Web音遊人(みゅーじん)

Char

日常から生まれたフレーズで完成した“独り言”のようなアルバム『SOLILOQUY』/Charインタビュー

2023年、デビュー46年目に突入し、いまもなお日本を代表するギタリストの一人として走り続けるChar。その革新的なギタープレイとジャンルを飛び越えたフレキシブルな音楽性は、多くのアーティストの羨望であり、目標となっている。
そんな彼がリリースする最新アルバム『SOLILOQUY』は、2009年に自身のレーベルであるZICCA RECORDSを立ち上げたときから録りためていたアイディアをもとに、ギター演奏はもちろん、トラックメイキングからプロデュースまで、すべて独りで作り上げた珠玉のインストゥルメンタル・アルバムだ。

共通するのは“全部俺ひとりでやっている”ということ

「毎日ギターを弾いたり、ピアノを弾いたりしていると、“こういうフレーズはまだ作ったことがないな”とか、“こんなコードは弾いたことがないな”というのがいろいろ出てくる。そういったものをパソコンに録音し、データ化したものがたくさんあって。あとはフレームを付けるだけで絵画になる、というレベルのものはミュージシャンを集めてレコーディングして、リリースしたりもしたけれど、デッサンのような状態のまま終わっているものもある。それらを改めて自分独りで完成させたのが、この『SOLILOQUY』なんだよね」
憧れのジェフ・ベックからインスピレーションを受けたという『Jeff~Soliloquy~』のような曲もあれば、骨太なリズムをバックにギターがグルーヴィーに歌いまくる『Gojimade Matenai』や、軽快なカッティングが爽やかな夏空を想起させる『Micca Bozer』など、ジャンル感もギターの響きも千差万別な12曲が収録されている。どの曲も自由で、欲しい音が素直に表現されており、まさにCharそのものが音となり鳴っているように感じられる。
「なにかコンセプトがあるわけじゃない。日常のなかで思いついたフレーズがひとつの文章になったり、絵になったりしただけのようなもので、共通するのは“全部俺ひとりでやっている”ということ。だから、まさに“独り言(SOLILOQUY)”という感じだよね」


Char New Album “SOLILOQUY” Teaser

楽器としての深さがエレキギターにある

レーベルが設立された2009年から14年間、その膨大な時間のなかで常にアイディアは生まれ続けてきた。それを可能にしたのは、Charがギターという楽器に深く魅了されているからだ。
「昔は70歳近くになるまでギターを弾いてるなんて思わなかったけど、いまもこうして弾いてるってことは、それだけ楽器としての深さがエレキギターにはあったってことなんだよね、きっと。だって飽きないんだもん。例えば、最近小指使ってないなと思って、モーツァルトの『トルコ行進曲』を練習してるんだけど、ピアノならなんなく弾けても、ギターだとちゃんと小指を使わないと弾けないんだよ。もちろん面倒くさい、辞めたいって思うこともあるけど、やり続けるのは、まだまだ上手くなりたいからなんだよ」

Char

ライブをやるために曲を作っているのかもしれない

そんなCharは、作品づくりはもちろん、ライブ活動も精力的に続けている。2022年はデビュー45周年記念のツアーを敢行し、2023年に入ってからもCharが10代のときに所属していた幻のバンドSmoky Medicineの復活ライブをはじめ、さまざまなイベントに出演している。

「やっぱりライブ、人の前で演奏したいっていうのが一番にあるよね。それをやるために曲を作っているのかもしれないね。スタジオクラフトっていうのは時間的制約もあって、割り切って作っている部分があるけれど、ライブっていうのはやり直しがきかないじゃん。あの緊張感が好きなんだよね」
ギターに魅了され、ライブに魅了され、走り続けるギターヒーローChar。アルバム『SOLILOQUY』で感じる自由な音楽のエネルギーは、彼が前進し続ける限り生まれ続け、これからも我々を魅了してくれることだろう。

