Web音遊人(みゅーじん)

Kitaraあ・ら・かると

子どもも大人も楽しめるコンサート&イベントが盛りだくさん。ピクニック気分で出かけよう!/Kitaraあ・ら・かると

家族みんなでお出かけできて、子どもだけでなく大人も同じぐらい楽しめるイベントやスポットを探すのって、意外と大変ですよね。そんな皆さんにおすすめしたいのが、札幌コンサートホールKitara(以下、Kitara)で毎年ゴールデンウィーク期間中に開催されている音楽祭「Kitaraあ・ら・かると」。Kitaraといえば、中島公園の自然に囲まれた美しいホール。お散歩しながらピクニック気分で訪れてみるのも素敵です。音楽祭を運営するスタッフにお話をうかがいました。

「気軽にKitaraに足を運んで、音楽を身近に楽しんでいただきたいという思いで企画しています。コンサートホールで音楽を聴くことはハードルが高いと思われがちですが『Kitaraあ・ら・かると』では、小さなお子さんが入場できるコンサートのほか、楽器の演奏体験、楽器づくりワークショップ、Kitaraマルシェなど、チケットをお持ちでなくても楽しめるさまざまなイベントも併せて開催しています。また、札幌交響楽団やホールの専属オルガニスト、地元の中学生、音楽大学の在校生や卒業生など、地元にゆかりのある演奏家が多く出演するほか、ご家族皆さんでお越しいただけるよう、チケットもお求めやすい価格になっているのが特徴です」(札幌コンサートホールKitara 事業課営業係 広報担当 )

Kitaraあ・ら・かると

(写真左)2018 年に開催された楽器づくりワークショップの様子(写真右)ワークショップで作った鳥笛

2019年は5月3日〜5日の3日間にわたって開催される「Kitaraあ・ら・かると」。この音楽祭がスタートしたのは2007年だったといいます。

「1997年にオープンしたKitaraの10周年を記念して、Kitaraをもっと知っていただこうと、2007年10月に全館1日開放Dayとして『Kitaraあ・ら・かると』を開催したのがはじまりです。500円で鑑賞できるワンコイン・コンサートのほか、普段は入ることができないKitaraの地下の施設を見学するツアー、Kitaraの所蔵楽器に触れることができる体験コーナーなどが企画されました。当初は1日だけの開催でしたが、お客さまからご好評をいただき、期間を3日間に拡大して、数年後には現在と同様にゴールデンウィークに開催されるようになりました」

5月3日(金・祝)に大ホールで予定されているのは、札幌交響楽団による「きがるにオーケストラ」。5歳以上が入場できる、90分のお話つきコンサートです。

「5歳から小学校低学年ぐらいの年齢層をメインに想定して、ご家族で楽しめるようなプログラムを考えています。誰もが一度は耳にしたことがあるオーケストラの名曲を、生の演奏で聴けることが最大の魅力でしょう。また、パイプオルガンやチェンバロなど、日頃あまり目にする機会がない楽器が次々と現れ、さまざまな編成、さまざまな時代の音楽を体験していただけるよう、工夫を凝らしています」

指揮者が曲や作曲家について分かりやすいお話(解説)をしてくれるとはいえ、本格的なクラシック曲が並ぶコンサート。子どもたちの反応はいかがでしょうか?

「90分の間、椅子にじっと座って、音楽を、しかもクラシックだけを聴くというのは、子どもたちにとっては大変に骨の折れることでしょう。でも、子どもは先入観なく純粋に音、響き、迫力、演奏者の動きなどを楽しんでくれます。たくさんのアンケートが子どもたちからも寄せられ、大きな字で“楽しかった”と書かれているのを見ると、ほっとしますね」

2019年は鈴木優人さんの指揮で、ベートーヴェンの交響曲第5番『運命』第1楽章、ヴィヴァルディのバイオリン協奏曲『四季』第1番『春』などが演奏されるとのこと。子どもだけでなく大人にとっても楽しみなプログラムです。

「鈴木さんはバッハ・コレギウム・ジャパンの首席指揮者やNHK-FM『朝のバロック』の司会をされていて、バロック音楽のスペシャリストです。ヴィヴァルディの『春』などでは、みずからチェンバロを弾き振り(弾きながら指揮をすること)されるとのことで、そこも注目ポイントではないでしょうか」

5月5日(日・祝)の大ホールでは「シモンさんのオルガン・ファンタジー」が開催されます。大ホールの正面にそびえ立つ巨大なパイプオルガンの音色を、kitara専属オルガニストのシモン・ボレノさんの演奏でたっぷり味わうことができるコンサートです。

「ステージ上に設置されたスクリーンで、演奏中のオルガニストの手元や足元を見ることができる点が子どもたちに好評です。生まれてはじめてパイプオルガンの生演奏を聴く方や、大ホールに響きわたる迫力の音色に驚く方も多いようです。終演後にはバックステージ・ツアーも行い、オルガンをすぐ近くから見ていただいたり、ホールの楽屋ゾーンを見学していただいたりしています」

