今月の音遊人
今月の音遊人:諏訪内晶子さん「音楽の素晴らしさは、人生が熟した時にそれを音で奏でられることです」
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天上の響きを自宅で楽しめるとしたら!?進化するオルガンの魅力を掘り起こす/大木麻理インタビュー
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2017.7.12
荘厳な響きと圧倒的な表現力で世界中の人々を魅了するパイプオルガン。多数のパイプを要するとても大きな楽器のため、教会やコンサートホールなどで目にすることが多い。一方で、近年では個人でオルガンを楽しむ人が増えているという。それはいったいどういうことだろう。
まずはこちらの演奏動画で、話題のオルガンの音色を味わってほしい。
深い余韻が石造りの大聖堂や古い教会を思い起こさせ、風格ある美しい響きが魅力的だ。しかし、「パイプはどこにあるの?」「野外で演奏?」と不思議に思った方も多いはず。実はこの楽器、風が生み出す自然で豊かなパイプオルガンの響きを最新テクノロジーで再現した電子楽器、イタリア・バイカウント社のオルガンなのだ。
心の奥底まで染み入る圧倒的な響きは、パイプオルガンの構造やパイプを抜ける音の共鳴、倍音などのデータを1音1音、解析することによって生み出されたもの。鍵盤にも、空気圧で音を出すしっかりしたタッチがリアルに再現されている。東京都中央区にあるショールームを訪ね、動画の演奏者でオルガニストの大木麻理さんにお話をうかがった。
「アンサンブルから室内楽、シンフォニーのような大曲まで一人で演奏できること、指揮者のように作品を深く研究し演奏することがオルガニストの醍醐味」と語る大木さん。そんなオルガニストにとってバイカウント社のオルガンは「作曲家が想像したであろう音色を再現しやすい楽器」だという。教会やホールなどの建造物と一体となって設置されるパイプオルガンは、まさに1台ごとの特注品。それだけに、楽器それぞれの個性も豊かで、音色を決めるストップ(ボタン)を作曲家の指定通りに設定したとしても、必ずしも一定の音色が作れるとは限らないのだという。
「ですから、オルガン奏者は常に作曲家の求めた音を研究し、どの音色をどう組み合わせたら理想の音色が作れるかを工夫しています。また、パイプオルガンは造られた時代や国によって様式や音色が異なります。そうした背景も考えた上で、作品にふさわしい音色を決め、演奏前の準備(レジストレーション)をします。その点バイカウント社のオルガンは、時代や様式の異なるオルガンの音色を理想的に作り出すことができ、しかもそれをボタンひとつで切り替えることができます。時代や国を超えた自由なプログラムを組むなど、生の楽器では不可能なことを可能にしてくれる点にも、大きな魅力と可能性を感じています」
もうひとつの特徴は、どこにでも設置できるということ。そのため最近では、教会や結婚式場をはじめ、プロ奏者やオルガンを学ぶ学生の練習用として、またピアノ指導者のレッスン室にも置かれるようになってきたという。オルガンが習える大人のための教室が増えたことも、オルガンを楽しむアマチュア演奏家の輪を広げているようだ。
大木さんもご自身が教えるレッスンで、近年のオルガン熱の高まりを実感しているという。
「一般の愛好家の中にはとてもオルガンに詳しいかたもおられ、こちらが驚かされるほどです。また、コンサートなどでオルガンの音色を聴き、いつか弾いてみたいと憧れていたという方が習い始める例もありますね。そうした方たちにとってこのオルガンは、気軽に演奏が楽しめる最適な楽器だと思います」
歴史を感じさせる風格と優美で豊かな音色を聴かせるバイカウント社のオルガン。伝統の重みと最新技術の融合によって誕生したこの楽器が、“オルガンの世界”をぐっと身近な存在にしてくれたといえるだろう。
実際に楽器に触れてみたくなったら、試奏もできるオルガンショールーム、もしくは展示のある楽器店へ!
クラシックオルガンは、パイプオルガンの音色を電子で再現する楽器です。バイカウント社(イタリア)は、50年以上の実績があるクラシックオルガンの代表的なメーカーで、欧米、アジア、アフリカなど世界各国で高い評価を得ています。
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バイカウント社のオルガンを展示、試奏も可能(要予約)
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パイプオルガンのしくみや弾き方、マメ知識を紹介
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