Web音遊人(みゅーじん)

伝説のヘヴィ・メタル・バンド、ザ・ロッズが日本初上陸『JAPANESE ASSAULT FEST 17』開催

伝説のヘヴィ・メタル・バンド、ザ・ロッズが日本初上陸『JAPANESE ASSAULT FEST 17』

2017年11月4日(土)、5日(日)に『JAPANESE ASSAULT FEST 17』が東京・吉祥寺CLUB SEATAで開催されることになった。

今回で5周年を迎えるこのイベントは、これまでガールスクール(2013年)、セイタン(2014年)、エンフォーサー(2015年)、ブリッツクリーグ(2016年)という文字通りヘヴィ・メタルの“生きる伝説”たちを迎えてファンを熱狂させてきたが、2017年のヘッドライナーとして発表され、日本のメタル・コミュニティに激震が走ったのがザ・ロッズだ。

ザ・ロッズは1980年にニューヨークで結成。ギタリストのデヴィッド“ロック”フェインステインがロニー・ジェイムス・ディオ(レインボー~ブラック・サバス~ディオ)のイトコで、レインボー結成前のロニーとエルフで共演したことがあるというのが話題となり、インディーズからのデビュー作『Rock Hard』(1980)発表後にメジャーの『アリスタ・レコーズ』と契約。ファーストの楽曲に新録トラックを加えた『摩天楼の使者/ロッズ・ファースト』(1981)と『ワイルド・ドッグス/ロッズII』(1982)は地元アメリカのみならず、当時メタル・ブーム(いわゆるNWOBHM)下のイギリスでも人気を博した。なお両作は日本でも当時LPがリリースされている。

21世紀においても古びることのないドライヴ感のあるハードなロックンロールを聴くことができる初期2作だが、ザ・ロッズはまた別の功績でもメタル史にその名を残すことになる。ドラマー、カール・キャネディのプロデューサーとしての手腕である。彼はアンスラックスの『フィストフル・オブ・メタル』(1984)、『狂気のスラッシュ感染』(1985)、TT.クイックの『TT.クイック』(1984/ヴォーカルは現アクセプトのマーク・トーニロ)、エキサイターの『ヴァイオレンス&フォース』(1984)、オーヴァーキルの『フィール・ザ・ファイア』(1985)、ポゼストの『ビヨンド・ザ・ゲイツ』(1986)など、初期アメリカン・スラッシュ・メタルにおいて重要な位置を占めるアルバムの数々を手がけてきた。

もし彼がいなかったら、現代のスラッシュ・メタルの様相は異なったものになっていたかもしれない。

さらにザ・ロッズは『アリスタ』を離れた後も米『シュラプネル』『コンバット』、英『ミュージック・フォー・ネイションズ』などのメタル系インディーズを渡り歩き、手堅い人気を誇るバンドとしてメタル界を引っ張ってきた。

1986年の『Heavier Than Thou』と“キャネディ、フェインステイン、ボードナロ&コードル”名義で発表された『Hollywood』(ヴォーカルはリック・コードル)を残してザ・ロッズは活動を休止。カールはプロデューサー業に専念、デヴィッドはソロ活動やレストラン経営などを行ってきたが、2008年にベーシストのギャリー・ボードナロを含めた初期のトリオ編成で再結成。2011年には新作アルバム『ヴェンジャンス/復讐の日』も発表している。

伝説のヘヴィ・メタル・バンド、ザ・ロッズが日本初上陸『JAPANESE ASSAULT FEST 17』開催

2015年にはデビュー35周年を記念して「クランク・イット・アップ」セルフ・カヴァーをデジタル・シングルとしてリリース、精力的にライヴ活動を行うなど、現役バンドとして突っ走り続けるザ・ロッズが遂に日本上陸を果たす。『JAPANESE ASSAULT FEST 17』はひとつの事件だといえる。

さらに同フェスには2013年にも来日したスウェーデン出身のエア・レイド、ゾンビ・スラッシュ集団のF.K.Ü.、ギリシャ・スラッシュの雄クロノスフィア、スウェーデンの新世代メタル・バンドのアンブッシュ、日本を代表して参戦するSOLITUDE、日本から世界に殴り込みをかける新星IN FOR THE KILLという強力な布陣が出演する。メタルの炎が燃えさかる11月、『JAPANESE ASSAULT FEST 17』はまさにGO OR DIEのイベントだ。

