Web音遊人(みゅーじん)

クラシックコンサートにバレエ、人形劇、演劇……好きな演目で劇場デビューする夏休み!/『日生劇場ファミリーフェスティヴァル』

多くの劇場や映画館が軒を連ねる日比谷の一角に建つ日生劇場。クラシカルな石造りの建物に一歩足を踏み入れると、大理石の床に赤い絨毯、ギリシャ風の柱、優美な螺旋階段のある美しい空間に迎えられます。劇場内部も天井に七色に光るアコヤ貝が貼られ、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだような幻想的な雰囲気。そんな華やかな劇場に、親子で出かけてみませんか?

日生劇場では、毎年夏休みシーズンに『日生劇場ファミリーフェスティヴァル』が開催されています。小さな子どもから大人まで楽しめる、バラエティに富んだ演目を揃えた人気のイベント。お子さんの「劇場デビュー」にもぴったりなこのフェスティヴァルについて、同劇場のスタッフにお話を伺いました。
「日生劇場は1963年の開場当初から芸術文化の振興と次世代育成のための取り組みを大切にし、小学校6年生をミュージカルに無料招待したり、中高生に向けたオペラ鑑賞教室を行ってきました。『日生劇場ファミリーフェスティヴァル』は、より幅広い年齢に舞台芸術を届けることを目的に、開館30周年を迎えた1993年にスタートしたものです」(広報 村木慈さん)
「全部で4つの演目があるのですが、そのうちの3つは、2007~2008年ごろから現在のようなクラシックコンサート、バレエ、人形劇というラインアップになりました。もう1演目は歌舞伎や落語といった伝統芸能か、ミュージカルや演劇などのチャレンジングな作品で、年によって異なります」(企画制作 清水彩果さん)

今年は「物語付きクラシックコンサート『アラジンと魔法のヴァイオリン』」「バレエ『眠れる森の美女』~日生劇場版~」「パペット・ファンタジー『ムーミン谷の夏まつり』」「音楽劇『あらしのよるに』」という4つの演目が予定されています。各演目には「3歳~」「6歳~」といった推奨年齢が設けられていますが、小さな弟や妹を連れての鑑賞もOKとのこと。

物語付きクラシックコンサート「アラジンと魔法のランプ」(2018年公演)

「舞台を楽しんでいただけるであろう年齢の目安として推奨年齢を設けておりますが、それより低い年齢のお子さんもご入場いただけます。もちろん、大人だけでの鑑賞も可能ですよ」(村木さん)
「たとえばバレエ公演の推奨年齢が3歳からとなっているのは、そのぐらいの年齢にバレエを習いはじめる子が多いから。クラシックコンサートは物語が付いているので、それが理解できる年齢ということで、6歳からとなっています」(清水さん)

「物語付きクラシックコンサート」は、オリジナルの物語のなかにクラシックの名曲がちりばめられ、歌やお芝居と一緒にオーケストラの生演奏を味わうことができるコンサート。2019年は、初代アラジンの孫であるアラジン王子が偶然見つけた世界最高峰のバイオリンをめぐる物語ですが、この脚本を手がけたのは清水さんです。
「毎年脚本を担当させていただいていますが、ひとつの脚本に30曲程度を、エッセンスの抜粋になりますが入れています。曲を選ぶよりも先に脚本を書くことが多いですね。まずは演出家と作曲家と脚本家の3人で集まってアイデアを出し合ったあと、いきなり“じゃあプロット書いて”となるので大変です(笑)。今回はバイオリンがテーマということで、楽器の仕組みや音色を紹介するシーンもありますし、クラシックだけでなくジャズ、ポップスなどいろいろなジャンルの曲を入れました。さらに、加藤昌則さんに物語の世界観に合った書き下ろしの曲を書いていただいたり、即興演奏もしていただきます」(清水さん)

第一線で活躍する大人たちが本気で作る舞台に、子どもたちからはどんな反応が返ってくるのでしょう?
「毎年、お子さんたちの反応はヴィヴィッドですね。一瞬一瞬をリアルに感じていただいているなと思います。客席を巻き込むシーンもあるので飽きさせないですし」(村木さん)
「客席からはいろいろな“生の声”が飛んできます。悪者が登場すると“帰れ!”と言われ、役者さんが落ち込んだり(笑)。『不思議の国のアリス』をテーマにした年は、意地悪なハートの女王がアリスに“お友だちがいなくてかわいそう”と言った瞬間に男の子が“僕がいる!”と言って立ち上がってくれました。子どもたちは、ときに大人よりも鋭いところを突いてきますから、皆さん気が抜けないと言っています」(清水さん)

クラシックコンサートのほかにも、大人気の絵本『あらしのよるに』を原作とした演劇やオーケストラの生演奏とともに解説付きで上演されるバレエ、人形劇団ひとみ座がムーミンのあたたかな世界観を見事に表現したパペット・ファンタジーなど、見どころ&聴きどころが盛りだくさん。お子さんがどの演目に興味を持つか、ぜひ聞いてみてください。

(写真左から)音楽劇「あらしのよるに」出演の渡部豪太(ガブ)と福本莉子(メイ)、バレエ「眠れる森の美女」、パペット・ファンタジー「ムーミン谷の夏まつり」(2017年公演) 撮影:三枝近志

■日生劇場ファミリーフェスティヴァル2019

●物語付きクラシックコンサート『アラジンと魔法のヴァイオリン』
日時:2019年7月20日(土)、21日(日)
開演:11:00/15:00

●パペット・ファンタジー『ムーミン谷の夏まつり』
日時:2019年7月27日(土)、28日(日)
開演:11:00/14:30

●音楽劇『あらしのよるに』
日時:2019年8月3日(土)、4日(日)、5日(月)
開演:11:00/15:00

●谷桃子バレエ団 バレエ『眠れる森の美女』~日生劇場版~
日時:2019年8月23日(金)、24日(土)、25日(日)
開演:11:00/15:00

会場:日生劇場(東京都千代田区有楽町1-1-1)
オフィシャルサイトはこちら

 

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