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ヤマハK-ONB(けいおん部):自分でできる!エレキギター&ベースの弦交換講座 その1「弦を外してみよう」
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2022.12.28
あらゆる音楽シーンで根強い人気を誇るギター、そしてベース。自分の楽器を持ったときの充実感、ワクワク感は、きっと生涯忘れられないだろう。弦の張り替えも自分で行えば、楽器への愛着もさらに高まるはず。
そこで今回は、プロの指導のもと、高校生たちが「自分で弦を交換するための講座」を体験した。
体験講座に参加したのは、東京都立武蔵丘高等学校 軽音楽部1年生のみなさん。
同部は、軽音楽コンテストの全国大会などでも数々の受賞歴がある部活動。これまでに100校、2,000バンドが出演したという合同ライブ「来武祭」を主催し、企画・運営から機材のセッティング、出演までも生徒が主体となって行うという。卒業時には、レコーディングからすべて自分たちで制作するオリジナルCDを作るなど、とても充実した活動を行っている。
この日は1年生部員のうち、エレキギター、ベース担当の4人が実際に弦の交換を体験。ドラムやキーボード担当の部員も、「仲間の楽器のことをちゃんと知っておきたい」と熱心にメモを取りながら、真剣な眼差しで見つめている。講師の山下さんの説明を一言も聞き漏らすまいという緊張感の漂うなか、いよいよ講座がスタートした。
(写真左)エレキギター(REVSTAR)を担当する1年生の後藤奏大さん。
(写真右)エレキギター(PACIFICA)を担当する1年生の松浦志歩さん。
(写真左)ベース(TRBX)を担当する1年生の松本奈緒さん。
(写真右)ベース(BB)を担当する1年生の金木聖華さん。
まずは、弦を外すところから。準備する道具は、弦を切るときに使うニッパー、弦交換の時にしか拭けないところを掃除するためのギタークロス、そして左奥に3つ並んでいるのがストリングワインダー。ストリングワインダーはなくてもできるが、弦を緩める時と巻き上げる時にあると便利だ。
楽器は、傷がつかないようにタオルなどを敷いた上に置こう。はじめにペグを回し、弦の張力を感じないくらいまで緩んだら、1本ずつ弦をニッパーで切っていく。この時、楽器を傷つけないように、また、手や指などをけがしないように気をつけよう。ベースは弦が太いのでやや力が必要だが、焦らずに1本1本、ゆっくりやれば大丈夫。
弦が切れたら、ヘッドの方から弦を外していく。外した弦は下の画像のように、きれいに丸めて処理しよう。
弦を外したところで、指板やフレットなどいつもは手が届かない部分を中心に、ギタークロスを使って掃除しよう。ほこり、指紋などを丁寧に拭き取りながら、このタイミングでしか気づけない指板やボディー、ピックアップの状態などもしっかりチェックしよう。
(写真左)楽器を傷つけないように、タオルなどを敷いて準備しよう。
(写真右)1本ずつ順に、ゆっくりペグを緩めていく。ストリングワインダーを使うと、力を入れず作業が楽にできる。
(写真左)弦を緩めたら、けがをしないように注意しながら弦を切る。
(写真右)この機会を逃さず、ふだんは拭けないところをきれいにしつつ状態も観察しよう。
「演奏していても弦が切れたことがないから」という理由で、楽器を買ってから一度も弦を張り替えていないという人は意外に多い、と語る山下さん。しかし、ここぞという時に弦が切れてしまったら演奏ができなくなる。とくに本番前など、練習時間の長くなる時期にトラブルが表面化するのはギターに限ったことではない。日頃から楽器のメンテナンスを心がけたいものだ。
また、弦交換はいろいろなことに気づける好機でもあるという。
「金属と金属が当たるフレットは削れてしまう部分なのですが、よく弾いているところほど削れて、状態によっては擦り合わせなど楽器店での調整が必要になる場合もありますが、それは練習した証です。弦の張り替えの時だから確認できる貴重な機会、こうしたことも含めて自分の楽器に愛着をもってほしいなと思います」
自分の楽器の状態を知ることは、演奏技術の向上にもつながるはず。
次はいよいよ弦を張っていく工程へと進んでいきます!