(写真左)シモンさんのオルガン・ファンタジー(写真右)2018年に開催されたバックステージツアーの様子

一方、小ホールでは「3歳からのコンサート」が行われます。5月3日(金•祝)がトロンボーン、4日(土・祝)がバイオリン、5日(日・祝)がマリンバ。演奏者のお話も交えながらのアットホームな雰囲気のなか、それぞれの楽器について知ることができるコンサートです。45分間という時間も、小さな子どもにはちょうどいいですね。また、コンサートのほかにも、普段は入ることのできないKitaraの地下へご案内する「Kitara地下探検隊」(2019年は申し込み締め切り済み)や「楽器体験コーナー」「楽器づくりコーナー」など、イベントが盛りだくさん。まる一日、Kitaraで過ごすことができそうです。

まる3日間、全館あげての音楽祭はホールのスタッフも総動員。さぞかし大変だと思うのですが……。

「複数のイベントが同時多発的にあるため、スタッフの確保や配置などに苦労します。けれど、普段はなかなかKitaraにいらっしゃることのない子どもたちの楽しそうな様子を見ると、とても嬉しく思います。また、Kitaraマルシェで屋台の食事を楽しめることも密かな楽しみです!」

地元の皆さんはもちろん、気持ちのいい季節に家族旅行で訪れてみてはいかがでしょうか?

■ Kitaraあ・ら・かると

日時:2019年5月3日(金・祝)~5日(日・祝)
会場:札幌コンサートホールKitara 大ホール/小ホール(北海道札幌市中央区中島公園1-15)
出演:鈴木優人、札幌交響楽団、シモン・ボレノ ほか ※公演により異なります
料金:プログラムにより異なります。
お問い合わせ:Kitaraチケットセンター(TEL:011-520-1234/10:00〜18:00、休館日を除く)
オフィシャルサイトはこちら

 

特集

今月の音遊人 押尾コータロー

今月の音遊人

今月の音遊人:押尾コータローさん「人は誰もが“音で遊ぶ人”、すなわち“音遊人”なんです」

16846views

徳永二男(ヴァイオリン)、堤剛(チェロ)、練木繁夫(ピアノ)

音楽ライターの眼

名手3人が醸し出す、音の会話の楽しさ奥深さ/徳永二男、堤剛、練木繁夫による珠玉のピアノトリオ・コンサートVol.4

4694views

v

楽器探訪 Anothertake

弾く人にとっての理想の音を徹底的に追究したサイレントバイオリン™

6794views

知って得する!木製楽器の お手入れ方法

楽器のあれこれQ&A

木製楽器に起こりやすいトラブルは?保管やお手入れで気を付けること

21764views

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:注目の若手サクソフォン奏者 住谷美帆がバイオリンに挑戦!

9397views

佐藤順

オトノ仕事人

劇伴制作の進行管理や演奏シーンの撮影をサポートする/映画等の劇伴制作をプロデュースする仕事

4008views

弦楽四重奏を聴くことが人生の糧となるように/第一生命ホール

ホール自慢を聞きましょう

弦楽四重奏を聴くことが人生の糧となるように/第一生命ホール

9264views

日生劇場ファミリーフェスティヴァル

こどもと楽しむMusicナビ

夏休みは、ダンス×人形劇やミュージカルなど心躍る舞台にドキドキ、ワクワクしよう!/日生劇場ファミリーフェスティヴァル2022

3215views

小泉文夫記念資料室

楽器博物館探訪

民族音楽学者・小泉文夫の息づかいを感じるコレクション

10359views

ONLYesterday

われら音遊人

われら音遊人:愛するカーペンターズをプレイヤーとして再現

961views

パイドパイパー・ダイアリー Vol.8 - Web音遊人

パイドパイパー・ダイアリー

初心者も経験者も関係ない、みんなで音を出しているだけで楽しいんです!

5902views

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅

30892views

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:注目の若手サクソフォン奏者 住谷美帆がバイオリンに挑戦!

9397views

浜松市楽器博物館

楽器博物館探訪

世界中の珍しい楽器が一堂に集まった「浜松市楽器博物館」

31415views

新たなディケイドへと向かうフジ・ロック・フェスティバル'17。テーマは“革新”と“伝統”

音楽ライターの眼

新たなディケイドへと向かうFUJI ROCK FESTIVAL ’17。テーマは“革新”と“伝統”

4818views

オトノ仕事人

芸術をとおして社会にイノベーションを起こす/インクルーシブアーツ研究の仕事

6908views

われら音遊人:1年がかりでビッグバンドを結成、河内からラテンの楽しさを発信!

われら音遊人

われら音遊人:1年がかりでビッグバンドを結成、河内からラテンの楽しさを発信!

11142views

【楽器探訪 Another Take】人気のカスタムサクソフォンが13年ぶりにモデルチェンジ

楽器探訪 Anothertake

人気のカスタムサクソフォンが13年ぶりにモデルチェンジ

11967views

人が集まり発信する交流の場として、地域活性化の原動力に/いわき芸術文化交流館アリオス

ホール自慢を聞きましょう

おでかけ?たんけん?ホール独自のプランで人々の厚い信頼を獲得/いわき芸術文化交流館アリオス

8592views

パイドパイパー・ダイアリー

パイドパイパー・ダイアリー

楽器は、いつ買うのが正解なのだろうか?

8530views

トロンボーン

楽器のあれこれQ&A

初心者なら知っておきたい、トロンボーンの種類や選び方のポイント

13700views

こどもと楽しむMusicナビ

1DAYフェスであなたもオルガン博士に/サントリーホールでオルガンZANMAI!

3296views

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする Web音遊人

音楽めぐり紀行

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする

10371views