今月の音遊人
今月の音遊人:三浦文彰さん「音を自由に表現できてこそ音楽になる。自分もそうでありたいですね」
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さまざまなビートを奏で、パフォーマンスが際立つドラム。憧れて始めてみたけれど、練習の仕方にはわからないことがいっぱい。今回はドラムを始めたばかりの初心者が抱くお悩みにお答えします。
A.まず何よりもスティックが必需品です。最初は5Aという標準サイズを握ってみてください。慣れてきたら好みのものに変えていくことをおすすめします。その際は自分の手の形や身長に合ったものを選びましょう。よく、アーティストモデルというのがありますが、そのアーティストさんに合うように作られたサイズで、標準サイズとは異なりますので気をつけてください。
基本的なビートの演奏に必要なのは、バスドラム、スネアドラム、ハイハットシンバルです。自宅ではスティックで雑誌や練習パッドなどを叩いて基礎打ち(スティックを動かす練習)をして、スティックコントロールの精度を高めるトレーニングをするとよいでしょう。ですので、本当に必要最小限なのはスティックですね。
A. 疲れてしまう大きな原因は、手の動かし方にあります。腕全体を動かして、筋肉が硬直してしまうのではないでしょうか。腕には指、手首、肘、肩の4つの支点があります。細かい叩きのときは指だけ、勢いよく叩くときは肩を使うなど、稼働する部分を意識すれば、おのずと力の入れ方がわかってきます。まずは手首や指だけを、スティックを持たずに動かしてみてイメージを体に染み込ませましょう。また、叩く対象によって、スティックが自然と跳ね返るものと、跳ね返らないものがあるので、力の入れ具合が変わってくることも意識してみましょう。
A.ドラムにはほかの楽器のように基準音がないので、チューニングというよりは「音づくり」という意味合いが大きいです。たとえばギターは、アンプを変えることによって音が変わってきますよね。ドラムもそれに近くて、どのヘッドを使うか、皮をどう張るか、といったことがチューニングといえるでしょう。皮の特性やコーティングによって音(振動)が変わりますので、チューニングボルトで調整したり、振動を減らすためにガムテープを貼ったりもします。
合わせてメンテナンスが必ず必要です。常によい状態に整えておくことが大事です。
A.ドラムは、1曲の8〜9割はビート(一定のテンポ)を叩いています。このビートを理解していないとリズムは不安定になります。ほとんどのビートはバスドラムとスネアドラムで作られていて、この2つの音のテンポ(距離感)を理解することが大事です。
リズムの練習は、音に合わせて叩くよりも、まずはビートを何度も聴いて体にインプットしてから、フィジカルな動作に移るというように、分けて進めるとよいのではないでしょうか。どう演奏しているのかを繰り返し聴くことで、自分が叩こうとしている音楽が理解でき、慣れてくると耳コピなどができるようになります。
人間が備えている「リズム感」を、どれだけ引き出せるかが重要です。まずは音楽を聴きながら拍が取れるかをトレーニングしましょう。
協力:ヤマハ大人の音楽レッスン 田中陽講師
音楽情報誌「音遊人」とWebマガジン「Web音遊人」では、楽器に関する疑問や質問を募集しています。ぜひ、お聞かせください!
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