今月の音遊人
今月の音遊人:藤井フミヤさん「音や音楽は心に栄養を与えてくれて、どんなときも味方になってくれるもの」
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初心者も経験者も関係ない、みんなで音を出しているだけで楽しいんです!
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2016.5.31
アルトサクソフォンのレッスンがはじまり、気づいたことがある。僕は左利きなので、左手の運指にあまり不自由がない。特に誰もが大変そうな左手の小指の運指では得をしているようだ。しかしその分、低音を受け持つ右手が上手く動かない。なかでも右手の小指が受け持つ最低音では筋力を育てる必要があるようだ。これが、今後の課題となるだろう。
原則としてレッスンは月に3回で各1時間である。ただ、やむを得ず月2回、月4回になることもある。ともかく年間で36回になるように調整しているらしい。
同じクラス、5名の楽器歴はそれぞれ、まちまちで、僕のように楽器購入時にはじめてサクソフォンにさわったという、まったくの初心者は、あと1名のみであった。
あまり経歴などに関しては話さなかったのだが、中学高校で吹奏楽を学ばれていた方がほとんどであったような気がする。また別に個人的にバンドをやっている方もいて、基礎訓練のために、ここに来ているという。
女性たちは譜面が読めるのでうらやましくもあった。
およそ現在、30歳ぐらいまでの女性ならば、かなりの方が譜面を読めるらしい、という新聞記事を読んだような記憶がある。これは近年の小中学校ごろの音楽教育が飛躍的に進歩しているためではないだろうか。
男性で譜面が読める人が少ない理由は分からない。これは僕の印象でしかなく、読める方は多いのかもしれないが。
ともかく、僕の世代では学校の音楽教育はまだまだ試行錯誤の時代だったのだろう。小学校のとき、クラスで一人だけピアノをならっていた女子生徒がいて、先生の出す課題は彼女しかできない、という状態だった。
ということで、僕たちのレッスンではほとんどが楽器の経験者であり、まったくの初心者は僕ともう1名だけであったが、クラスの調和はとれていたと思う。なにしろ一定の音を出しているだけで楽しいという段階なのだ。音の組み合わせで曲が聞こえてくるだけで面白くてしようがないというレベルである。レッスン後の会話も自ずから弾むのだった。そのときは、多少、お酒も入るのだが。
先日、地元のジャズバーで店主と話していて、あることに気づきました。ルビー・ブラフ(トランペット)、ジョージ・バーンズ(ギター)、スコット・ハミルトン(テナーサクソフォン)などを好んで聴いていることを話したら、店主がそれは中間派だよと教えてくれました。中間派ジャズというのは、スイングとビバップの時代の間に位置づけられるジャズスタイルのことらしい。近頃は聴く人も少なくなり、愛好者はジャズファンのなかでも10人に1人ほどではないかという。そんなことは考えもせずにジャズを聴いていたのですが、いつの間にか自分がコアな中間派ファンになっていたなんて思いもよりませんでした。サクソフォンのほうも、知らないうちに上手くなりませんでしょうかね。
作家。映画評論家。1950年生まれ。桐朋学園芸術科演劇コース卒業。劇団の舞台演出を経て、小説、エッセイなどの文筆の分野へ。主な著書に『正太郎の粋 瞳の洒脱』『ぼくの父はこうして死んだ』『江分利満家の崩壊』など。2006年からヤマハ大人の音楽レッスンに通いはじめ、アルトサクソフォンのレッスンに励んでいる。
文/ 山口正介
photo/ 長坂芳樹
tagged: 大人の音楽レッスン, サクソフォン, ヤマハ, 山口正介, レッスン, パイドパイパー・ダイアリー
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