Web音遊人(みゅーじん)

超豪華な講師陣によるレッスン動画を期間限定公開!ジャズの神髄を感じ、演奏のステップアップに活かせる特別企画

ジャズ・ミュージシャンを目指す日本の若者が、世界で活躍できる音楽家となるための手助けを――。2016年にスタートした「Seiko Summer Jazz Camp」は、本場ニューヨークの最先端で活躍する現役アーティストを講師として迎え、ジャズにどっぷり浸かる真夏の4日間。2020年は新型コロナウイルスの影響で残念ながら実施できなくなってしまったが、その代わりにスペシャルなレッスン動画が配信されることになった。
Seiko Summer Jazz Campの事務局長を務めるのは、北欧ジャズを中心に世界の音楽を紹介するレーベル、「Spice Of Life(スパイスオブライフ)」を主催している佐々智樹さん。佐々さんにSeiko Summer Jazz Campを始めたきっかけや、レッスン動画の内容を聞いていこう。

失われつつあるモダンジャズの魅力を、若者たちに

「スパイスオブライフは、北欧ジャズの作品をリリースすることから始まったレーベルですが、続けるうちにコネクションが世界中に広がっていきました。そんな中、アメリカで活躍する精鋭ミュージシャンで構成されるニュー・センチュリー・ジャズ・クインテットを手掛けることになったんです」
今や超売れっ子ベーシストである中村恭士や、俊英ピアニスト大林武司を擁する同クインテットは、毎年のように日本公演を行う人気グループだ。
「最近失われているグルーヴィーなモダンジャズをもういちど蘇らせたい、というのが彼らのコンセプトで、話をしているうちに、せっかく日本に来るなら、来日期間中に若者たちにジャズを教える場を作ったらどうか、ということになったんです」
佐々さんには、以前アメリカに住んでいたときに知ったサマーキャンプを、日本でもやってみたいという思いがあった。
「簡単に言えば合宿ですよね。私がアメリカにいた当時、自分の子どもが小学生で、夏休みになると何日かサマーキャンプに出かけ、帰ってくると、行く前よりも逞しくなっているわけです。アメリカには音楽を学ぶキャンプもたくさんあります。それを日本でもやりたい、と同クインテットのメンバーに言ったら『ぜひ協力したい!』と言ってくれました」

開催に関する資金面では、スポーツと音楽に力を入れているセイコーホールディングス(株)がサポートをしてくれることが決まった。こうしてSeiko Summer Jazz Campの準備が整った。

4日間のキャンプではみっちりジャズを学ぶ。精鋭ミュージシャンが講師につき、若者たちにジャズを教える。(いずれもSeiko Summer Jazz Camp2019の様子)

ジャズにどっぷり浸かる4日間

Seiko Summer Jazz Campの参加費は無料(交通費、宿泊費等の諸経費は自己負担)。しかし、参加するには事前にオーディションを受ける必要があり、これを通過した各パート5人、総勢40人だけが受講できる狭き門だ。
「オーディションの審査は各講師が行うのですが、テクニックはもちろんのこと、演奏の様子から、レッスンについてこられるだけの熱意があるかどうかを読み取って決めているみたいですね」
4日間のキャンプは、朝から晩までとにかくジャズ一色だ。楽器別のマスタークラスに加え、コンボあるいはビッグバンドでの実習、また作曲/アレンジメントの講義や、ジャズの歴史を学ぶ座学などもあり、最終日にはガラ・コンサートで成果を発表。打ち上げでは講師、受講者関係なくセッションで盛り上がる。

実習では、楽器別練習のほか、コンボ(写真左)ビッグバンド(写真右)でも演奏する。(いずれもSeiko Summer Jazz Camp2019の様子)

講師は、先に出たニュー・センチュリー・ジャズ・クインテットのメンバーや、その周辺のミュージシャンたち。トロンボーンのマイケル・ディーズをはじめ、シーンの中核を担うだけでなく教育者としても活躍しているのが特徴で、ウォーミングアップから始まりスケール練習の仕方、コンボやビッグバンドの練習まで、つきっきりできめ細かい指導がなされていく。その様子には「皆さんは本当に教えるのがうまいですね」と佐々さんも舌を巻く。
「受講者はもともと力量あるプレイヤーたちなのですが、講師たちの指導に『いっそうジャズに興味が湧いた』と感化されて帰っていきます。技術的な部分のみならず、メンタル面でも得るものが多いみたいですね。過去の受講者には、講師を訪ねてアメリカに留学したり、プロとしての活動を開始したりした方もいるんですよ」

楽器に関係なく演奏へのヒントが詰まったレッスン動画

さて、冒頭でも触れたとおり、2020年はキャンプが開催できなくなってしまったのだが、「Web Jazz Camp ~Special lessons~」と題して、各講師によるレッスン動画が配信されることになった。しかも、誰でも無料で視聴できるという本当にスペシャルな企画だ。本来、実施されるはずだった8月11日~14日に、各講師による15分ほどのレッスン動画が日々アップされていく(英語には字幕がつく)。その内容を、少しだけ、佐々さんに語ってもらった。
「実際のレッスンと同じように、最初はウォーミングアップから始まり、徐々にインプロビゼーション(即興演奏)へと移行していきます。ドラムの講師を務めるクインシー・デイヴィスはジャズ創世記の、ディキシースタイルのリズムのとり方を教えてくれていたりして、興味深いですね」

最終日の動画では、講師全員が「みんなに知ってほしいこと」というテーマで講義を行う。
「この動画では、どの講師も工夫を凝らしていますから、どれも必見ですよ。特にボーカルのシェネル・ジョンズは、『Everyone Can Sing. 歌うことはすべての楽器に通じるんです』というコンセプトで構成していて、面白かったですね」
残念ながら、ベースの中村恭士はツアーの関係で参加できなくなってしまったが、代わりに重鎮ロドニー・ウィテカーが講師を務めることになった。トランペットは若手の注目株ベニー・ベナック、ギターにイスラエル出身の実力派ヨタム・シルバースタイン、ピアノは前述の大林武司、そして特別顧問として日本を代表するビッグバンド・リーダー守屋純子と、超豪華なラインアップ。動画は9月末まで配信されるので、ぜひこの機会に貴重な講義を体感したい。
「サクソフォンのディエゴ・リベラはいつもこう言っています。『ジャズは本当に素晴らしい芸術です。世界中のどこであっても、たとえ言葉が通じなくても、またライフスタイルや文化・習慣が全く違っていたとしても、ひとたびブルースが始まるとジャズ・ミュージシャンなら全員どうすれば良いかが分かると思います。これこそが、ジャズが本当の意味での世界共通言語になり得る理由なのです』。楽器を始めようとしている方、今年のキャンプに参加しようと準備していた方、いつかチャレンジしてみたいと思っていた方、また、リベラが言うようなジャズの真髄を感じてみたい方、時間の許す限り、一本でも多くの動画を観ていただくと、自分の楽器でなくとも音楽を楽しむヒントがいたるところに見つかると思いますよ」(佐々さん)

■Web Jazz Camp ~Special lessons~

オンラインレッスン配信予定:2020年8月11日(火)〜14日(金)
※動画は2020年9月末まで公開
オフィシャルサイトはこちら

YouTube公式チャンネル オフィシャルTwitter オフィシャルInstagram

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