■New Album『SOLILOQUY』

Char
発売元:ZICCA RECORDS
発売日:2023年7月31日(月)
価格:3,000円(税抜)
※初回盤(CD+トートバッグ):5,500円(税抜)
アルバム特設サイトはこちら
オフィシャルサイトはこちら

facebook

twitter

特集

Web音遊人_上原ひろみ

今月の音遊人

今月の音遊人:上原ひろみさん「初めてスイングを聴いたときは、音と一緒に心も躍るような感覚でした」

30587views

フランス映画音楽に魔法の粉を振りかけてきた作曲家の人生を追う映画『ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家』が公開

音楽ライターの眼

フランス映画音楽に魔法の粉を振りかけてきた作曲家の人生を追う映画『ミシェル・ルグラン 世界を変えた映画音楽家』が公開

1600views

楽器探訪 Anothertake

新開発の音響システムが表現力のカナメ。管楽器の可能性を広げる「デジタルサックス」

5483views

楽器上達の心強い味方「サイレント™シリーズ」&「サイレントブラス™」

楽器のあれこれQ&A

楽器上達の心強い味方「サイレント™シリーズ」&「サイレントブラス™」

42391views

コハーン・イシュトヴァーンさん Web音遊人

おとなの楽器練習記

【動画公開中】ハンガリー出身のクラリネット奏者コハーン・イシュトヴァーンがバイオリンを体験レッスン!

12018views

トーマス・ルービッツ

オトノ仕事人

アーティストに寄り添い、ともに楽器の開発やカスタマイズを行うスペシャリスト/金管楽器マイスターの仕事

4320views

久留米シティプラザ - Web音遊人

ホール自慢を聞きましょう

世界的なマエストロが音響を絶賛!久留米の新たな文化発信施設/久留米シティプラザ ザ・グランドホール

21992views

ズーラシアン・フィル・ハーモニー

こどもと楽しむMusicナビ

スーパープレイヤーの動物たちが繰り広げるステージに親子で夢中!/ズーラシアンブラス

17521views

武蔵野音楽大学楽器博物館

楽器博物館探訪

世界に一台しかない貴重なピアノを所蔵「武蔵野音楽大学楽器博物館」

25659views

上海ブラスバンド日本支部

われら音遊人

われら音遊人:上海で生まれた縁が続く大家族のようなブラスバンド

4136views

山口正介さん Web音遊人

パイドパイパー・ダイアリー

サクソフォン教室の新しいクラスメイト、勝手に募集中!

5449views

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅

35535views

おとなの楽器練習記

【動画公開中】ギタリスト木村大とピアニスト榊原大がトランペットに挑戦!

8664views

小泉文夫記念資料室

楽器博物館探訪

世界の民族楽器を触って鳴らせる「小泉文夫記念資料室」

26869views

徳永二男、堤剛、練木繁夫

音楽ライターの眼

スメタナの傑作、G線上の哀歌から流れ出す激情/徳永二男、堤剛、練木繁夫による珠玉のピアノトリオ・コンサート Vol.9

2923views

オペラ劇場の音楽スタッフの仕事 - Web音遊人

オトノ仕事人

稽古から本番まで指揮者や歌手をフォローし、オペラの音楽を作り上げる/オペラ劇場の音楽スタッフの仕事(前編)

34254views

われら音遊人

われら音遊人:オリジナルは30曲以上 大人に向けて奏でるフォークロックバンド

5707views

Pacifica

楽器探訪 Anothertake

「自分の音」に向かって没入できる演奏性と表現力/エレキギター「Pacifica」

4154views

サントリーホール(Web音遊人)

ホール自慢を聞きましょう

クラシック音楽の殿堂として憧れのホールであり続ける/サントリーホール 大ホール

26961views

パイドパイパー・ダイアリー

パイドパイパー・ダイアリー

もしもあのとき、バイオリンを習っていたら

6711views

バイオリンを始める時に知っておきたいこと

楽器のあれこれQ&A

バイオリンを始める時に知っておきたいこと

10289views

日生劇場ファミリーフェスティヴァル

こどもと楽しむMusicナビ

夏休みは、ダンス×人形劇やミュージカルなど心躍る舞台にドキドキ、ワクワクしよう!/日生劇場ファミリーフェスティヴァル2022

4640views

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする Web音遊人

音楽めぐり紀行

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする

12145views