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【プレゼント】人が想い合うやさしさを描いた青春恋物語に、音楽もやさしく寄り添う映画『今夜、世界からこの恋が消えても』/亀田誠治インタビュー
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2022.8.10
tagged: インタビュー, 亀田誠治, 今夜、世界からこの恋が消えても, セカコイ
眠るたびに記憶を失う「前向性健忘」という難病を患いながら、懸命に日々を生きる少女・真織(まおり)。そんな彼女の病状を知り、楽しい毎日を送らせてあげようとする同級生の透(とおる)。ふたりは“本気にならないこと”を条件に偽りの恋人関係をはじめるが、やがてお互いがかけがえのない存在へ変わっていく。例え一日限りの恋だとしても──。2022年7月公開の映画『今夜、世界からこの恋が消えても』(セカコイ)の音楽を担当した亀田誠治に劇伴作家の視点から本作への想いを聞いた。
その切なく心あたたまる青春ラブストーリーで2019年の電撃大賞を受賞した一条岬の小説『今夜、世界からこの恋が消えても』が、なにわ男子の道枝駿佑と、東宝シンデレラグランプリ受賞の福本莉子のダブル主演で映画化。メガホンをとったのは、数々の恋愛映画を作り上げてきた三木孝浩。そして音楽を担当したのが、J-POP界で数々のヒット曲を手掛け、近年では映画やミュージカル音楽の作曲もこなしている音楽プロデューサー・亀田誠治だ。
「今回オファーをいただいた際、台本ができる前に原作の小説を読ませていただいたんですが、自分が登場人物のうちのひとりになっているんじゃないかってくらい物語に入り込んでしまって。僕は子供のころから読書家だったので、主人公の透が本を好きだったり、そのお姉さんが小説家という設定も引き込まれる要素だったんでしょうね。青春時代にタイムスリップするような感覚を得ることができたんです」
劇中音楽だけでなく、主題歌のプロデュースも任された亀田は、三木監督やプロデューサーの春名慶・岸田一晃と綿密なディスカッションを重ねた末、文学的な世界観で注目を集める男女二人組バンド、ヨルシカに白羽の矢を立てた。
「とにかくこのセカコイは文学として練り込まれていて。丁寧な心情描写や情景描写が重ねられて進んで行く作品だから、これは文学性を音楽に還元できるアーティストじゃないとダメだなと思いました。そのとき、数多のアーティストがいるJ-POPの世界で、僕の中ではヨルシカ一択で結びついたんです」
劇中の音楽と主題歌が互いに補いあえるよう「通常のアーティストのプロデュースよりも話をしたかもしれない」というほど、ヨルシカのコンポーザーn-bunaと丁寧に何度も言葉を交わし続けた。そうして生まれた主題歌『左右盲』は、n-bunaが作り上げた繊細なサウンドと切ない歌詞、そしてsuisのやわらかく心に溶け込んでくるボーカルが、見事にセカコイの世界の一部として響いているのだ。
そんな主題歌に呼応するように、亀田の手掛けた劇中音楽もセカコイの世界にやさしく寄り添っていた。感情の機微をメロディに込めながら、ほとんどの曲がおだやかで淡い響きを放っている。普段の亀田の個性的なサウンドプロダクションと比べれば、かなり抑制されていると感じる。でもそれこそが“セカコイのために目指した音”なのだそうだ。
「セカコイは登場人物たちの心の動きや、みずみずしいほどの相手を想う気持ちが貫かれていているので、これは自分がJ-POPで作るラブソングの作り方、“人の心と心をつなぐこと”を意識して作らなきゃいけないと感じたんです。とはいえ、僕はエモーショナルな方向にいきがちなので(笑)、それを三木監督とのやりとりで抑えていって、いまの劇中の曲調になりました。人が想い合うという“優しさ”を、役者さんのセリフや表情だけでなく、音楽も含めた総合的なもので作り上げていきたいという三木監督の想いが反映されているんだと思います」
透や真織、彼らを見守る友人や家族が織りなす、相手を想う気持ち。世界中が混沌としている今だからこそ必要とされる心の在り方を、映像と音楽で気づかせてくれる。そんなセカコイに携われたことは、亀田の音楽人生の新たな一歩になったそうだ。
「劇中音楽は生楽器を中心としたシンプルなサウンドですけれど、プレイしている仲間は僕の信頼しているトッププレイヤーたちで、みんな心を込めて演奏してくれています。僕とヨルシカがコラボしたことも、映画という媒体があって起こった奇跡だと思っているし。このセカコイの音楽を手掛けることによって、映画音楽への一段深い関わり方ができたんじゃないかと思っています。映画をご覧になる際はぜひ、背景の美しい旋律にも耳をすましてみてください」
監督:三木孝浩
音楽:亀田誠治
主題歌:ヨルシカ「左右盲」(UNIVERSAL J)
出演:道枝駿佑(なにわ男子) 福本莉子
古川琴音 / 前田航基 西垣匠
松本穂香
野間口徹 野波麻帆 水野真紀 / 萩原聖人
2022年7月29日(金)全国公開
公式サイトはこちら
発売元:Rambling RECORDS
発売日:2022年7月29日
価格(税込):2,750円
詳細はこちら
映画『今夜、世界からこの恋が消えても』のオリジナルグッズ「今夜、世界からこの恋が消えメモ(電子メモパッド)」(1名様)と「真織のしおり」(5名様)を、抽選でプレゼントします。
ご希望の方は、下記「応募はこちら」ボタンからご応募ください。
※ご応募の際は、ヤマハミュージックメンバーズの会員登録(登録無料)が必要です。
応募締切:2022年9月15日(木)11:00
当選発表:プレゼントの発送(9月下旬予定)をもって代えさせていただきますので、あらかじめご了承ください。
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飯島健一〔いいじま・けんいち〕
音楽ライター、編集者。1970年埼玉県生まれ。書店勤務、レコード会社のアルバイトを経て、音楽雑誌『音楽と人』の編集に従事。フリーに転向してからは、Jポップを中心にジャズやクラシック、アニメ音楽のアーティストのインタビューやライヴレポートを執筆。映画や舞台、アートなどの分野の記事執筆も手掛けている。
文/ 飯島健一
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