今月の音遊人
今月の音遊人:菅野祐悟さん「音楽は、自分が美しいと思うものを作り上げるために必要なもの」
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ステージマネージャーひと筋に、楽員とともにハーモニーを奏で続ける/オーケストラのステージマネージャーの仕事(後編)
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2017.1.18
tagged: オーケストラ, オトノ仕事人, ステージマネージャー, 東京交響楽団
オーケストラが演奏活動をするうえで欠かせない存在であるステージマネージャー。今村さんはどのような経緯でこの仕事についたのだろうか。
「大学で学生オーケストラに入っていて、後輩に紹介されて東京交響楽団で楽器運びのアルバイトをしたのがきっかけです」。そこで初めてステージマネージャーという存在を知ったのだという。「アルバイトをしながらステージマネージャーの仕事を見ていて、いつか自分もやってみたいと思うようになりました」
大学を卒業するとき、ちょうど先輩のステージマネージャーがやめることになり、正職員として採用。以来、ステージマネージャーひと筋で東京交響楽団の演奏を支え続けてきた。
学生オーケストラ時代は打楽器を担当していたという今村さんだが、いまは演奏を“ステージ裏で聴く”のが日常。どんな現場でも常に変わらない姿勢で臨むというが、好きな演目のときは少しばかり様子が異なるらしい。
「シベリウスの交響曲第七番とマーラーの第七番が好きで、これらが演奏される公演のときはちょっとテンションが上がってしまいます」と笑う。そんな“オーケストラ愛”にあふれた今村さんが支えているからこそ、楽員も安心して演奏に集中することができるのだろう。オーケストラの一員として、ステージマネージャーもまた、楽員とともにハーモニーを奏でているのだ。
Q. 子どものころになりたかった職業は?
A. 小学校低学年までは体育の先生になりたかったですね。ソフトボールをやっていて、けっこう活発な子どもだったんですよ。でも小学校5年生のときに足の病気にかかってしまい、激しい運動をすることができなくなってしまったので、その思いは立ち消えとなりました。
Q. ステージマネージャーになっていなかったら何の仕事をしていた?
A. ぜんぜん想像がつかないですね。大学時代に学生オーケストラの後輩に誘われてこの世界に足を踏み入れ、それがそのまま今に繋がっていますから、将来を考えて就職先を探したということがないんですよ。好きなクラシック音楽の世界に関わっているうちに、ステージマネージャーになってしまったというわけです。
Q. これまでに演奏経験のある楽器は?
学生オーケストラで打楽器を担当していましたが、それまでは楽器を習ったことがありませんでした。でも打楽器には興味を持っていたんです。それは、兄が持っていたレコードの影響ですね。NHKで放送していた『コスモス』という宇宙番組のBGM集でした。その中にクラシック音楽も入っていて、そこでの打楽器演奏に感動してしまったんです。小学校3年生くらいのときだったかな。その思いがずっと残っていたので、学生オケに入って打楽器を志望しました。でも、卒業してからはまったく演奏はしていませんね。
Q. 他のオーケストラの公演を鑑賞することは?
A. 時間に余裕があれば出かけたいのですが、なかなかコンサートに行く時間がとれないのが現状です。ただ、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が来日した時は別でした。そのときの演目がマーラーの交響曲第七番。大好きな曲ですからこれは聴き逃すことはできないと、必死で仕事の調整をしてチケットを取りました。
Q. プライベートでよく聴く音楽は?
A. クラシック音楽も聴きますが、ロックも大好きです。ジャンルとしてはプログレッシブ・ロック、特にイエスが好みです。ヴァンゲリスもよく聴いてますね。
Q. 休みの日の過ごし方は?
A. 家事をしていることが多いですね。一人暮らしをしていた時期が長いので、掃除、洗濯、料理、だいたいなんでもできます。やってほしいと言われるからやるのではないんですよ。好きなんですね。自分で勝手にやっています(笑)。
文/ 唐沢耕
photo/ 坂本ようこ
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