、そこから数々の音楽が誕生していったのです。
もちろんボカロ=初音ミクというわけではありません。ヤマハはこのエンジンを多くの会社にライセンス提供していったので、鏡音リン・レン、Megpoid(メグッポイド)、がくっぽいど、結月ゆかり、東北ずん子、IA(イア)……と数多くのラインナップが生まれ、これらを総称してボカロと呼んでいるわけです。
なぜ、そのボカロがここまで大きな存在になったのか?その理由は数多くありそうですが、ひとつは音楽クリエイターが、数万円でソフトを入手すれば、簡単にボーカルを歌わせることができたことだと思います。従来、作曲ができる人でも、作品にするためには、自分で歌うか、誰かに歌ってもらってそれをレコーディングする必要があり、そこが大きな障壁でした。プロのシンガーに頼むのはやはり簡単ではないからです。
でもボカロであれば、パソコンで簡単に歌わせられるし、修正だって簡単。しかも人間では不可能な高速な歌い回しや、高い声など、ボカロだからこそ可能なボーカルというのも大きな魅力となりました。パソコンで音楽制作をするDTM環境の進化や、ニコニコ動画やYouTubeなどの普及とともに、自分で音楽を作って発表することのハードルが一気に下がり、レコード会社を介さずに多くの楽曲が発表され、そこからヒット曲が次々と生まれていったのです。これは、まさに音楽制作における革命だったといって間違いないでしょう。こうしたクリエイターをボーカロイド・プロデューサーということでボカロPと呼ぶようになり、数多くのボカロPが誕生していったのです。
その後、ボーカロイドはバージョンアップを重ね、2022年3月現在の最新版は2018年にリリースされたVOCALOID5です。WindowsでもMacでも動作し、より滑らかな歌声で誰でも歌声を作り出せるのです。
ボーカロイドのソフトで実現できるのはボーカルの生成のみで、BGMは別途DTMなどを用いて制作していく必要があります。またキャラクターやアニメーションもボーカロイド自体とは直接関係なく、あくまでも歌声を作るのがボーカロイドなのです。アニメーションなどは、別のツールを使って制作する必要がありますが、これらもセットでボカロブームが起きていったという背景から、それぞれ切り離せない関係にはなっています。
では、一般のユーザーがボカロで歌わせることはできるのでしょうか?前述のとおり、最新のVOCALOID5のソフトを購入すればWindowsやMacでボーカルを生成できます。が、もっと安く、手軽に……というのであれば、スマホやタブレットで使える、Mobile VOCALOID Editorを使ってみることをお勧めします。iPadやiPhoneで使うことができ、オプションで数多くの歌声ライブラリも用意されています。基本的には歌わせる音符をピアノロール(縦軸が音階、横軸が時間を示すグラフで音符を入力するエディタ)で入力するとともに、1音1音に、ひらがなやカタカナで歌詞を入力すれば、すぐに歌わせることができるのです。
まさにスマホ1つでボカロPになれる時代。これをキッカケにさらなる人気作曲家が誕生するかもしれません。
VOCALOIDオフィシャルサイト
開発から20年を超えて進化しつづけるボーカロイドの文化を知ろう(Web音遊人)
※「VOCALOID(ボーカロイド)」ならびに「ボカロ」はヤマハ株式会社の登録商標です。その他記載の商品名ならびに会社名は、各社の登録商標ならびに商標です。
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文/ 藤本健
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