■JAPANESE ASSAULT FEST 17

日時:2017年11月4日(土)、5日(日)14:00開場15:00開演
場所:吉祥寺CLUB SEATA(東京)
詳細はこちら

 

山崎智之〔やまざき・ともゆき〕
1970年、東京生まれの音楽ライター。ベルギー、オランダ、チェコスロバキア(当時)、イギリスで育つ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後、一般企業勤務を経て、1994年に音楽ライターに。ミュージシャンを中心に850以上のインタビューを行い、雑誌や書籍、CDライナーノーツなどで執筆活動を行う。『ロックで学ぶ世界史』『ダークサイド・オブ・ロック』『激重轟音メタル・ディスク・ガイド』『ロック・ムービー・クロニクル』などを総監修・執筆。実用英検第1級、TOEIC 945点取得
ブログインタビューリスト

 

特集

今月の音遊人

今月の音遊人:由紀さおりさん「言葉の裏側にある思いを表現したい」

6500views

音楽ライターの眼

ベンチャーズが来日60周年記念ツアー。変わる時代と変わらぬ音楽

7265views

REVSTAR

楽器探訪 Anothertake

いまの時代に鳴るギターを目指し、音もデザインも進化したエレキギターREVSTAR

5655views

ヴェノーヴァ

楽器のあれこれQ&A

気軽に始められる新しい管楽器 Venova™(ヴェノーヴァ)の魅力

1613views

脱力系(?)リコーダーグループ栗コーダーカルテットがクラリネットの体験レッスンに挑戦!

おとなの楽器練習記

【動画公開中】脱力系(?)リコーダーグループ栗コーダーカルテットがクラリネットの体験レッスンに挑戦!

10318views

出演アーティストの発掘からライブ制作までを一手に担う/ジャズクラブのブッキング・制作の仕事 (前編)

オトノ仕事人

出演アーティストの発掘からライブ制作までを一手に担う/ジャズクラブのブッキング・制作の仕事 (前編)

16242views

ホール自慢を聞きましょう

ウィーンの品格と本格派の音楽を堪能できる大阪の極上空間/いずみホール

6434views

こどもと楽しむMusicナビ

1DAYフェスであなたもオルガン博士に/サントリーホールでオルガンZANMAI!

2880views

ギター文化館

楽器博物館探訪

19世紀スペインの至宝級ギターを所蔵する「ギター文化館」

14440views

練馬だいこんず

われら音遊人

われら音遊人:好きな音楽を通じて人のためになることをしたい

5715views

パイドパイパー・ダイアリー

パイドパイパー・ダイアリー

贅沢な、サクソフォン初期設定講習会

5286views

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする Web音遊人

音楽めぐり紀行

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする

9639views

大人の楽器練習記:バイオリニスト岡部磨知がエレキギターを体験レッスン

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:バイオリニスト岡部磨知がエレキギターを体験レッスン

19109views

小泉文夫記念資料室

楽器博物館探訪

世界の民族楽器を触って鳴らせる「小泉文夫記念資料室」

21826views

音楽ライターの眼

【ジャズの“名盤”ってナンだ?】#020 個性と“ヒットの法則”を両立させたトリオ・ジャズの傑作~レイ・ブライアント『レイ・ブライアント・トリオ』編

507views

オトノ仕事人

音楽をやりたい子どもたちの力になりたい/地域音楽コーディネーターの仕事

8386views

われら音遊人:クラノワ・カルーク・ オーケストラ

われら音遊人

われら音遊人:同一楽器でハーモニーを奏でる クラリネット合奏団

7967views

楽器探訪 Anothertake

バンドメンバーになった気分でアンサンブルを楽しめるクラビノーバ「CVP-800シリーズ」

6966views

メニコン シアターAoi

ホール自慢を聞きましょう

五感で“みる”ことの素晴らしさを多くの方と共感したい/メニコン シアターAoi

2298views

山口正介

パイドパイパー・ダイアリー

すべては、あの日の「無料体験レッスン」から始まった

5179views

楽器のあれこれQ&A

ウクレレを始めてみたい!初心者が知りたいあれこれ5つ

4289views

ズーラシアン・フィル・ハーモニー

こどもと楽しむMusicナビ

スーパープレイヤーの動物たちが繰り広げるステージに親子で夢中!/ズーラシアンブラス

13368views

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅

29076views