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ヤマハK-ONB(けいおん部):自分でできる!エレキギター&ベースの弦交換講座 その3「チューニングにチャレンジ!」
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2022.12.28
ギターとベースの弦交換を自分で行う体験講座の最終回。弦の張り替えを終えたら、次はチューニングだ。最後に、弦交換を経験した4人にも感想を聞いてみよう。
チューニングとは、弦の張り加減によって、正しい音程にあわせる作業で、チューナーと呼ばれるアイテムが必要だ。
左はペダル型チューナーと呼ばれるチューナー。楽器を直接シールドとつなぐため、より精度の高いチューニングが可能。右のクリップ式チューナーは、小さく軽く比較的安価で手に入り、シールドにつながずに気軽に使用できる。なお、バンド内のギタリスト、ベーシストで、同メーカー・同タイプのチューナーを使用するのがオススメ。
弦が張れたら最後に仕上げのチューニングを。講師の山下さんのアドバイスを受けながら、チューナーを使ってピッチを合わせていく。
最初に1回、ペグを大きめに回して弦を緩めてピッチを下げます。そして、ペグを締めて弦を巻きあげ、ピッチが低い方から高い方に上がっていく過程で合わせるのがコツだ。
すべての弦のチューニングが終わったら、余った弦をカットしよう。弦を上に向けて、できるだけペグポストに近いところを切る。楽器を傷つけないように、怪我をしないように。そして張った弦を切らないように注意しよう。
弦を切り終わったら念を入れてもう一度チューニングをチェック。
無事チューニングができた……と思ったところで、山下さんが張ったばかりの弦を指板上で上下させて、大胆に伸ばして見せる。 えっ、せっかく音を合わせたところなのに?しかし、実はこの行程が大事だという。
「張り替えた弦が安定するにはしばらく時間が必要です。でも繰り返しチューニングすることで安定していきます」とのこと。そのため、弦交換のタイミングは本番から逆算して考えるのがよいそうだ。
緩んだ弦を、今度は山下さんが再びチューニング。プロのテクニックを見せてもらい、その手際のよさに一同感激したところで講座が終了した。
「この体験は、とても勉強になったと思います」と語るのは、同校軽音楽部顧問の室井利仁先生。「自分を表現する楽器ですから、自分でしっかりメンテナンスや調整をできるようになってほしい。それができて初めて、いいパフォーマンスができるのだと思います。そして、自分の楽器を大切にするからこそ、部の楽器や機材も大事に扱えるのだと、生徒たちに指導しています」
室井先生の言葉にもあるように、今回の体験講座は単に弦交換のノウハウを学んだに止まらない収穫があった。楽器との接し方、音楽に向かう姿勢を見つめ直す、よい機会にもなったのではないだろうか。
ずっと軽音楽部に憧れていた、という松浦さんは、今回の体験を演奏にもつなげていきたいと話す。「実は弦を買ってあったのですが、1人でやる自信がなくてそのまま持っていました。今回、体験してみて、自分でできることを実感することができました。また、張り終わってからも弦を伸ばすといったチューニングの話が聞けて、とても勉強になりました」
また、これまでも自分で弦の交換をしたことがあるという後藤さんは、「難しかったのは、張っていく時に右手でテンションをかけ続けるところ。でも全部が成長の糧になると感じました。楽器との一体感が感じられたことが興味深かったです」。この講座で、改めて弦交換のおもしろさも発見し、さらに楽器への愛着も湧いたという。
お父さんが弦を交換しているのを見ていた、という松本さん。「難しそうだと思っていたけれど、意外とスムーズにできて自信がつきました。巻き残しの長さを調整するのがコツかなと思いました。右手で押さえている弦が締まっていく感覚もつかめました」
弦交換の動画を見たことがあるという金木さんは「力加減など、動画ではわからないこともあったので、実際にやってみることができてよかったです」と語る。「時間をかけて弦交換をしてみて、前よりも自分の楽器が好きになりました。これからも、もっともっと楽器を大切にしていきたいと思います」
ギターの弦には30〜40Kg、ベースの弦には70〜80Kgの荷重がつねにかかっているそうだ。
「それだけの力がかかっているので、張ってあるだけで弦は痛んでいきます。弦には寿命があることを覚えておきましょう。そして、弦を張り替えることを音楽活動のひとつと考えてほしいです。今日やったことは基本的なこと。自分好みの楽器にするのは、ここからがスタートだということを覚えておいてくださいね」
体験講座を終え、部員のみなさんが、少し自信をつけたような表情になっていたのが印象的だった。山下さんの言葉通り、ここからがスタート。さらに楽器を愛でて、楽器と音楽を掘り下げていってほしい。