今月の音遊人
今月の音遊人:平原綾香さん「未来のことを考えず、純粋に音楽を奏でる人こそ、真の音楽家だと思います」
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「ATZINA(アッツィーナ)」のメンバーは、4人それぞれが独自のカラーを持っている。
ボーカル&ギターのATZY(アッツィー)こと髙橋篤史さんが「好きなのはチャゲアスとかゆずとか王道なJポップ」と話す一方、ギターの嘉納靖治さんは「Jポップでもブルーハーツとか、ロックなほうが好き」。僕はジャズフュージョン」とベースの平川慶一さんはいい、ドラムの小野寺宏さんは「アニソンとかパンク」と、音楽の嗜好はみごとにバラバラ。となれば、一体どんなジャンルのバンドなのだろう。
ATZINAが演奏するのは、すべてオリジナル曲。まずは、髙橋さんが作詞作曲するが、この時点ではすべてフォークだ。それらをメンバーがアレンジして完成させるため、ロック色をまとった曲が出来上がることもあれば、ジャズっぽくもパンクっぽくもなるのだという。
そんなしなやかさが魅力のこのバンドは2007年に結成された。当初のメンバーは、仕事の取引先として知り合った髙橋さんと嘉納さんのほか、仕事仲間の2人。その後、何度かメンバーが入れ替わり、5年ほど前に現在のメンバーとなった。バンドマスターの平川さんはいう。「役回りというかキャラが全員違う。でも、根本はみんな思いやりがあるんです。それがこのメンバーで長く続けられている理由かな」
今やメンバー全員が、30代半ば。バリバリ仕事をこなす会社員の彼らの練習は、隔週一回程度。平日21時〜24時の時間帯がほとんどだ。メンバーいわく、飲みに行く代わりにスタジオに来る感覚だという。3時間練習しても一人2〜3千円と安く、体にもいい(笑)とか。
年4〜6回のライブは、毎回大好評。4人が磨きをかけたオリジナル曲はすでに30曲までになった。「ライブに来た人に楽しんでもらいたいと思って曲をつくっています。ただ、そのなかに深い言葉を入れるということはいつも心がけていますね。ライブではお客さんに歌詞カードを帰り際に渡すのですが、それを見たときに気付きがあるような。でも、重くならない曲をつくりたいんです」(髙橋さん)
実はATZINAは、ちょっとした実力の持ち主である。カラオケチェーン店が開催したイベントでオリジナル曲の配信権を獲得したり、アマチュアバンドの勝ち抜きトーナメント「天下一音楽会」では、厳しい予選を見事勝ち抜き、Zepp 東京で演奏した経験もある。「自分たちがビッグになりたいというよりは、そんなふうになることでまわりが楽しんでくれたらいいですね」(嘉納さん)「常に上は目指しているけれど、自分の根底にあるものを崩さないようにつくっていって、気付いたら多くの人が聴いてくれている。そういうスタイルじゃないと、このバンドは崩れちゃうと思うんです」(髙橋さん)
いろいろな人の前で演奏して、楽しんでもらうことがモットー。その一環として、メンバーは今後の目標にラジオ番組と野外フェスへの出演を挙げた。
彼ら自身もまた、本気で音楽を楽しんでいた。だからこそ、みんなを楽しませることができるのだ。
●バンド名:ATZINA(アッツィーナ)
●結成時期:2007年
●モットー:ハートフルな笑い
●練習頻度:2週間に1度
●平均年齢:34.5歳
●メンバー:髙橋篤史(ボーカル、ギター)、嘉納靖治(ギター)、平川慶一(ベース)、小野寺 宏(ドラム)、井坂太郎(ドラム)※サポート・ドラマー
●活動内容:年4〜6回程度のライブを、東京を中心に、ライブハウスなどで行っている。曲はすべてオリジナル曲。
文/ 福田素子
photo/ 村上一光
tagged: われら音遊人, ATZINA(アッツィーナ), アマチュアミュージシャン
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