すべては、あの日の「無料体験レッスン」から始まった

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山口正介
パイドパイパー・ダイアリー
すべては、あの日の「無料体験レッスン」から始まった

これからレッスンを受けようとしているひとたちを対象としている、ヤマハ大人の音楽レッスンの無料体験レッスンというものを知った。 
2006年3月17日、満を持してサクソフォン教室のドアを叩いた。今から10年前のことだ。あとでわかることだが、実際のレッスンと同様の授業を1時間、受講希望者が受けるというものだった。若干の時間調整というか、参加者のスケジュールあわせがあり、日程が決まったのは申し込んでから数日後だったのだ。

当時は映画の『スウィングガールズ』大ヒットの余韻もあり、管楽器をやろうというひとが特に多かったように記憶している。当日、集まったのは10名余りであっただろうか。後にレッスンを受けることになる教室に全員が集合した。僕のようなまったくの初心者もいれば、中学校、高校時代、吹奏楽部で鍛えられたという猛者もいた、と思う。

そろそろ定年退職をむかえて、趣味のひとつも持とうかというひと。また豊富な音楽歴はあるが、就職してからまったく楽器を手にしていないひと。
若いころに楽器演奏の経験があるひとは、このさい、さび付いた技術に磨きをかけ、仲間とバンド演奏などを楽しもうとしている様子だった。とはいえ、最初の体験レッスンでそこまでの各人の事情がわかるわけではない。受講することを決めてクラス分けが終わって、レッスンも半年、1年と経ったころ、次第にわかることなのだ。

ということで団塊の世代である僕と同年配の方がほとんどと思ったが、意外に若い方たちが多いので多少驚いたものだった。これも件の映画のせいであったかもしれない。
教室に備えつけられた楽器を各々が組み立て、まずは簡単な音出しから。その日のうちに『聖者の行進』くらいは吹けるようになっていた。クラリネットみたいな音色を出す若い女性がいたので、講師の方が質問すると、はたして高校時代、吹奏楽部でクラリネットを吹いていたという。おもしろいものだ。

受講者の中に、オーストラリアの方もいたので、ついでに英会話の勉強にもなるかなと思ったが、この方はすぐに帰国することになり、開講したレッスン教室には現れなかった。ともかく、こうして本格的なサクソフォンのレッスンが始まった。

山口正介

■山口正介〔やまぐち・しょうすけ〕

作家。映画評論家。1950年生まれ。桐朋学園芸術科演劇コース卒業。劇団の舞台演出を経て、小説、エッセイなどの文筆の分野へ。主な著書に『正太郎の粋 瞳の洒脱』『ぼくの父はこうして死んだ』『江分利満家の崩壊』など。2006年からヤマハ大人の音楽レッスンに通いはじめ、アルトサクソフォンのレッスンに励んでいる。

 

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文/ 山口正介
photo/ 長坂芳樹