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アンドラーシュ・アドリアン&ユ・ユアン

【優待チケット】巨匠と新星によるフルートデュオ/アンドラーシュ・アドリアン&ユ・ユアン インタビュー

ハンガリーに生まれ、ジャン=ピエール・ランパルやオーレル・ニコレに師事し薫陶を受けたフルートの巨匠、アンドラーシュ・アドリアン。そして、2023年のジュネーヴ国際音楽コンクール第2位をはじめ、数々の入賞歴を持つ中国生まれの新星、ユ・ユアン。2人のフルートによるコンサートが2024年11月6日にヤマハホールで行われる。

10年来の関係で受け継がれるもの

二人が出会ったのは10年前、ユアンが14歳だった頃に遡る。
「審査員を務めたチェコのコンクールで聴いたユアンの演奏に感銘を受け、少し話をして共感するものをお互いの中に見つけていたように思います。するとその後、ユアンが私に習いたいと連絡をくれたのです」(アドリアン)
「当時はまだ子どもでしたから、アドリアン先生に習いたいと思った理由は具体的ではありませんが、とにかくそのカリスマ性に魅了されていました。先生がちょうど大学を退官されるタイミングでしたので、プライベートで教えていただくことになったのです」(ユアン)
アドリアンは現在24歳になったユアンにどんな変化を感じているのだろうか。
「まず私が見上げなくてはならないほど背が大きくなりました(笑)。それはさておき、音楽も大きく成長して、個性を持つ音楽家になりました。長く見守り続けている特別な若者です」(アドリアン)
一方のユアンが、アドリアンから学んだ最も大きなことは何だろうか。
「音楽とはただうまく演奏すれば良いものではないこと、楽器は細部までコントロールしなくてはならないこと、作品を本当にマスターするとはどういうことかを教わりました。これは僕が作品にアプローチするうえでの考え方を大きく変えてくれました。演奏家は作品に向き合い、論理的な方法で考え、理解しようとすることで、自分自身も成長してゆけるものだと知りました」(ユアン)

ユ・ユアン

アドリアンは、フルートのより自由な表現を求め、ヤマハのハンドメイドフルート「イデアル」の開発にも関わっている。
「私が理想とするのは、フルートの存在を忘れ、音楽そのものを感じてもらえる表現です。“こんなに速く吹けるなんてすごい”、“どうするとあんな柔らかい音が出せるの!”と思われているうちは、まだまだです。
美しい音はするけれど同じ音しかしない楽器は、私の好みではありません。自在にコントロールできて自分が自由になれる楽器、複雑な人間の声のように、個人的な音を生み出せる楽器が理想です」(アドリアン)

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アドリアンの探究とこれまでの経験、ユアンの若いエネルギー、それぞれの才能が生かされたリサイタル

楽器への強いこだわりと繊細な感性を共有する2人が、来る2024年11月にヤマハホールの舞台でデュオ・リサイタルを行う。プログラムは、アドリアンがユアンの得意分野を考慮しつつ選んだもの。
「前半は、バッハ一族の作品。偉大なる父のヨハン・セバスティアンに加え、革新的な作曲家である長男のヴィルヘルム・フリーデマン、生前は父よりずっと著名だったカール・フィリップ・エマニュエルを取り上げます」(アドリアン)
ユアンはヨハン・セバスティアンの素晴らしい作品のトランスクリプションを演奏する予定だ。
「僕はなかでも他の楽器のために書かれた作品の、フルート用トランスクリプションに興味があります。バロック時代は旋律楽器のために書かれた作品が多く、特にフランスのルイ14世の宮廷では、同じ曲が異なる楽器で演奏されることがよくありました。今回はバイオリン曲である有名なJ.S.バッハの『シャコンヌ』を取り上げますが、これは例えばパガニーニの曲のように、バイオリンだからこそ良さが出る作品とはタイプが違います。フルートで演奏することで、音楽としてのユニバーサルな魅力が際立つでしょう」(ユアン)
オリジナル曲の数に限りがあるフルート奏者にとって、こうした冒険は避けられないことだというが、アドリアンはここしばらくの音楽業界に良い変化を感じているという。
「ユアンは若い頃からトランスクリプション作品に関心を持っていて、とても頼もしいです。私は20年ほど前、メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲のフルート版トランスクリプションを発見しました。これはセンセーションで、私は楽譜を出版し、積極的に演奏したところ、バイオリニストたちが好意的だったのに対し、フルート奏者たちが受け入れてくれませんでした。当時はオリジナル志向が流行し、こうあるべきだという“音楽ポリス”のような振る舞いが蔓延していたのです……。その後、幸い状況は変化し、今は優れたレパートリーとして認められています。フルート音楽の発展のためにも、魅力的な作品を柔軟に受け入れることは重要です」(アドリアン)

後半は、アドリアンが研究者として作品を世に広めたF.ドップラーをはじめ、モーツァルト、ペトラッシという、2つのフルートのための名曲が並ぶ。
「私がドップラーの作品に出会ったのは、今のユアンより若い頃。当時の先生から練習曲として与えられた作品に同じハンガリー人として関心を持ち、音楽辞典で調べたところ、彼らは兄弟でフルート奏者だったと知りました。そうして芽生えた興味から、ドップラーの子孫と交流し、また手稿譜の研究をするようになりました。
最後に演奏する『2つのフルートとピアノのためのソナタ Op.25』は、出版社であるショット・ミュージックのアーカイブの中で発見しました。『アンダンテ』と『ロンド』というよく知られている2つの楽章の前に、実はあと2つ楽章があったと気づき、すぐレコーディングし出版し、今ではすべてのフルート奏者がすぐ手に入れられるものになりました」(アドリアン)
ピアニストは、ミュンヘンに在住で、アドリアンとさまざまなプロジェクトで長く共演するほか、世界の音楽家から引っ張りだこの占部由美子。ヤマハホール公演以外に大阪、浜松公演もあるので、近くの会場で巨匠と新星による生き生きとした対話を楽しんでほしい。

アンドラーシュ・アドリアン&ユ・ユアン

ミュンヘンにあるアンドラーシュ・アドリアン宅にて(2024年6月)

アンドラーシュ・アドリアン&ユ・ユアン
フルート界の巨匠と新星が贈るデュオ・リサイタル

日時:2024年11月6日(水)19:00開演(18:30開場)
会場:ヤマハホール(東京都中央区銀座7-9-14
料金:一般4,500円、学生3,500円(税込・全席指定)
出演:アンドラーシュ・アドリアン/ユ・ユアン(フルート)、占部由美子(ピアノ)
曲目: C.P.Eバッハ/トリオ・ソナタ ハ長調 Wq 149 H573、W.F.バッハ/2つのフルートのための二重奏曲 第4番 ヘ長調 Fk.57、J.S.バッハ/無伴奏バイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV 1004 より シャコンヌ(移調版)、J.S.バッハ/トリオ・ソナタ ト長調 BWV 1039、F.ドップラー/大幻想曲、モーツァルト/ロンド ニ長調 K.382、ペトラッシ/天使の対話、F.ドップラー/2つのフルートとピアノのためのソナタ Op.25
詳細はこちら

■優待チケットの特別販売

本公演の優待チケット(一般:定価4,500円/優待価格4,000円、学生:定価3,500円/優待価格3,000円)を計20枚ご用意いたしました。ご希望の方は、下記「応募はこちら」ボタンからご応募ください。
※ご応募の際は、ヤマハミュージックメンバーズの会員登録(登録無料)が必要です。
応募期間:2024年9月30日(月)23:59
応募はこちら

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