今月の音遊人
今月の音遊人:大塚 愛さん「私にとって音は生き物。すべての音が動いています」
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豊潤な響きと贅沢な空間が多くの人を魅了する/三井住友海上しらかわホール
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2016.1.20
tagged: クラシック, ホール自慢を聞きましょう, ホール, 名古屋, 三井住友海上しらかわホール
名古屋駅から地下鉄東山線でひと駅、最寄りの伏見駅からも徒歩5分と好アクセスの「三井住友海上しらかわホール」は、1994年に開館したシューボックス・スタイルのクラシック音楽専用ホール。ホールの建つ地域が白川町と呼ばれていたことから命名された。国内外の世界的な演奏家から地元のアマチュア音楽ファンまで、幅広い層に愛され続けている。
コンサート前の気持ちをぐっと盛り上げてくれる広々としたエントランス・ロビーから、落ち着いた雰囲気のホワイエへ。贅沢な空間が味わえるこの動線が、なんとも心地いい。たとえばここで、久しぶりにコンサートを共にする友人と待ち合わせ、開演前の会話を楽しむのもいいだろう。
バーコーナーやホワイエに置かれたおしゃれなテーブルや椅子も、くつろぎのひとときを演出してくれそうだ。
豊かな響きが自慢のホールに一歩入ると、そこはさらなる異空間。天然素材(レッドオークとサクラ)で仕上げられたという壁面と床、音響のために最適なアーチを描くアイボリーの天井。そのコントラストが、思わず言葉を忘れるほど美しい。
次に目を引くのが、やはり音響のために特注されたという、座面を折りたためる椅子。このホールならではの座席だ。見た目にかわいらしく、座り心地もいい。前後のスペースが充分に取られているので、人が前を通っても気にならない。中央のブロックは椅子が1列ごとに左右にずらしてあるため、視覚的にも楽しめる。
このような細かい気配りの尽くされた本ホールが、オープン当初からプロ・アマ問わず幅広く利用されてきたのは「地元の人に愛されるホール」がコンセプトだから。
現在も、セントラル愛知交響楽団(定期演奏会)や名古屋フィルハーモニー交響楽団(しらかわシリーズ 他)をはじめ、ピアノ、声楽、管弦楽などのソロやアンサンブル、室内楽の演奏会が開かれる一方、ここでの演奏会を恒例とするアマチュア演奏団体も多い。なかには、毎年ギターとマンドリンの定期演奏会を開催する大学もあるとか。それは、より多くの人たちが本格的なクラシック音楽ホールの響きを体感するきっかけにもなっている。
地元の人に愛されるホールとして上質な音楽空間を提供してきた、しらかわホール。20年以上の時を経た今も、隅々まで美しさを保っている維持・管理面も含め、このホールに漂う気品は、音楽を愛する人たちのくつろぎのひとときを華やかに演出してくれるだろう。
所在地:名古屋市中区栄2-9-15
TEL:052-222-7110
ホール形式:シューボックス型
席数:693席+車いすスペース3席
文/ 芹澤一美
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