今月の音遊人
今月の音遊人:大江千里さん「バッハのインベンションには、ポップスやジャズに通じる要素もある気がするんです」
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メンバーは10代から50代までの男女10人ずつ、合わせて20人の大所帯。楽器構成もリズムセクションや管楽器に加えて、三線、スティールパン、アコーディオン、テルミン、ジャンベ、さらにダンスやボイスなど、ほかでは見かけない構成。実にユニークなバンドだ。「AOSABAは、とある音楽のワークショップで一緒になったメンバーたちが『このままバンドにしようよ』ということになって結成されました。発起人の好物がしめ鯖だったので、AOSABA(青鯖)というバンド名になったんです」と語るのは、バンマスでトランペット担当の山田美穂さん。
「だから楽器編成もいわゆるバンドらしくないし、大学生、会社員、自営業、編集者、広告制作業とメンバーの職業や年齢はバラバラ。そこが面白いと思っています」
曲はすべてオリジナルで、ロックやファンクをベースにしつつ、ジャズやアバンギャルドな要素が混在する。また演奏スタイルも独特で、指揮者のような役割の「ダンドリスト」の指示で演奏中に曲がどんどん変化していく。「ベースが二人いたり、スティールパンと三線のように普通だったら一緒にやらないような楽器もいたりと、楽器編成が独特なので、この編成の面白さを活かせる曲を作って、即興でアレンジしながら演奏しています」
それにしてもこれだけの大人数。バンド運営には苦労が多そうだ。「なかなか全員は揃わないので、練習はいつも録音してネット経由でデータを共有します。そうすれば休んだ人も練習で何をやったかわかりますからね。でもメンバーが多いと人づてにライブのお誘いもいただきやすいし、なんと言っても打ち上げが楽しいです(笑)」
とはいえ、メンバーの年齢差による世代的なギャップはないのだろうか?
「それはないですね。むしろ普段の生活では出会わない世代の人と演奏できるのが嬉しいとか、知らない音楽の話が聞ける、などポジティブな声をよく聞きます」
確かに練習でも笑いが絶えず、意見の交換も活発。世代間のギャップは感じられない。「この前、会議室を借りて『次のライブはどうする?』ってバンド全体でミーティングをしたんですが、ホワイトボードがいっぱいになるほどアイデアが出ました。やっぱりメンバーが多様だと発想も多彩になりますね」
彼らの音楽は、ますます面白いものになっていきそうだ。
●バンド名
AOSABA
●結成時期
2013年5月
●モットー
音も人も、展開し続ける、発展し続ける、成長するバンド
●練習頻度
月1回。ライブ前は月2回くらい。
●平均年齢
35歳前後
●メンバー
池谷恵司(指揮&トランペット)、天神直樹(トランペット)、山田美穂(トランペット)、荒幡純子(トロンボーン)、滝口幸子(トロンボーン)、関根優子(サクソフォン)、赤岩陽子(三線&笛)、和田あずみ(スティールパン)、加賀谷泰幸(テルミン)、徳田満(アコーディオン)、おおたゆみこ(アコーディオン)、大山亮(ピアノ)、中村東(エレキギター)、柴田大樹(ベース)、ウチダヨシノブ(ベース)、吉田五輪生(ドラム&パーカッション)、江口剛士(ジャンべ)、宮下典子(ジャンべ)、森田智子(ボイス)、平口美雨(踊り 等)
●活動内容
東京都内のライブハウス出演や、地域の音楽イベントなどに参加。2013年にはいわき市の平七夕まつりにも遠征参加。
●AOSABA Facebook
https://www.facebook.com/aosaba.info
文/ 根本響
photo/ 佐藤佳穂
tagged: アマチュアミュージシャン, われら音遊人, AOSABA
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