今月の音遊人
今月の音遊人:横山剣さん「音楽には、癒やしよりも刺激や興奮を求めているのかも」
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ピアノを購入したいと思ったとき、自分の家にも置けるのか、置き場所はどこにすべきか悩む人も多いのではないでしょうか。また、大きくて高価な楽器だけに、引っ越しするときの搬入も心配。そんな不安にお答えします。
アップライトピアノの大きさは、ヤマハの現行モデルでは、間口は147~156cm×奥行き60~68 cm。例外はありますが、高さは121cmタイプと131cmタイプに分かれます。さらに、ピアノは椅子に座って弾きますから、その分を加えて必要スペースを考えましょう。
重さは210~275㎏。そんなに重いの?と驚くかもしれませんが、これは成人男性3人分ほどの重さ。本棚に本をびっしり入れたときと同じぐらいといわれます。グランドピアノの場合、高さは100㎝前後、間口は150㎝前後ですが、奥行きは149~227㎝、重さは255~410kgとタイプによって幅があります。320kgのC3Xなら、成人男性約4人分の重さです。ただ、住宅構造はそれぞれ違うので、設置の可否や床の補強が必要かどうかなどは施工店やマンションの管理業者などに確認してみることをおすすめします。(下記は現行製品の一部です)
設置場所は直射日光が直接当たらない場所が望ましいのですが、カーテンなどで工夫をすることもできます。気を付けたいのは、浴室の近くなど湿気がたまりやすい場所です。また、エアコンの吹き出し口から直接風が当たる場所は、ピアノ内部の結露の原因にもなるので避けましょう。できれば床暖房の熱源の真上は避け、やむを得ない場合は断熱材ボードやカーペットなどを敷くといいでしょう。
置き場所を決める際には、ドアの開閉はもちろんのこと、電気スイッチの位置など細かいチェックも忘れずに。
ピアノは存在感が大きいだけに、設置した際の部屋の雰囲気も気になります。そんなときに利用したいのが、ヤマハの「部屋置きシミュレーション」など、家具とともにピアノ設置をシミュレーションできるサイト。また、スマホアプリ「RoomCo AR(ルムコ エーアール)」なら、スマートフォンのカメラを使い、画面に映し出された自分の部屋にヤマハのピアノやエレクトーン、さらにソファやテーブルなどを配置し3Dでシミュレーションできます。ピアノは一度設置してしまうと置き場所を変えるのが大変。事前にイメージやサイズ感をつかむのには最適です。
ピアノを移動する際には、はじめにピアノ専門の運送業者に依頼しましょう。ノウハウ、リスクなどの関係上、一般の引越し業者がピアノを運ぶケースはほぼなく、他の荷物と一緒に引越し業者に依頼しても、引越し業者がピアノ専門の運送業者に委託しています。ただ、ピアノ専門業者にもいろいろあり、自動演奏やサイレントなどの機能が付いているピアノの場合は、それらを取り扱っている業者に頼むとよいでしょう。
ピアノ専門運送業者に依頼するときは、一般的な引っ越しと同じようにまずは見積もりを取ります。その際、事前に機種を確認しておきましょう。ヤマハのアップライトピアノは、一番上の板(屋根)を開けると、フレーム(金属部分)右側上部に品番と製造番号が記されています。グランドピアノの場合は、鍵盤側の手前の屋根を開けると高音部側のフレーム右側にあります。
また、ピアノの引越しは住居の状況によって搬出入方法が変わり、価格が大きく変動します。現住所と何階に設置しているか、新住所と何階に設置するのか、マンションの場合はエレベーターの有無とそのサイズ(何人乗り・ドアの開き方)を伝えてください。エレベーターは一般的には6人乗り・9人乗りでドアは両開き・片開きがあります。両開きはエレベーターのカゴが四角に近く、片開きは幅が狭く奥に長いタイプです。
防揺・防音対策にプラスティック製のインシュレーターを使っている方は、引っ越しのタイミングで新しいものに交換するのもおすすめ。経年劣化やピアノの重さにより、ヒビ、割れ、反りが発生していることが多く、新居に設置したときのガタつきや床のキズの原因になるからです。搬入前に自分で準備するか業者に相談するといいでしょう。
ピアノを移動したときには、必ず調律が必要になることも念頭に。遠方に引っ越す場合などは、引っ越し先にある楽器店でピアノ専門運送業者や調律について相談するとスムーズかもしれません。
大切なピアノが実際、どんなふうに運ばれているのかも気になるところです。
マンションの場合、エレベーターでの搬出入が基本です。アップライトピアノなら、エレベーターは6人乗りの片開き※、9人乗りの両タイプが可能。グランドピアノは9人乗りの片開きのみOK。戸建ての2階設置の場合は階段での搬入はほぼ不可なので、クレーンで搬入することになります。※121cm以下のアップライトピアノ
ピアノを搬出するときには、アップライトピアノでは鍵盤・妻戸台(キャスター設置板)にカバーし、全体にキルティングマットを掛けます。グランドピアノは足・ペダルを外し、専用の梱包材で梱包します。
トラックで運送し、トラックから玄関先までは台車に乗せて移動し、室内は担ぎヒモを使用し担いで設置場所まで歩いて運びます。
大きく、かつデリケートな楽器であるピアノ。購入を検討している方、引っ越しや模様替えなどで移動を考えている方は、事前に確認・準備をすることで設置や搬入に関する不安は解消されるでしょう。ぜひ、今回の記事を参考になさってください。
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文/ 福田素子
協力/ ピアノ運送株式会社 高瀬直哉さん
tagged: ピアノ, 引っ越し, RoomCo AR, 移動
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